BtoB-EC構築の費用目安|EC-CUBE・SaaS・スクラッチの内訳と5年間の費用試算

BtoB-EC構築の費用目安|EC-CUBE・SaaS・スクラッチの内訳と5年間の費用試算B2B-EC
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この記事でわかること

EC-CUBE・SaaS・フルスクラッチによるBtoB-EC構築の費用目安と内訳、5年間の費用試算、見積もりを比較する際の確認点を解説します。金額だけでなく、どこまで対応する費用なのかを整理します。

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株式会社サンクユー 代表 堀川治

製造業・卸売業のEC-CUBE構築に携わってきた立場から、予算検討に役立つ費用の見方をお伝えします。取引先別価格や基幹連携など、自社に必要な条件を整理する際にお役立てください。

BtoB-ECの構築を検討するとき、「いくらかかるのか」と同時に確認したいのが、「その金額で、どこまで対応できるのか」です。

取引先別の価格設定、承認フロー、帳票出力、基幹システム連携。必要な機能によって、構築費用も公開後の運用費用も変わります。この記事では、構築方法別の費用目安と、同じ条件で見積もりを比較するための確認点を紹介します。

掲載金額について

掲載金額は予算検討のための目安であり、確定見積もりではありません。当社の見積対象となる費用には、管理費10%と消費税10%が別途かかります。SaaSなどを直接契約する場合の料金・課税条件は、各提供会社の案内をご確認ください。

BtoB-EC構築費用の全体像

費用は大きく「初期費用」と「運用費用」に分かれます。設計・開発だけでなく、移行、テスト、公開準備、公開後の保守まで含めて確認しましょう。

費用項目確認する内容
設計・基本構築デザイン、会員管理、商品管理、注文機能、取引先別の取引条件
追加開発承認フロー、帳票、独自の受注ルール
基幹システム連携商品・在庫・受注・顧客情報の連携範囲と方式
データ移行商品・会員情報の移行、データ整理、移行テスト
テスト・公開準備業務テスト、修正、本番移行、操作説明
継続費用サービス利用料、サーバー、保守、外部サービス
公開後の変更機能追加、連携先の変更、バージョンアップ
見積もりの重複と抜け漏れを確認

同じ項目でも、基本構築に含む会社と別途見積もりにする会社があります。取引先への操作説明やデータ移行も含め、誰がどこまで担当するかを確認してください。

構築方法別の費用・期間・内訳

ここでは、オープンソース版EC-CUBEのカスタマイズ、SaaSの利用、フルスクラッチ開発を比較します。構築方法だけでなく、必要な機能と運用体制に合うかを確認します。

① EC-CUBEカスタマイズ型

EC-CUBEをベースに、卸売・BtoBの取引に必要な機能を追加する方法です。取引先別の価格、独自の注文フロー、基幹システム連携など、自社の業務に合わせて設計したい場合に検討できます。

構築費用の目安は100〜300万円です。必要な機能や連携の範囲によって、この金額を超える場合もあります。以下は項目別の目安です。

費用項目費用目安金額を左右する条件
基本構築50〜100万円デザイン、価格設定、ログイン制御、注文フロー
基幹システムとのAPI連携50〜150万円連携対象、方向、頻度、既存APIの仕様
承認フロー20〜50万円承認階層、権限、差し戻しの条件
帳票出力10〜30万円帳票の種類、レイアウト、出力条件
テスト・修正・本番移行20〜40万円テスト範囲、移行対象、公開手順

上表は必要な項目を選んで検討するための目安です。すべてを含めた合計が100〜300万円になるという意味ではありません。全項目を単純合算した場合は150〜370万円となり、実際の見積もりでは採用する機能と作業範囲を整理します。

期間目安

2〜4カ月。基幹システムとのAPI連携がある場合は3〜5カ月が目安です。要件確定やデータ準備、連携先との調整によって変わります。

月額費用(稼働後)

保守・運用費用は月額2〜5万円が目安です。機能追加や大きな仕様変更は、契約に含まれるかを確認し、必要に応じて別途見積もります。

検討しやすい要件

取引先別価格、独自の注文フロー、基幹連携など、業務に合わせた設計が必要な場合に検討できます。

運用体制の確認

社内に専門のIT担当者がいない場合も、支援体制を組んで検討できます。日々の運用を誰が行い、制作会社がどこまで支援するかを決めます。

② SaaS型(月額課金)

