イントロダクション
「オンラインショップを始めたいけど、技術的なハードルが高そう…」
「Shopifyという名前はよく聞くけど、本当に自分でもECサイトが作れるの?」
「他のECプラットフォームと比べて、Shopifyの特徴は何?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、世界中で400万以上のショップが利用するShopify(ショッピファイ)について、その基本概念から始め方、活用法まで、初心者にもわかりやすく解説します。2025年の最新情報と、実際の成功事例を交えながら、あなたのビジネスをオンラインで成功させるための完全ガイドをお届けします。
本記事を読むことで得られるもの:
– Shopifyの基本と他のプラットフォームとの違いがわかる
– 自分のビジネスに最適な料金プランを選べるようになる
– 実際の設定手順がわかり、今日からでもストア開設が可能になる
– 売上を伸ばすための具体的なテクニックを学べる
– 日本企業の成功事例から実践的なヒントを得られる
それでは、Shopifyの世界へ飛び込んでみましょう!
Shopifyとは
Shopifyとは、専門的な技術知識がなくても簡単にECサイト(オンラインショップ)を構築・運営できるクラウド型ECプラットフォームです。2006年にカナダで創業し、現在では世界175ヵ国以上で利用されています。

Shopifyの基本情報
– サービス開始: 2006年
– 本社: カナダ・オタワ
– 利用店舗数: 400万以上(2025年5月現在)
– 対応言語: 日本語を含む20言語以上
– 決済対応: クレジットカード、PayPay、Amazon Pay、コンビニ決済など多数
– 対応デバイス: パソコン、スマートフォン、タブレットなど全デバイス
なぜ今Shopifyが注目されているのか
Shopifyがここまで世界中で人気を集めている理由は、大きく5つあります:
1. 専門知識不要の使いやすさ:プログラミングやデザインの知識がなくても、美しく機能的なECサイトを構築できます。
2. スピーディーな立ち上げ:最短30分でショップオープンが可能で、アイデアをすぐにビジネスに変えられます。
3. スマートフォン時代に最適化:スマホファーストの設計思想で、モバイルショッピングが主流の現代にぴったりです。
4. 拡張性の高さ:7,000以上のアプリ(プラグイン)で機能を自由に拡張でき、ビジネスの成長に合わせて進化できます。
5. グローバル展開のしやすさ:多言語・多通貨対応で、海外販売も簡単に始められます。
豆知識:Shopifyの誕生秘話
Shopifyは、創業者のトビアス・リュトケ氏が自身のスノーボード販売サイトを作ろうとしたときに、「既存のECプラットフォームが使いにくい」という不満から生まれました。自身でゼロから開発したECシステムが評判となり、それをサービスとして提供したのがShopifyの始まりです。「自分が欲しかったサービス」として開発されたからこそ、ユーザー目線の使いやすさにこだわっています。
Shopifyの主な機能
Shopifyには、ECサイト運営に必要な機能がオールインワンでそろっています。主な機能を見ていきましょう。
基本機能
①商品管理機能
– 無制限の商品登録
– 在庫管理と自動通知
– バリエーション(サイズ・色など)の設定
– デジタル商品(ダウンロード販売)対応
– 定期購入(サブスクリプション)対応
②ショッピングカート機能
– モバイルフレンドリーなチェックアウト
– カート放棄防止機能
– 複数の割引コード対応
– スムーズな購入フロー
– SSL証明書による安全な決済
③デザイン機能
– 100種類以上のプロフェッショナルなテーマ(テンプレート)
– ドラッグ&ドロップによる簡単編集
– レスポンシブデザイン(スマホ対応)
– カスタムCSS/HTMLによる高度なカスタマイズ
④マーケティング機能
– SEO対策ツール(メタデータ、sitemap.xml自動生成等)
– SNS連携(Instagram, Facebook, TikTokなど)
– メールマーケティング機能
– ブログ機能
– 商品レビュー管理
⑤分析・レポート機能
– リアルタイム売上分析
– 顧客購買行動の把握
– トラフィック分析
– マーケティング効果測定
– Google Analyticsとの連携
2025年に強化された最新機能
2025年にShopifyでは、以下の新機能や機能強化が行われています:
1. AIを活用した商品説明自動生成:数クリックで魅力的な商品説明が作成できます
2. 拡張現実(AR)商品プレビュー:家具やアパレルを仮想試着・試用できる機能
3. 音声ショッピング対応:スマートスピーカーからの注文が可能に
4. 超高速ページロード技術:コンバージョン率向上に貢献
5. クラウドベースPOS強化:実店舗とオンラインの在庫・顧客データをリアルタイム連携
