はじめに:いま注目される「BtoB-EC」とは?
企業間取引(BtoB)における電子商取引=BtoB-EC。
近年、この分野の成長が加速しており、国内でも導入を検討する企業が急増しています。
「BtoC(消費者向けEC)」の陰に隠れがちだったBtoB-ECですが、2025年以降は企業の業務改革・DX推進の中心的テーマとなりつつあります。
本記事では、最新の市場規模データ・業界別の傾向・今後のトレンドをまとめ、導入判断の参考となる情報をご提供します。
2025年現在のBtoB-EC市場規模(国内)
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」(※2024年版)によると、日本国内のBtoB-EC市場は以下のように推移しています。
| 年度 | BtoB-EC市場規模 | EC化率(対全取引) |
|---|---|---|
| 2020年 | 約334兆円 | 31.7% |
| 2022年 | 約372兆円 | 33.5% |
| 2024年 | 約400兆円(推定) | 35.0%(推定) |
| 2025年(予測) | 430兆円超 | 36.5〜38% |
👉 参考:経済産業省 電子商取引実態調査
注目ポイント:
- 金額ベースで見れば、BtoC(約22兆円)の約20倍の市場規模
- 毎年5〜7%のペースで成長しており、今後も継続見込み
業界別BtoB-EC化の進捗と傾向
| 業種 | EC化率 | 傾向と特徴 |
|---|---|---|
| 製造業 | 約40% | 部品・資材・機器類などの定期取引が多く、EC化進展中 |
| 卸売業 | 約30% | 受発注の効率化を目的とした導入が進む |
| 建設業 | 約15% | 保守的傾向もあるが、見積〜受発注までEC化ニーズ拡大中 |
| 医療・食品 | 約20% | 法規制・アナログ文化が壁だが徐々に浸透中 |
BtoB-ECが急成長している5つの理由
- 人手不足と業務効率化の必要性
紙注文・FAX・電話対応が限界に近づき、自動化・省人化が不可避に。 - DX推進と補助金活用
経済産業省のIT導入補助金・ものづくり補助金などが後押し。 - SaaS・オープンソースの充実
以前よりも低コスト・短期間でBtoB-ECを構築できる環境が整ってきた。 - 取引先からの要請
「Web発注ができないと面倒」といった顧客からの声が変化の原動力に。 - データ活用・業績向上
購買データを蓄積・分析することで、営業活動の強化や在庫最適化にも貢献。
BtoB-EC導入によるメリット
BtoB-ECを導入することで、企業は以下のような効果を得ることができます。
- 業務効率化:注文受付・在庫確認・納期回答などが自動化
- 人的ミスの削減:FAXや電話に起因する入力ミスを回避
- 営業力の強化:受注履歴や購買傾向を活用した提案営業が可能に
- 顧客満足度向上:24時間注文可能・納期確認もスムーズ
- コスト削減:紙・人件費の削減、業務リードタイムの短縮
導入ステップ:BtoB-ECを成功させるための流れ
BtoB-ECをスムーズに導入するためには、以下のステップを踏むことが重要です。
- 現状業務の棚卸:注文・出荷・請求・在庫などのフローを可視化
- 社内関係者の合意形成:営業・システム・経理部門などの理解を得る
- 要件定義とシステム選定:カスタマイズ性・連携性を考慮して選定
- 段階的にEC化:最初は一部取引先からスモールスタート
- 運用・改善サイクルの構築:アクセス分析や顧客の声を元に継続的に改善
よくある課題とその解決策
BtoB-EC導入を進める際、多くの企業が以下のような課題に直面します。
それぞれの解決策を併せてご紹介します。
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 既存の業務フローがアナログで非効率 | まずは業務の棚卸と可視化を行い、OCRやRPAなどと組み合わせて段階的にECへ移行。 |
| 社内にITに詳しい人材がいない | ECに精通したパートナー企業と連携することで、要件定義・設計・運用まで一括でサポート可能。 |
| 取引先が高齢でデジタルに不慣れ | 「FAX+Web」の併用や、操作が簡単なUIを提供することで、抵抗感を軽減し段階的に移行。 |
| 初期コストや運用負担への不安がある | SaaS型やオープンソース型(例:EC-CUBE)を活用することで、初期投資を抑えた導入が可能。 |
| 導入後の定着・活用が進まない | 社内マニュアルや動画マニュアル、カスタマーサクセス支援を用意し、運用定着をサポート。 |
2025年以降のBtoB-ECトレンド予測
2025年以降のBtoB-ECのトレンドを予測してみます。
業界特化型BtoB-ECやAIによる機能強化が加速すると思われます。
- トレンド1:API・基幹システム連携の標準化
在庫・出荷・請求などの社内システムとBtoB-ECのリアルタイム連携が求められる時代に。 - トレンド2:脱FAX文化・OCR連携の普及
「紙とWebの併用」から、「OCR×EC」で自動化へ。 - トレンド3:業界特化型ECの台頭
食品/化学品/建材など、業界ニーズに合わせたパッケージ化が進む。 - トレンド4:AIによる需要予測・レコメンド活用
BtoCで先行しているAI活用が、BtoBにも本格波及。
EC-CUBEで実現するBtoB-EC構築の可能性
EC-CUBEは、国内発のオープンソースECプラットフォームとして、BtoB向けにも高い柔軟性を誇ります。
- 得意先別価格表示
- 取引先ごとの表示制御
- PDF見積書・受注書自動生成
- API・CSVによる基幹システム連携
- 受注CSVの自動出力・メール送信機能 など
これらのカスタマイズを通じて、自社の業務に合ったBtoB-ECを実現可能です。
まとめ:今こそ、BtoB-ECで業務改革を
2025年、BtoB-ECは「コスト削減のための手段」から「競争力を高める武器」へと進化しています。
導入を先延ばしにする企業と、先行して改革に取り組む企業との間には、やがて大きな差が生まれます。
今こそ、BtoB-EC構築による業務改善・売上最大化のチャンスです。
よくある質問(FAQ)
BtoB-ECとBtoC-ECの違いは何ですか?
主に対象顧客、商品単価、取引量、決済方法に違いがあります。
BtoBは法人を対象とし、継続的かつ高額取引が中心です。
どの業界でBtoB-ECが進んでいますか?
製造業、卸売業、建設業などで進んでおり、最近は医療や食品業界にも拡大しています。
BtoB-ECを導入するには何から始めればいいですか?
まずは現状業務の棚卸を行い、課題と改善目標を明確にしましょう。
専門パートナーへの相談もおすすめです。
どうぞサンクユーへお気軽にご相談くださいませ。
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投稿者プロフィール

- CEO
- 株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。
関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。
この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。
その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。
2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。
単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。
NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
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機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
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