提供会社が用意するEC機能を、月額料金などで利用する方法です。標準機能が業務に合えば、個別開発を抑えて導入できます。

費用項目費用目安確認する条件
初期設定・データ移行など20〜50万円設定や移行を誰が担当するか
月額利用料5〜15万円/月プラン、利用規模、追加機能
カスタマイズ・導入時の追加対応0〜50万円対応可否と見積範囲。内容によって別途見積もり
初年度の基本費用80〜230万円初期費用+12カ月分の月額利用料。追加対応は含まない

上表の追加対応費用まで含めた初年度の目安は80〜280万円です。従量料金や外部サービスなどがあれば加算します。各サービスの公式料金を一律に示したものではないため、検討するサービスの最新料金と導入支援・追加対応の見積もりを確認してください。

期間目安

標準機能を中心とした導入は1〜2カ月が目安です。基幹連携、業務変更、取引先への説明が必要な場合は別途準備期間を見込みます。

検討しやすい要件

標準機能で取引条件に対応できる場合に検討できます。設定や商品登録など、自社で担当する作業も確認しましょう。

連携・追加機能の確認

API連携、帳票出力、承認機能に対応するSaaSもあります。利用できるプラン、APIの制限、独自対応の可否を確認します。

継続費用の確認

月額利用料、従量料金、追加機能、外部サービスを含めて比較します。長期運用時の費用は利用条件によって変わります。

③ フルスクラッチ開発

必要なシステムを個別に設計・開発する方法です。既存の製品やサービスでは対応しにくい業務要件がある場合に検討します。

項目目安
設計・開発・テスト500万円〜
構築期間6カ月〜1年以上
月額保守費用10万円〜/月
スクラッチ開発を選ぶ前に

開発範囲が広くなるほど、設計・テスト・保守の負担も増えます。EC-CUBEやSaaSで対応できる範囲と比較しましょう。一方、既存製品に合わせる改修が複雑になる場合は、個別開発が適することもあります。

自社の場合、どの方法でいくらかかる?

必要な機能と構築範囲を整理します

現在の業務や取引条件を伺い、構築方法と費用目安をご提案します。

構築方法・費用を相談する →

5年間の費用試算とTCOの考え方

初期費用だけでなく、利用料や追加開発費を含めると総額が変わります。TCO(総所有コスト)を考える際は、まず次の式で整理します。

5年間の費用=初期費用+月額費用×60カ月+期間中に発生する追加費用

以下は初期費用と月額費用だけを使った簡易試算です。

構築方法初期費用の設定月額費用の設定初期費用+60カ月分
EC-CUBEカスタマイズ型150〜250万円3〜5万円330〜550万円
SaaS型30〜50万円8〜12万円510〜770万円
フルスクラッチ500万円〜10〜20万円1,100万円〜

この表は計算例であり、同じ機能・規模・保守範囲で取得した相見積もりではありません。構築方法ごとの安さを確定するものではなく、管理費・消費税も含めていません。

  • サーバーや外部サービスの利用料
  • 受注件数などに応じた従量料金
  • 公開後の機能追加
  • バージョンアップや連携先の仕様変更への対応
  • データ移行や将来の乗り換え
  • 社内で行う確認・入力・修正作業
同じ要件・期間・費用範囲で比較する

上記の追加費用のうち、月額費用に含まれるものは重複して加算しません。EC-CUBEでも保守や改修の費用は発生します。SaaSでも標準機能で業務に対応できれば個別開発を抑えられます。同じ要件と期間で比較して判断しましょう。

費用を左右する5つの要因

構築費用を具体化するために、次の条件を整理します。

① 基幹システム連携の範囲と頻度

受注データを送るだけか、商品・在庫・顧客情報も連携するかで範囲が変わります。片方向・双方向、リアルタイム・定期処理に加え、データ変換、エラー通知、再送、注文変更やキャンセルへの対応も確認します。