Shopifyと他のECプラットフォームの機能比較
機能 | Shopify | 楽天市場 | BASE | Wix |
---|---|---|---|---|
月額費用(最低プラン) | 3,650円〜 | 19,800円〜 | 0円 | 1,380円〜 |
販売手数料 | 0〜2% | 3〜4.5% | 3.6%+40円 | 0% |
デザイン自由度 | ★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ |
拡張性・アプリ数 | ★★★★★ (7,000+) | ★★ | ★★★ | ★★★★ (300+) |
集客のしやすさ | ★★★ | ★★★★★ | ★★ | ★★★ |
越境EC対応 | ★★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
料金プランと選び方
Shopifyの料金プランは、ビジネスの規模や目的に合わせて選べる4つのプランがあります。
料金プラン一覧(2025年5月現在)
Basicプラン
3,650円/月
これからECを始める方向け
- 無制限の商品登録
- 2スタッフアカウント
- 24時間サポート
- オンライン決済手数料:3.55%
- 外部決済利用時の追加手数料:2%
こんな方におすすめ:初めてECサイトを立ち上げる個人や小規模事業者
Shopifyプラン
10,100円/月
成長中のビジネス向け
- 無制限の商品登録
- 5スタッフアカウント
- 専門的なレポート機能
- オンライン決済手数料:3.4%
- 外部決済利用時の追加手数料:1%
こんな方におすすめ:月商50万円以上、複数人での運営を考えている事業者
Advancedプラン
44,000円/月
拡大するビジネス向け
- 無制限の商品登録
- 15スタッフアカウント
- 高度なレポート機能
- オンライン決済手数料:3.25%
- 外部決済利用時の追加手数料:0.6%
- 国際的なドメインとSSL
こんな方におすすめ:月商300万円以上、複数チームでの運営、国際展開を考えている事業者
Plusプラン
要問合せ(約30万円〜/月)
大規模ECビジネス向け
- 無制限の商品登録
- 無制限のスタッフアカウント
- 専任サクセスマネージャー
- 最低決済手数料
- 大規模カスタマイズ対応
- 高度なAPI機能
こんな方におすすめ:年商1億円以上の大規模ECビジネス、企業ECサイト
あなたのビジネスに最適なプラン選びのポイント
Shopifyの料金プランは、年間契約すると10%割引が適用されます。プラン選びで迷ったら、以下のポイントを参考にしてください:
1. 商品数: どのプランでも無制限ですので心配不要
2. スタッフ数: 運営に関わる人数に合わせてプランを選びましょう
3. 売上規模: 売上が増えるほど上位プランの方が手数料メリットが大きい
4. 成長フェーズ: まずはBasicプランから始め、ビジネスの成長に合わせて段階的にアップグレードするのがおすすめ
5. 必要機能: レポート機能や国際販売など、特定の機能が必要な場合は上位プランを検討
アドバイス
Shopifyは14日間の無料トライアルを提供しています。実際に使ってみて、自分のビジネスに合うかどうかを確かめることをおすすめします。クレジットカード情報なしで試せるので、気軽に始められます。
Shopifyと他のECプラットフォームの比較
Shopifyと他の主要なECプラットフォームを比較してみましょう。ビジネスの目的や規模によって、最適な選択は異なります。
モール型ECサイトとの比較
モール型ECサイト(楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)は集客力が強みですが、Shopifyのような独自ECサイトはブランディングの自由度が高いのが特徴です。
Shopifyの強み
- ブランドの世界観を自由に表現できる
- 顧客データを自社で完全に所有できる
- 手数料が定額で予測しやすい
- デザインや機能の自由度が高い
- 独自ドメインでブランド価値を高められる
モール型ECの強み
- 既存の集客力を活用できる
- モール内で検索されやすい
- 信頼性の担保がしやすい
- 一部のモールでポイント制度を活用できる
- 初期構築の負担が少ない
国内の他のECプラットフォームとの比較
BASEやSTORESなど、国内の他のECプラットフォームとShopifyを比較してみましょう。
比較項目 | Shopify | BASE | STORES | カラーミーショップ |
---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金 | 3,650円〜 | 0円(無料プラン有) | 0円(無料プラン有) | 1,980円〜 |
決済手数料 | 3.25〜3.55% | 3.6%+40円 | 5% | 3.6%+40円 |
