受注業務が忙しいのは本当に人手不足なのか
「受注が増えているのに余裕がない」
「営業が注文対応に追われている」
「改善に手をつける時間がない」
こうした状態を人手不足の問題だと捉えていないでしょうか。
しかし多くの場合、原因はそこではありません。
受注業務の忙しさは「人」ではなく「構造」によって生まれています。
この構造を変えない限り、人を増やしても忙しさは解消されません。
忙しさの正体は「処理業務の増殖」にある
BtoBの受注業務には、次のような工程が存在します。
- 電話・メール・FAXでの注文受付
- 単価確認(掛率・契約単価・数量別単価)
- 在庫確認
- 納期回答
- 基幹システムへの入力
- 修正対応(数量変更・単価修正・分納など)
1件あたりは数分でも、件数が増えると負担は急激に増加します。
さらにBtoB特有の複雑さとして
- 顧客ごとの価格条件
- 例外対応(特別値引き・ロット調整)
- 納期調整
が加わり、業務はどんどん肥大化していきます。
その結果、現場は「処理に追われる状態」に陥ります。
問題① 営業が“売る人”ではなく“処理する人”になっている
営業の本来の役割は、売上を伸ばすことです。
- 新規開拓
- 提案活動
- 関係構築
しかし受注処理が増えると
- 単価確認
- 在庫確認
- 納期回答
- 注文入力
に時間を奪われます。
これは単なる忙しさではありません。
売上機会の損失です。
問題② 判断が人に依存している(属人化)
受注業務が重い企業では、次の判断が特定の担当者に集中します。
- 価格判断
- 例外対応
- 納期判断
この状態が続くと
- 属人化
- 引き継ぎ不可
- 残業増加
- 退職リスク
が発生します。
問題の本質は人ではなく
判断が仕組み化されていないことです。
問題③ 「確認」が前提の業務構造
次のようなやり取りが日常化していないでしょうか。
- 価格の再確認
- 在庫の再確認
- 納期の再確認
確認が多いということは
仕組みが信用されていない状態です。
確認業務は、売上に比例して増え続けます。
つまり、この構造のままでは必ず限界が来ます。
なぜ人を増やしても解決しないのか
多くの企業は次の対応を取ります。
- 人員を増やす
- 残業で対応する
しかしこれは
処理能力を人数で補っているだけです。
売上が伸びるほど人件費も増え、利益は残りません。
解決策は「受注構造の見直し」にある
本当に必要なのは、業務の効率化ではありません。
構造そのものの見直しです。
① 価格の自動化
顧客ごとの価格ルールを整理し、システムに組み込みます。
単価確認が不要になります。
② 在庫・納期の可視化
基幹システムと連携し、確認業務を減らします。
③ 再注文の最適化
履歴からの注文を簡略化し、入力負担を削減します。
④ 判断の仕組み化
ロット制御や条件分岐を設計に組み込み、人の判断を減らします。
重要:システムを入れるだけでは解決しない
ここは非常に重要です。
ツールを導入するだけでは問題は解決しません。
業務を整理せずに導入すると
- 電話が減らない
- 二重管理になる
- 運用が複雑になる
という状態になります。
成功する企業は、必ず事前に
- 業務フローの可視化
- 価格ロジックの整理
- 例外処理の定義
を行っています。
まとめ:忙しさは構造で決まる
受注業務の忙しさは、人手不足ではありません。
受注構造によって生まれています。
構造を変えない限り、忙しさは繰り返されます。
逆に構造を変えれば、少人数でも回る体制を作ることができます。
まずは自社の受注構造を把握することから
「なぜ忙しいのか分からない」
「どこがボトルネックなのか整理したい」
その段階でも問題ありません。
構想段階でも大丈夫です。
現状の受注フローを整理し、改善ポイントをご提案します。
投稿者プロフィール
- CEO
- 株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。
関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。
この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。
その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。
2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。
単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。
NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン









