クレジットカードのブランドルール変更でECサイトは何を変える?0円与信・25日ルール・予約販売への対応を解説【2026年】

クレジットカードのブランドルール変更でECサイトは何を変える?0円与信・25日ルール・予約販売への対応を解説【2026年】ECサイト構築・運営
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この記事でわかること
クレジットカードのブランドルール厳格化に伴い、ECサイト側の与信・売上処理の運用見直しが必要になっています。特に、予約販売・受注生産・取り寄せ商品など「注文から商品提供まで時間がかかるECサイト」は注意が必要です。この記事では、ECサイト運営者が何を確認し、どのようなシステム・運用変更を検討すべきかを整理します。

本記事は、ご利用の決済代行会社や契約内容によって、対応の要否や内容は異なる場合があります。具体的な対応は、必ずご利用中の決済代行会社にご確認ください。

この記事を読むと分かること

  • 今回のブランドルール変更で、ECサイトが確認すべきこと
  • 「0円与信」への変更が必要になるケース
  • 「与信取得後25日以内の売上または取消」という運用ルール
  • 予約販売・受注生産で特に注意すべき点

今回のブランドルール変更で何が変わるのか

まず、ECサイト運営者が確認すべきポイントを整理します。

変更点EC事業者が確認すること
売上を伴わない与信の禁止1円・2円などの少額で有効性確認をしていないか
0円与信への変更有効性確認の処理を0円に変更できるか
25日ルール与信取得後25日以内に売上または取消ができる運用か
ダイレクト返品返金の運用をどうするか

これらの対応期限は、0円与信への対応が2026年9月末日、25日ルールなどの施行が2026年10月1日とされています。期限が迫っているため、早めの確認が必要です。

まず「自社が対象か」を確認する

今回の対象は、次の条件を満たす加盟店です。

  • クレジットカード決済サービスを利用している
  • 0円与信を利用している
  • 与信を26日以上継続する可能性がある

まずは、自社がこの対象にあたるか、ご利用中の決済代行会社に確認することが出発点です。

カードの有効性確認は「0円与信」へ

今回の変更では、実際の売上を目的としない与信(1円や2円などの少額与信)が禁止され、カードの有効性確認は0円で行うことが求められます。

自社のサイトが改修の対象になるかは、有効性確認の方法によります。

  • 有効性確認で1円・2円などの金額を明示的に指定している場合 → 0円への変更が必要
  • ワンクリック継続課金など、決済代行会社側で自動的に変更されるケース → 加盟店側の作業は不要とされています

つまり、自社の決済処理で少額の与信を指定しているかどうかが、改修の要否を分ける分岐点です。ここは、実装を確認しないと判断できない部分です。

与信から25日以内に「売上」または「取消」

今回の変更で、多くのECサイトに影響しうるのがこの点です。与信を取得してから25日以内に、売上または取消の処理を行うことが求められます。長期間、与信を取得したまま保持する運用は、ブランドルール上、見直しが必要になると理解すると分かりやすいです。

ここは誤解しやすい点です。「25日を超えると、システム上で売上処理ができなくなる」という意味ではありません。25日を超過しても自動的にキャンセルされたり、売上処理ができなくなったりするわけではない一方で、ブランドルール上、ペナルティの対象となる可能性がある、とされています(施行は2026年10月1日)。

また、決済代行会社のシステム上の与信有効期限(別途定められた仕様)と、今回のブランドルール上の25日という処理期限は、別の概念です。混同しないよう注意が必要です。

予約販売・受注生産はBtoC/BtoBともに注意

この25日ルールの影響を最も受けやすいのが、注文から商品提供まで時間がかかる取引です。これはBtoBだけの話ではなく、BtoC(一般消費者向けEC)でも同様に起こります。

EC形態影響を受けやすい例
BtoCアパレルの予約販売、限定商品の先行予約、オーダーメイド品、家具・インテリアの受注生産、食品・季節商品の予約、入荷待ち・発売前の商品
BtoB受注生産品、長納期商品、特注品、見積後に生産する商品、在庫の取り寄せ

これまで「注文時に本与信を取得し、発送時に売上を計上する」という設計だったECサイトでは、本与信の取得から発送・売上まで25日を超えるケースがないかを確認する必要があります。25日を超える取引がある場合、次のような運用への変更が例示されています。

与信から売上までの流れ(通常の取引/提供まで時間がかかる取引)

与信取得後は25日以内に売上または取消を行うことが求められます

● 通常の取引(受注から提供までが短い場合)