テンプレート数 | 100+ | 約20 | 約10 | 約100 |
アプリ拡張 | 7,000+ | 限定的 | 限定的 | 数十種類 |
多言語対応 | 20言語以上 | 日本語のみ | 日本語のみ | 日本語のみ |
海外販売 | ◎(充実) | △(限定的) | △(限定的) | ○(対応) |
サポート | 24時間(チャット・メール) | メールのみ | メールのみ | 平日電話・メール |
どんなビジネスにShopifyが向いているか
Shopifyは以下のようなビジネスや状況に特に適しています:
– 自社ブランドを確立したい事業者:デザインの自由度が高く、ブランディングを重視できる
– 越境ECを検討している事業者:多言語・多通貨対応で国際展開がしやすい
– 成長志向のビジネス:スケーラビリティが高く、ビジネス成長に合わせて拡張できる
– オムニチャネル展開を目指す企業:実店舗、SNS、マーケットプレイスなどとの連携が充実
– 独自性の高い商品やサービスを提供する事業者:カスタマイズ性が高く独自の体験を提供できる
実例:アパレルブランドAさんの場合
自社デザインのアパレル商品を販売するAさんは、最初楽天市場に出店していましたが、ブランドイメージを伝えるのに限界を感じていました。Shopifyに移行後、ブランドの世界観を表現したデザインを実現し、Instagram連携で若い顧客層からの直接購入が増加。売上は前年比150%に伸び、さらに顧客データを活用したリピート施策でリピート率も20%向上しました。
# 記事(後半)
Shopifyでストアを開設する手順
Shopifyでストアを開設する手順を、初心者にもわかりやすく解説します。30分で始められる簡単ステップです。
STEP 1: アカウント作成
1. [Shopify公式サイト](https://www.shopify.jp/)にアクセス
2. 「無料トライアルを始める」をクリック
3. メールアドレス、パスワード、ストア名を入力
4. 基本情報(販売予定商品、現在のビジネス状況など)を入力
STEP 2: ストアの基本設定
1. 管理画面の「設定」をクリック
2. 「一般設定」で店舗情報(名称、住所、連絡先など)を入力
3. 「支払い」で決済方法を設定(クレジットカード、コンビニ決済など)
4. 「配送」で配送方法と料金を設定
5. 「言語」で日本語設定を確認
6. 「税金」で消費税の設定
設定のポイント
消費税の設定は特に重要です。2023年10月からインボイス制度が始まっているので、インボイス発行事業者の方は正しく設定しましょう。Shopifyでは「税金」設定から、国内販売向けの消費税率(10%、軽減税率8%)を設定できます。
STEP 3: テーマ(デザイン)選択とカスタマイズ
1. 管理画面の「オンラインストア」→「テーマ」をクリック
2. 「テーマストアを見る」から好みのテーマを探す(無料・有料あり)
3. 気に入ったテーマを「テーマを追加」
4. 「カスタマイズ」をクリックしてデザインを編集
5. ロゴ、カラー、フォント、レイアウトなどを調整
STEP 4: 商品登録
1. 管理画面の「商品」→「商品を追加」をクリック
2. 商品名、説明文、価格、画像を入力
3. 在庫数、SKU、バリエーション(サイズ・色など)を設定
4. 配送重量、分類、タグなどを入力
5. 「保存」をクリックして商品を公開
商品登録時は、高品質な商品画像と詳細な説明文を心がけましょう。これがコンバージョン率に大きく影響します。
STEP 5: ドメイン設定
1. 管理画面の「オンラインストア」→「ドメイン」をクリック
2. 「ドメインを購入」または「既存ドメインを接続」を選択
3. Shopifyでドメインを購入する場合は、希望のドメイン名を入力して検索
4. 利用可能なドメインから選択して購入(年間1,400円〜)
5. 既存ドメインを使う場合は、DNSレコードを設定
ドメイン選びのコツ
ブランド名を含む短くて覚えやすいドメインを選びましょう。可能であれば、.comや.jpなどの一般的なトップレベルドメインがおすすめです。SEO的にも、ブランディング的にも、独自ドメインの取得は重要なステップです。
STEP 6: 決済方法の設定
1. 管理画面の「設定」→「支払い」をクリック
2. 「Shopify Payment」を有効化する(審査なしですぐに利用可能)
3. 必要に応じて他の決済方法も追加
– PayPay
– コンビニ決済
– 銀行振込
– Amazon Pay
– Apple Pay
– Google Pay など
STEP 7: 配送設定
1. 管理画面の「設定」→「配送と受け取り」をクリック
2. 配送地域と配送料金を設定
3. 必要に応じて「配送プロファイル」を作成(商品タイプ別に異なる配送設定)
4. 送料無料条件の設定(例:1万円以上の購入で送料無料)
STEP 8: ストアの公開
