製造業・卸売業のBtoB-ECをどう設計する?ロット・品番注文・在庫・納期の考え方

EC-CUBEで製造業・卸売業のBtoB-ECをどう設計する?ロット・品番注文・在庫・納期の考え方B2B-EC
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この記事でわかること
「製造業・卸売業でBtoB-ECを作りたいが、普通のネットショップとは注文の仕方が違う」——部品・資材・卸取引などのBtoB-ECを検討すると、こうした課題に直面します。ロット単位での発注、品番・型番からの注文、在庫や納期の確認など、卸取引には、一般的なECとは異なる受注の構造があります。この記事では、これらをEC上でどう設計するかを中心に解説します。

この記事を読むと分かること

  • 製造業・卸売業の受注が、一般的なECと違う点
  • ロット・注文単位、品番・型番注文、在庫・納期の設計
  • 価格・掛売・基幹連携との関係(詳細は各記事へ)

BtoB-ECのプラットフォーム選び全体については、なぜBtoB-ECにEC-CUBEが向いているのかもあわせてご覧ください。

製造業・卸売業の受注で、整理したいこと

製造業・卸売業のBtoB-ECでは、一般消費者向けのECとは、注文の仕方が異なることがあります。たとえば、次のような点です。

  • 1個単位ではなく、ロットや箱・ケース単位で発注する
  • 商品を一覧から探すより、品番・型番で直接注文する
  • 注文の前に、在庫や、いつ納品できるか(納期)を確認したい

これらは、一般的な「商品を探して、1個ずつカートに入れる」流れとは異なります。まず、自社の取引先が、どのような単位で、どうやって注文しているかを整理することが、設計の出発点になります。以下、卸取引に固有の3つの論点を見ていきます。

① ロット・最低発注数・注文単位

卸取引では、注文の単位が、1個ではないことがあります。例えば、部品・資材・卸取引では、次のような単位が使われます。

  • ロット単位(100個単位、1,000個単位など)
  • 最低発注数(MOQ:この数量以上でないと注文できない)
  • 箱・ケース・パレットといった、荷姿の単位
  • 入数(1箱あたりの個数)

EC上では、こうした単位を、注文画面でどう扱うかを設計します。たとえば、指定の単位でしか数量を入力できないようにする、最低発注数を下回る注文を止める、入数から自動で計算する、といった制御です。これらは、EC-CUBEの標準機能そのままではなく、プラグインや個別開発で設計する範囲になります。取引先が、実際の発注のとおりに注文できるかどうかが、使ってもらえるかに関わります。

② 品番・型番からの注文導線

製造業・卸売業では、取引先が、あらかじめ品番・型番を把握していて、その番号で直接注文したい、というケースがあります。商品を一覧から探して、1つずつカートに入れる流れは、こうした注文には、かえって手間がかかることがあります。次のような、品番・型番から注文できる仕組みを検討します。

  • 品番・型番を直接入力して、注文する
  • 品番のリストを、CSVでアップロードして、まとめて注文する
  • 過去の注文履歴や、お気に入りから、再注文する

この「まとめて・素早く注文する」導線は、FAXや電話で注文していた取引先が、Web受注に移行する際に、特に重要になります。FAX受注のWeb化については、FAX受注をEC化するには?で解説しています。

③ 在庫・納期情報の見せ方

卸取引では、注文の前に、在庫があるか、いつ納品できるかを、確認したいことがあります。EC上で、在庫や納期をどう見せるかは、設計の論点です。

  • 在庫を、数量で見せるか、「在庫あり/なし」で見せるか、取引先ごとに出し分けるか
  • 受注生産・取り寄せの場合、納期の目安をどう表示するか
  • 在庫データを、基幹システムと、どのくらいの頻度で同期するか

在庫の数量をそのまま見せるか、表現を変えるかは、取引先との関係によって、判断が分かれる部分です。また、在庫データを基幹システムで管理している場合は、その連携をどう設計するかも、あわせて検討します。

取引先別価格・掛け率は、別途設計する

製造業・卸売業では、取引先ごとに単価や掛け率が異なることがあります。これは、卸取引でよくある要件ですが、価格の設計は、ロットや品番の設計とは別の論点です。取引先別価格や掛け率の設計は、複雑な価格の設計で解説しています。あわせて、掛売(請求書払い)や与信の管理が必要な場合は、掛売・与信管理の設計もご覧ください。

基幹システムとのデータ連携

製造業・卸売業では、商品・在庫・受注のデータを、基幹システム(販売管理・生産管理など)で管理していることがあります。EC化する場合、これらのデータを、どこまで、どのタイミングで連携するかを整理します。どのシステムを正本(マスタ)にするか、リアルタイムで連携するか、一定間隔でまとめて連携するかは、要件によって変わります。連携の設計については、基幹・在庫システムを連携する方法で解説しています。

EC-CUBEでの実装を考えるときに

ここまでの、ロット・注文単位、品番・型番注文、在庫・納期の表示は、EC-CUBEの標準機能そのままで実現できるものではなく、プラグインや個別開発を検討する範囲です。まず、自社の受注業務を整理したうえで、どの部分を、どう実装するかを決めることが大切です。一度にすべてを作るのではなく、段階的に導入する方法もあります。スコープの考え方は、段階的に作るスコープ設計で解説しています。

製造業・卸売業のBtoB-EC設計を、ご相談ください。

「ロット単位の発注に対応したい」「品番から注文できるようにしたい」「在庫や納期を見せたい」「基幹システムと連携したい」といったご相談に対応しています。現在の受注業務を伺ったうえで、EC上でどう設計できるかをご提案します。

製造業・卸売業のBtoB-ECを相談する

よくある質問

ロット単位や最低発注数での注文は、EC-CUBEで実現できますか?

実現を検討できます。指定の単位でしか数量を入力できないようにする、最低発注数を下回る注文を止める、入数から自動計算する、といった制御を設計します。これらは標準機能そのままではなく、プラグインや個別開発を検討する範囲です。まず、自社の取引先が、どのような単位で発注しているかを整理することが出発点になります。

品番・型番から直接注文できるようにできますか?

できます。品番・型番を直接入力して注文する、品番リストをCSVでアップロードしてまとめて注文する、といった導線を設計します。製造業・卸売業では、取引先が品番を把握しているケースがあり、一覧から探すより、品番から素早く注文したいというニーズがあります。FAXや電話から移行する取引先にとって、使いやすい注文方法を用意することが大切です。

在庫や納期は、取引先に見せたほうがよいですか?

要件によります。在庫を数量で見せる、「在庫あり/なし」で見せる、取引先ごとに出し分けるなど、見せ方には選択肢があります。受注生産や取り寄せの場合は、納期の目安をどう表示するかも論点です。在庫の数量をそのまま見せるかどうかは、取引先との関係によって判断が分かれるため、まず、どこまでの情報を見せたいかを整理することをおすすめします。

取引先ごとに違う価格は、この記事の範囲で設計できますか?

取引先別価格や掛け率は、ロットや品番の設計とは別の論点になります。詳しくは、複雑な価格の設計の記事で解説しています。あわせて、掛売(請求書払い)や与信の管理が必要な場合は、掛売・与信管理の記事もご覧ください。製造業・卸売業のBtoB-ECでは、これらの受注要件を、あわせて整理することになります。

まとめ

製造業・卸売業のBtoB-ECでは、ロット・最低発注数などの注文単位、品番・型番からの注文、在庫・納期の見せ方といった、卸取引に固有の受注構造があります。まず、自社の取引先が、どのような単位で、どうやって注文しているかを整理し、それをEC上でどう再現するかを設計することが出発点になります。取引先別価格や掛売・与信、基幹連携といった論点は、それぞれ別の設計として、あわせて整理します。

私たちサンクユーは、製造業・卸売業を含む、BtoB-ECの構築や、基幹システムとの連携に対応しています。「実際の発注のとおりに注文できるECにしたい」といった段階から、ご相談いただけます。まずは、現在の受注業務をお聞かせください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
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ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
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上岡龍太郎 / ダウンタウン

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