① 与信

注文時に与信を取得

② 25日以内に売上または取消

与信取得から25日以内に処理する

● 提供まで時間がかかる取引(予約商品・受注生産品など)

① 受注時:0円与信

カードの有効性確認のみを行う

② 提供直前:本与信

発送準備が整った段階で与信を取得

③ 提供時:売上

商品提供と同時に売上処理を行う

※提供直前の本与信の際、カードの利用枠に空きがない場合は決済エラーとなり、提供に支障が出る可能性があります。その場合は別の支払い方法の検討が必要です。

※数値・運用は契約内容により異なる場合があります。

この「受注時は0円与信、提供直前に本与信、提供時に売上」という流れは、決済処理の変更だけでなく、受注から出荷までの業務フローの見直しを伴います。自社の商材にこうした長期取引が含まれるかどうかが、対応の要否を左右します。

海外発行カードはさらに短い期限に注意

海外発行のクレジットカードについては、売上または取消までの期限が国内より短く定められているとされています。

ブランド期限
Visa対面取引5日以内/非対面取引10日以内
Mastercard一律7日以内

ここで実務上の注意点があります。セキュリティ上(カード情報の非保持化)の理由から、決済時に国内発行カードか海外発行カードかを判別することは困難とされています。つまり、海外のお客様との取引がある場合、「25日以内なら大丈夫」とは考えない方が安全です。海外発行カードの混在を考慮し、より短い期間を目安に処理を完了できる運用を検討する必要があります。

ダイレクト返品機能は「即廃止」ではない

「ダイレクト返品」機能(売上キャンセルのエラー時に、マイナスの売上データを計上する機能)についても、案内があります。ただし、ここも誤解しやすい点です。

2026年10月1日以降、この機能はブランドルール上ペナルティの対象となる可能性があるとされています。一方で、2026年10月時点での完全廃止は見送られ、当面は継続とされています。「廃止される」と断定されているわけではありません。とはいえ、ペナルティ対象となる可能性があるため、返金運用の見直しを検討しておくことが推奨されています。

BtoC・BtoBとも、決済だけでなく受注フロー全体を確認する

今回の変更は、「クレジットカード決済の設定を直すだけ」で終わらないことがあります。注文から売上確定までの業務フローが長い場合は、フロー全体の見直しが必要になります。これはBtoC・BtoBのどちらにも当てはまります。

  • BtoC:予約販売、オーダーメイド、発売前の商品など
  • BtoB:受注生産、特注品、長納期の商品など

特にBtoBでは、受注 → 見積・承認 → 在庫確保 → 生産 → 出荷 → 売上確定、といったように、間に見積・承認・生産などが介在し、フローが複雑になりやすい傾向があります。与信のタイミングと売上のタイミングをどう設計するかは、決済処理だけの問題ではなく、受注業務全体の設計の問題になります。今回のルール変更は、いわば「決済の仕様変更」が「業務フローの再設計」につながるケースです。

EC-CUBEを含む独自ECサイトでは、決済モジュールや受注・売上処理が自社の運用に合わせて実装されているため、今回の変更が自社の実装にどう影響するかを、個別に確認する必要があります。

次のような場合は、影響を確認することをおすすめします。

  • BtoCの予約販売・受注生産で、注文時に本与信を取得しており、商品提供・売上まで25日を超えるケースがある
  • BtoBの長納期・特注商品で、与信から売上までの期間が長くなる
  • 現在1円・2円などの少額与信を利用しているか分からない
  • 25日超過の前に、管理画面やメールでアラートを出したい
  • 本与信エラー時の顧客フォローを自動化したい

自社ECへの影響を、確認しませんか。

現在のクレジットカード決済処理や受注フローを確認したうえで、必要な改修や運用変更を整理してご提案します。特に、注文から提供まで時間がかかるECサイトの受注フロー設計・システム改修を得意としています。

自社ECへの影響を相談する

ルール対応だけで終わらせない。こんなEC改修も検討できます

ここで紹介するのは、今回のルール変更を受けて、私たちが考えるECサイト側の改修・運用改善の例です。実際に必要かどうかは、自社の商材や運用によって異なります。

今回のルール変更は、決済処理を直すだけでなく、受注業務そのものを楽にする改修のきっかけにもなります。せっかく改修するなら、日々の運用も楽にする——そんな視点で、次のような改修が考えられます。

① 予約・長納期商品の与信フローを自動化する

「受注時に0円与信 → 商品提供直前(発送準備が整った段階)に本与信 → 商品提供時に売上」という流れを、担当者が毎回手作業で行うのは負担が大きく、ミスも起きやすくなります。これを注文ステータスと連動させ、自動で処理が進むようにする改修が考えられます。