スムーズな立ち上げのためのチェックリスト
- 商品画像・説明は魅力的か
- 特商法表記は正しく設定されているか
- プライバシーポリシーは設置されているか
- 問い合わせフォームは機能しているか
- 決済方法はすべてテスト済みか
- スマホ表示は問題ないか
- 読み込み速度に問題はないか
- Google Analyticsは設定済みか
Shopifyをカスタマイズする方法
基本的なストア設定が完了したら、次はカスタマイズしてあなただけの独自ストアに育てていきましょう。
テーマのカスタマイズ
Shopifyのテーマエディターでは、プログラミング知識なしでデザインをカスタマイズできます。
主なカスタマイズポイント:
1. ヘッダー・フッター: ロゴ、ナビゲーションメニュー、ソーシャルメディアリンク
2. ホームページ: スライダー画像、バナー、特集商品セクション
3. 商品ページ: 商品画像表示方法、レビュー表示、関連商品
4. カラースキーム: ブランドカラーに合わせた配色
5. フォント: ブランドイメージに合ったフォントスタイル
6. モバイル表示: スマートフォン向けの表示調整
アプリ(プラグイン)の追加
Shopify App Storeでは、7,000種類以上のアプリを追加して機能を拡張できます。
おすすめのShopifyアプリ(2025年版)
1. SEO対策:
– Yoast SEO(メタデータ最適化、XML sitemap生成)
– Smart SEO(構造化データ自動生成)
2. マーケティング:
– Klaviyo(メールマーケティング)
– RetentionHub(顧客維持率向上)
– JoinIt(会員制・サブスクリプション)
3. 商品表示強化:
– Product Bundle(セット販売)
– Product Options(カスタマイズオプション追加)
– AR Product Viewer(AR商品プレビュー)
4. UX向上:
– Boost Conversion(セール告知、カウントダウン)
– Search Accelerator(高度な検索機能)
– Multilingual Shop(多言語対応)
5. 在庫・配送管理:
– Inventory Sync(在庫同期)
– Easyship(国際配送料自動計算)
– Back in Stock(在庫切れ通知)
アプリ選びのポイント
アプリは便利ですが、入れすぎるとストアの表示速度が遅くなる原因になります。本当に必要な機能だけを厳選して導入しましょう。また、無料アプリと有料アプリの機能差をしっかり比較検討することも大切です。
高度なカスタマイズ(開発者向け)
より高度なカスタマイズを行いたい場合は、HTMLやCSS、Liquid(Shopify独自のテンプレート言語)を使って細部まで調整できます。
カスタマイズ可能な主な要素:
– テンプレートファイル(.liquid)
– CSS(スタイルシート)
– JavaScript(動作・機能)
– 言語ファイル(翻訳)
Liquidコードの例(おすすめ商品表示)
{% if recommendations.performed %}
{% if recommendations.products_count > 0 %}
<div class="recommended-products">
<h2>おすすめ商品</h2>
{% for product in recommendations.products %}
<div class="product-card">
<a href="{{ product.url }}">
<img src="{{ product.featured_image | img_url: '300x300' }}" alt="{{ product.title }}">
<h3>{{ product.title }}</h3>
<p>{{ product.price | money }}</p>
</a>
</div>
{% endfor %}
</div>
{% endif %}
{% endif %}
開発者に依頼する場合のヒント
専門的なカスタマイズをShopifyのエキスパートに依頼する場合は、「Shopify Expert」や「Shopify Partner」の認定を受けている開発者を選ぶとよいでしょう。日本語対応の開発者も増えてきています。カスタマイズの費用は、内容によって数万円から数十万円程度が相場です。
Shopifyで売上を伸ばすための7つのテクニック
Shopifyストアを立ち上げたら、次は売上アップのための施策を実施しましょう。2025年に効果的な7つのテクニックを紹介します。
①SEO対策で自然検索からの流入を増やす
Google検索で上位表示されるようにサイトを最適化しましょう。
実践ポイント:
– 商品タイトルと説明文にキーワードを自然に盛り込む
– メタタイトル・ディスクリプションの最適化
– 商品や情報ページのURL構造を最適化
– ブログコンテンツを充実させる
– 画像のalt属性を適切に設定
– モバイル表示速度の最適化(Core Web Vitalsの改善)
SEO成功事例:自然派コスメブランドB社
キーワードリサーチを徹底し、「オーガニック 日焼け止め」「敏感肌 美容液」など、検索ニーズの高いキーワードで商品ページを最適化。さらに週2回のペースで専門的な肌ケア情報のブログ記事を投稿し続けた結果、Google検索からの自然流入が半年で3倍に増加し、コンバージョン率も1.2%から2.5%に向上しました。
②SNSとの連携を強化する
2025年のトレンドとなっているソーシャルコマースを活用しましょう。
実践ポイント:
– Instagram Shopを設定しShopify商品と連携
– TikTok Shopでショート動画と商品を紐づけ
– Pinterest Shoppingでビジュアル検索と購入を連携
– FacebookショップとShopify在庫を同期
– LINEミニアプリでShopify商品を販売
③メールマーケティングを活用する
メールマーケティングは依然としてROI(投資対効果)が高いマーケティング手法です。
実践ポイント:
– 新規顧客獲得のための初回割引クーポンをメール配信
– カート放棄フォローメールの自動化
– 購入後のフォローメールでリピーターを増やす
– 顧客セグメントに応じたパーソナライズドメールの配信
– シーズンキャンペーンのお知らせメールの定期配信
メールマーケティングのコツ
Shopifyの「Klaviyo」や「Omnisend」などのアプリを使えば、顧客行動に基づいた自動メール配信が可能です。特に「カート放棄メール」は放棄された約15-20%のカートを救済できると言われています。また、購入後3日・10日・30日のタイミングでレビュー依頼や関連商品の案内を送るフォローアップメールも効果的です。
④顧客のロイヤルティを高める
新規顧客獲得コストは、既存顧客の維持コストの5〜25倍と言われています。リピーター育成が重要です。
実践ポイント:
– ポイント・報酬プログラムの導入
– VIP顧客向け特別セールの実施
– 購入回数に応じたランク制度の導入
– 誕生日クーポンなど特別な機会の演出
– 顧客フィードバックの積極的な収集と対応
⑤購入体験を最適化する
ユーザー体験(UX)の向上は、コンバージョン率に直結します。
実践ポイント:
– チェックアウトプロセスの簡素化
– 複数の決済オプション提供(クレジットカード、PayPay、コンビニ、後払いなど)
– 高品質な商品画像・動画の掲載
– わかりやすい返品・交換ポリシーの表示
– チャットサポートの導入
– ページ読み込み速度の最適化
📊 数字で見る効果
- チェックアウト時の必須項目を減らす → カート放棄率平均23%減少
- 複数の決済方法を提供 → コンバージョン率平均15%向上
- ページ読み込み速度1秒短縮 → コンバージョン率7%向上
- 商品ページに動画を追加 → 商品理解度80%向上、購入率30%向上
⑥AR(拡張現実)体験を提供する
2025年の最新トレンドとして、AR技術を活用した商品体験が注目されています。
実践ポイント:
– 家具・インテリアの設置イメージをARで表示
– アパレル商品の仮想試着機能
– メイク商品の仮想メイクアップ機能
– 商品のサイズ感をAR表示
⑦データ分析で継続的に改善する
Shopifyの分析ツールを活用して、ストアのパフォーマンスを定期的に確認し改善しましょう。
分析すべき主な指標:
– 訪問者数と流入元
– 直帰率とサイト滞在時間
– 商品ページからカートへの遷移率
– カート放棄率
– コンバージョン率
– 顧客獲得コスト(CAC)
– 顧客生涯価値(LTV)
– リピート購入率
データ分析を行動に変えるステップ
- 週次でデータレビューの時間を設ける
- パフォーマンスが低い指標を特定する
- A/Bテストで改善策を検証する
- 成功した施策を本格展開する
- 結果を測定し、さらに改善を繰り返す
2025年注目のShopify新機能
Shopifyは常に進化を続けており、2025年には特に以下の新機能が注目されています。
AI機能の強化
Shopifyでは、AI技術を活用した様々な機能が導入されています。
主なAI機能:
1. Shopify Magic: AIによる商品説明の自動生成
2. AI画像生成: 商品の背景やバナーをAIで作成
3. インテリジェント検索: 顧客の意図を理解する高度な検索機能
4. 自動レコメンデーション: 顧客の好みを学習し最適な商品を推薦
5. AIカスタマーサポート: チャットボットによる24時間対応
2025年新機能: AIビジュアルエディター
2025年4月にリリースされたAIビジュアルエディターは、「このロゴをもう少し大きく」「ヘッダーの色を明るくして」などの自然言語での指示でデザイン編集ができる画期的な機能です。プロのデザイナーがいなくても、直感的な指示でストアデザインを調整できます。