② 25日超過前のアラートを出す

与信取得から一定日数(たとえば20日)が経過した注文について、管理画面に警告を表示したり、担当者へメールで通知したりする仕組みです。あわせて、与信取得日・経過日数・25日到達日・処理状況(売上済/取消済/未処理)を管理画面の一覧で確認できるようにすると、対応漏れを防ぎやすくなります。

③ 本与信エラー時の顧客フォロー導線をつくる

商品提供直前の本与信では、カードの利用枠不足などでエラーになる可能性があります。その際に、顧客へ支払い方法の再設定を案内するメールを送り、マイページから別のカードや支払い方法を選べるようにする——という導線を用意しておくと、決済エラー発生時にも、顧客を適切な再決済へ案内しやすくなります。これはBtoC・BtoBのどちらでも有効です。

④ 与信期限が近い注文を管理画面で抽出できるようにする

本与信の取得日を基準に、売上または取消が未処理の注文を検索できるようにする改修です。たとえば「本与信取得から20日以上経過」「25日到達予定日が近い」といった条件で抽出できれば、対応漏れを確認しやすくなります。ブランドルールへの対応だけでなく、日々の受注管理そのものも楽になります。

いずれも、自社の商材や運用に長期取引が含まれるかどうかによって、必要性は変わります。まずは自社の状況を確認したうえで、どの改修が有効かを検討することをおすすめします。なお、これらの改修が可能か、またどのような実装になるかは、ご利用中の決済代行サービス・決済モジュール・ECサイトの構成によって異なります。

よくある質問

この対応は、すべてのECサイトが必要ですか?

今回整理した内容は、決済代行会社ごとに対応の要否や内容が異なる可能性があります。まずはご利用中の決済代行会社にご確認ください。

25日を超えると、売上処理ができなくなりますか?

そうではありません。25日を超過しても、自動的にキャンセルされたり売上処理ができなくなったりするわけではないとされています。ただし、ブランドルール上ペナルティの対象となる可能性があるとされています(施行は2026年10月1日)。なお、これは決済代行会社のシステム上の与信有効期限とは別の概念です。

予約販売や受注生産をしています。何を確認すべきですか?

まず、注文時に本与信を取得している場合、本与信の取得から商品提供・売上まで25日を超える取引がないかを確認することが出発点です。25日を超える場合、受注時に0円与信(有効性確認)のみを行い、商品提供の直前に与信を取得して25日以内に売上を計上する運用への変更が例示されています。これは決済処理と受注フローの両方に関わる見直しになります。

対応しないと、必ずペナルティが発生しますか?

「発生する」と断定されているのではなく、「ペナルティの対象となる可能性がある」とされています。対応の要否や具体的な影響は契約内容によっても異なるため、まずはご利用中の決済代行会社に確認することをおすすめします。

EC-CUBEを使っています。何を確認すればよいですか?

EC-CUBEを含む独自ECサイトでは、決済モジュールや受注・売上処理が自社の運用に合わせて実装されています。有効性確認で少額を指定していないか、本与信の取得から売上まで25日を超える取引がないか、といった点を、実装を確認したうえで判断する必要があります。実装への影響が分からない場合は、決済処理を確認できる制作会社にご相談ください。

まとめ

今回のブランドルール変更では、カード有効性確認の0円化(対応期限2026年9月末日)と、与信取得後25日以内の売上または取消(施行2026年10月1日)が主なポイントです。特に、予約販売・受注生産など、注文から提供まで時間がかかるECサイトは、運用の見直しが必要になる可能性があります。

まずは、自社が対象にあたるかを決済代行会社に確認し、注文時に本与信を取得している場合、本与信の取得から売上まで25日を超える取引がないかを確認することが第一歩です。私たちは、決済処理や受注フローを確認したうえで、必要な改修や運用変更の整理をお手伝いしています。自社ECへの影響を確認したい方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の対応可否やブランドルールの解釈を保証するものではありません。具体的な対応は、ご利用中の決済代行会社や専門家にご確認ください。

2026年9月末・10月1日の期限に向けて、今から確認を。

自社ECが今回の変更の対象か、どの処理を改修すべきか、現在の決済処理と受注フローを確認したうえで整理します。BtoC・BtoBを問わず、予約商品・受注生産・オーダーメイド・長納期商品などを扱うECサイトは、特に早めの確認をおすすめします。「自社が対象かわからない」「どこを改修すればよいかわからない」という段階でも構いません。現在の決済処理と受注フローを確認し、必要な対応を整理します。

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投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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