オムニチャネル統合の進化
オンラインとオフライン、そして様々なデジタルタッチポイントを統合するオムニチャネル機能が進化しています。
主なオムニチャネル新機能:
1. 統合POSシステム: 実店舗とオンラインの在庫・顧客データをリアルタイム連携
2. スマートフルフィルメント: 最適な出荷場所を自動選択
3. オムニチャネルギフトカード: オンライン・オフラインどちらでも利用可能
4. QRコード統合: 実店舗でのQRスキャンからオンラインへの誘導
5. ロケーションベースドマーケティング: 顧客の位置情報に基づいたプロモーション
サステナブルコマース対応
環境への配慮が求められる中、サステナブルなECを実現する機能も充実しています。
サステナブル対応機能:
1. カーボンオフセット表示: 購入ごとの環境負荷とオフセットの見える化
2. エコ配送オプション: 環境負荷の少ない配送方法の選択肢
3. サステナビリティバッジ: 環境配慮型商品の認証表示
4. サーキュラーエコノミー支援: リサイクル・リユース促進の仕組み
5. 社会貢献連携: 購入金額の一部を寄付する仕組み
日本企業のShopify成功事例5選
日本でもShopifyを活用して成功している企業が数多くあります。ここでは、業種別に5つの成功事例を紹介します。
①アパレル業界: FABRIC TOKYO
カスタムオーダースーツブランド「FABRIC TOKYO」は、Shopifyを活用した先進的なD2Cブランドの代表例です。
成功ポイント:
– オンラインで採寸した体型データをShopifyと連携
– Shopifyの柔軟な商品バリエーション機能でカスタムオーダーを実現
– InstagramやTikTokとShopifyを連携し、SNSからの直接購入を促進
– ARを活用した仮想試着体験の提供
成果:
– Shopify導入後2年間でオンライン売上が3倍に成長
– 顧客リピート率40%達成
– SNSからの流入が全体の35%を占める
②食品・飲料業界: 館山炙り海鮮 浜しお
千葉県館山市の海鮮料理店「浜しお」は、コロナ禍を機にShopifyを活用したオンライン販売を強化しました。
成功ポイント:
– 店舗で人気のメニューを冷凍食品化してEC販売
– リアルな調理動画と連携した商品紹介
– 定期購入機能で常連客を獲得
– 地域限定の特産品を全国に販売
成果:
– コロナ禍での売上減少をEC売上でカバー(売上前年比110%達成)
– 実店舗への来店客の20%がEC経由の新規顧客
– メディア露出機会の増加
③ビューティー業界: Melty
オーガニックコスメブランド「Melty」は、Shopifyを活用してD2C戦略を成功させました。
成功ポイント:
– ブランドの世界観を表現した美しいカスタムデザイン
– クイズ形式のパーソナライズ推奨システム
– UGC(ユーザー生成コンテンツ)の効果的な活用
– コミュニティ形成による顧客ロイヤルティの向上
成果:
– 創業3年で年商3億円達成
– SNSフォロワー25万人獲得
– 商品レビュー平均4.8/5.0の高評価
– リピート率65%の高い顧客満足度
④ホーム・インテリア業界: CRASH GATE
ハンドメイド家具ブランド「CRASH GATE」は、Shopifyでオンラインとオフラインの体験を融合させました。
成功ポイント:
– AR機能を活用した家具の設置イメージ体験
– 豊富な商品情報と詳細な素材説明
– オンライン予約・実店舗見学の統合システム
– 匠の技術を伝えるストーリーテリング
成果:
– オンライン売上が前年比180%に成長
– 高額商品(10万円以上)のオンライン購入率30%向上
– 実店舗とオンラインの顧客データ統合による接客品質の向上
⑤デジタルコンテンツ業界: STUDIO TAPA
イラストレーション教材を提供する「STUDIO TAPA」は、Shopifyのデジタル商品販売機能を最大限に活用しています。
成功ポイント:
– デジタル商品とサブスクリプションの併用
– 多言語対応で海外市場も開拓
– コミュニティ機能と連携したメンバーシップ制
– 段階的な学習コース設計
成果:
– 会員数2年で5,000人から25,000人に成長
– 海外売上が全体の40%を占める
– サブスクリプション型収益で安定経営を実現
成功事例から学ぶ共通点
- ブランドの独自性とストーリーを明確に伝えている
- 顧客体験を最重視した設計になっている
- オンラインとオフラインの連携を意識している
- データ分析に基づいた継続的な改善を行っている
- SNSやコミュニティとの連携を強化している
よくある質問と回答
Shopifyに関するよくある質問と回答をまとめました。初心者が疑問に思いやすいポイントを中心に解説します。
基本的な質問
Q1: Shopifyは本当に専門知識がなくても使えますか?
A: はい、基本的なPC操作ができれば、プログラミングやデザインの専門知識がなくてもShopifyは利用できます。直感的な管理画面とドラッグ&ドロップのインターフェースで、多くの操作が可能です。ただし、高度なカスタマイズを行うには、HTMLやCSSなどの知識があると便利です。
Q2: Shopifyの無料トライアルでどこまでできますか?
A: Shopifyの14日間無料トライアルでは、ほぼすべての機能を試すことができます。ストア構築、商品登録、テーマカスタマイズなどが可能ですが、実際の決済処理を行うには有料プランへの登録が必要です。トライアル中に構築したストアは、そのまま有料プランに移行できます。
Q3: Shopifyの料金以外にかかるコストはありますか?
A: Shopifyの月額料金以外に、以下のようなコストが発生する可能性があります:
- 決済手数料(売上の3.25%〜3.55%)
- 有料アプリの利用料(月額0〜数万円)
- 有料テーマの購入費(一回払い、100〜300ドル程度)
- 独自ドメイン費用(年間1,000〜3,000円程度)
- 外部サービス連携費用(メール配信ツールなど)
技術・機能に関する質問
Q4: ShopifyとWordPressの違いは何ですか?
A: ShopifyとWordPressは根本的に異なるプラットフォームです。Shopifyは専用のECプラットフォームで、ECに必要な機能が最初から組み込まれています。一方、WordPressはブログやWebサイト向けのCMSで、ECサイトを作るにはWooCommerceなどのプラグインが必要です。Shopifyはホスティングや保守が不要で初心者に優しいですが、WordPressはより自由度が高くカスタマイズ性に優れています。
Q5: モバイルからもShopifyストアの管理はできますか?
A: はい、Shopify管理アプリを使えば、スマートフォンから注文管理、在庫確認、売上データの確認などが可能です。iOSとAndroidの両方に対応したアプリが提供されており、外出先でもリアルタイムで店舗管理ができます。2025年のアップデートでは、商品登録や簡易的なデザイン編集もモバイルから行えるようになりました。
Q6: Shopifyで越境ECは簡単に始められますか?
A: Shopifyは多言語・多通貨対応など、越境EC向けの機能が充実しています。ただし、海外向け販売を成功させるには、言語対応だけでなく、国際配送、関税対応、現地の法律や規制への対応など、追加で検討すべき要素があります。Shopifyの越境EC向けアプリを活用すれば、比較的スムーズに海外展開を始められます。
運営・実務に関する質問
Q7: Shopifyの在庫管理はどこまで可能ですか?
A: Shopifyの標準機能でも基本的な在庫管理(在庫数の追跡、自動更新、在庫切れ通知など)は可能です。複数の販売チャネルがある場合は、チャネル間で在庫を同期できます。より高度な在庫管理(ロット管理、倉庫管理、仕入れ管理など)が必要な場合は、専用のインベントリ管理アプリを追加することで対応可能です。
Q8: 他のECプラットフォームからShopifyへの移行は難しいですか?
A: Shopifyには他のプラットフォーム(BASE、STORES、楽天市場など)からのデータ移行ツールが用意されています。商品データ、顧客データ、注文履歴などを比較的簡単に移行できます。ただし、URL構造やデザインが変わるため、SEOへの一時的な影響や、顧客への告知が必要になる点には注意が必要です。
Q9: Shopifyで特定商取引法に対応するには?
A: 日本で運営する場合、特定商取引法に基づく表記が必要です。Shopifyでは「ページ」機能を使って特定商取引法に関する表記ページを作成し、フッターにリンクを設置します。必要な項目(販売者情報、支払方法、引渡時期、返品・交換ポリシーなど)を漏れなく記載することが重要です。
Q10: ShopifyでPOS(実店舗販売)も対応できますか?
A: はい、Shopify POSを利用すれば、実店舗での対面販売とオンライン販売を統合管理できます。専用のPOSアプリとカードリーダーを使用して、在庫や顧客データをオンラインストアと同期できます。2025年の最新版では、モバイル決済、QRコード決済、顧客情報のタブレット表示など、機能が大幅に強化されています。
まとめ:Shopifyで始める成功への道
ここまで、Shopifyの基本から活用法、成功事例まで詳しく解説してきました。最後に、ShopifyでのEC成功に向けたポイントをまとめます。
Shopifyが選ばれ続ける理由
Shopifyは2025年も成長を続けており、その人気の秘密は以下の点にあります:
1. 使いやすさと低い参入障壁: 専門知識がなくても始められる直感的な操作性が、多くの事業者に選ばれる最大の理由です。
2. スケーラビリティ: 小規模から開始して大規模なビジネスまでシームレスに成長できる柔軟性があります。
3. 常に進化する機能: AIやAR技術など最新テクノロジーをいち早く取り入れ、常に進化し続けています。
4. グローバルな視点: 多言語・多通貨対応や国際配送の簡易化など、グローバルビジネスを支援する機能が充実しています。
5. 充実したエコシステム: 7,000以上のアプリ、数百のテーマ、世界中の開発者コミュニティにより、あらゆるニーズに対応できます。
ShopifyでECを成功させるためのステップ
Shopifyでオンラインビジネスを成功させるためには、段階的なアプローチが効果的です。
STEP 1: 基盤構築(1ヶ月目)
– 明確なブランドコンセプトの確立
– ターゲット顧客の明確化
– 基本的なストア設定の完了
– 3〜5個の主力商品の登録と最適化
STEP 2: 集客の仕組み作り(2〜3ヶ月目)
– SEO基盤の強化(キーワード最適化、メタデータ設定など)
– SNSアカウントとの連携
– 初期のメールマーケティング戦略の構築
– 小規模な広告キャンペーンのテスト
STEP 3: 改善と最適化(4〜6ヶ月目)
– データ分析に基づく商品ページの改善
– コンバージョン率の最適化
– 顧客フィードバックの収集と反映
– リピート購入の仕組み構築
STEP 4: 拡張と成長(6ヶ月目以降)
– 商品ラインナップの拡大
– マーケティングチャネルの多角化
– ロイヤルティプログラムの導入
– 新市場への展開検討
💡 成功への近道:最初から完璧を目指さない
多くの成功者が口を揃えて言うのは「始めるのに完璧なタイミングはない」ということ。まずは基本機能でシンプルに始めて、顧客の反応を見ながら段階的に改善・拡張していくアプローチが、Shopifyでの成功確率を高めます。
ShopifyとECの未来
2025年以降、ECの世界はさらに進化します。Shopifyを活用する上で注目すべき今後のトレンドには以下のようなものがあります:
1. 没入型ショッピング体験: VR/ARを活用した商品体験がさらに普及
2. 超パーソナライゼーション: AIによる個々の顧客に合わせたカスタム体験の提供
3. 音声コマース: 音声アシスタントを通じたショッピングの一般化
4. サステナビリティへの注目: 環境負荷低減を前面に出したECの台頭
5. 分散型コマース: ブロックチェーン技術や分散型金融との融合
これらのトレンドを先取りしてShopifyストアに取り入れることで、競合との差別化を図ることができるでしょう。
最後に:Shopifyでの成功は「継続」にある
どんなに優れたプラットフォームも、それを使い続け、改善し続けることが成功への鍵です。Shopifyは素晴らしいツールを提供してくれますが、最終的に成功するかどうかは、あなたのビジネスへの情熱と継続的な改善への取り組みにかかっています。
初めの一歩を踏み出し、着実に前進していきましょう。この記事が、あなたのShopifyを使ったEC事業の成功の一助となれば幸いです。
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この記事は2025年5月2日時点の情報に基づいています。Shopifyの仕様変更や機能追加により、実際の画面や手順が異なる場合があります。最新情報は[Shopify公式サイト](https://www.shopify.jp/)でご確認ください。
投稿者プロフィール
- CEO
- 関西大学卒業後、東証プライム上場企業ゼネコンにて人事総務業務に従事。
幼少よりモノ作りが好きだったこともあり、「モノを作る仕事がしたい」という思いからシステムベンダーへ転職。
システムベンダーでは、IBMオフコンAS400で金融、物流、販売管理、経理、人事総務などのシステムを開発。
台北に駐在し遠東國際商業銀行のシステム構築プロジェクトへの参画など貴重な経験を積む。
10年間で、プログラマ、SE、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを務め、「システムの質は要件定義の質に比例する」と学ぶ。
その後、クレジット決済代行会社にヘッドハンティングされる。
決済システムの再構築、国内外の銀行システムとの接続、クライアントの会社サイト制作・ECサイト構築を行う。
一方、組織改革を任され、20名から60名へ会社規模を拡大させる。(退任時役職:常務取締役)
2008年クリエイティブチーム・サンクユーを立ち上げ、2010年に法人化し株式会社サンクユーを設立。
クライアントの業界、取扱商材、ターゲット顧客を理解・分析することで、結果が出るWEBサイトを制作することを得意とする。
また、ECサイト構築・運営への造詣も深く、NTTレゾナント株式会社が運営するgoo Search Solutionでコラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
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