② 取引先別価格のルール

グループごとの掛率と、取引先・商品ごとの個別価格では必要な仕組みが異なります。数量や期間による価格変更がある場合は、条件の優先順位と管理方法を整理します。

③ 承認フローと権限

承認者が1人の場合と、部門・金額で経路が変わる場合では実装とテストの範囲が変わります。担当者の異動・退職、代理承認、差し戻しも確認しましょう。

④ 帳票の種類と出力条件

見積書・注文書・納品書・請求書などを整理します。レイアウトだけでなく、誰が、いつ出力するか、再発行をどう扱うかも費用に関係します。

⑤ データ量とアクセスの集中

取引先数や商品数だけでなく、検索条件、受注明細数、同時アクセス、在庫更新頻度も影響します。現在の利用規模と今後の増加見込みを伝えましょう。

BtoB特有の取引条件が費用に影響する

BtoB-ECでは、取引先別価格、掛け払い、承認フロー、基幹連携などが必要になることがあります。これらを追加すると、開発やテストの範囲も広がります。

ただし、BtoBだから一律にBtoCより高くなるわけではありません。BtoCでも複雑な販促・物流・外部連携があれば費用は増えます。「BtoBかBtoCか」より、自社に必要な取引条件と業務の範囲を整理することが見積もりの精度につながります。

費用を抑えるための3つの考え方

  1. 1

    初回公開に必要な機能を絞る

    機能を「公開時に必要」「運用後に追加」「業務の見直しで対応できる」に分けます。ただし、価格の誤表示や受注ミスにつながる機能まで後回しにすると運用負担が増える可能性があります。取引を正しく進めるための条件を優先しましょう。

  2. 2

    CSVとAPIを運用負担まで含めて比較する

    基幹連携の目安はCSV連携が5〜20万円、API連携が50〜150万円です。対象データや処理内容によって変わります。CSVは初期開発を抑えられる場合がありますが、手作業による出力・取込・確認が残ることがあります。APIでもエラー確認や例外処理は必要です。作業頻度、在庫情報の鮮度、受注件数、担当者の負担を比較して選びましょう。

  3. 3

    小さく始めても、移行の手戻りを増やさない

    一部の取引先や商品から運用を始め、確認しながら対象を広げる方法があります。ただし、SaaSから別システムへ移行すれば必ず安くなるわけではありません。再構築、データ移行、操作説明の費用が発生します。将来の要件が明確なら、最初に選ぶ仕組みで段階的に拡張できるかも検討しましょう。

発注前に確認したいチェックリスト

見積もりを依頼する前に整理すること

  • 現在の注文方法と困っている作業
  • 月間の受注件数と今後の想定
  • 取引先数・商品数
  • 取引先別の価格や支払条件
  • 承認フローと担当者の権限
  • 連携するシステムとデータ
  • 必要な帳票
  • 公開希望時期と予算

すべてが確定している必要はありません。現在使っている注文書や価格表、業務の流れが分かる資料があると、構築範囲を具体的に検討しやすくなります。

見積もりを比較するときに確認すること

  • 基本費用に含まれる機能と別料金の機能
  • データ移行・テスト・公開作業の範囲
  • 管理費・消費税・外部サービス費用の扱い
  • 月額費用に含まれる保守内容
  • 機能追加や仕様変更の費用
  • データの所有権と出力方法
  • 契約終了・乗り換え時の引き継ぎ条件

自社の取引条件や既存システムに合わせて構築範囲を検討したい方は、卸売・BtoB-ECサイト構築サービスをご覧ください。対応できる機能や構築実績、費用・期間を検討する際の確認項目、相談から公開までの進め方をご紹介しています。

見積もりに必要な条件を整理したい

構築範囲と費用の考え方をご相談ください

取引条件や既存システムを確認し、必要な機能と対応範囲を一緒に整理します。

構築範囲・費用を相談する →


よくある質問

QBtoB-EC構築の費用相場はいくらですか?+
EC-CUBEを使った構築では100〜300万円が目安ですが、必要な機能や基幹連携の範囲によって超える場合があります。SaaSは初期費用に加えて月額利用料、フルスクラッチは設計・開発する範囲を確認します。当社の見積対象となる費用には、管理費10%と消費税10%が別途かかります。
QBtoB-ECの費用はBtoC-ECより高いですか?+
取引先別価格、承認フロー、基幹連携などを追加すると費用は増えます。ただし、一律にBtoBの方が高いとはいえません。必要な機能と業務の複雑さによって変わります。
QSaaS型とEC-CUBEカスタマイズ型はどちらが安いですか?+
初期費用だけでは判断できません。SaaSの利用料・追加料金と、EC-CUBEの開発・保守・改修費用を、同じ機能と利用期間で比較する必要があります。
QBtoB-ECの基幹システム連携にかかる費用はいくらですか?+
CSV連携は5〜20万円、API連携は50〜150万円が目安です。連携するデータ、方向、頻度、エラー対応などによって変わります。既存システム側での対応費用も確認してください。
QBtoB-EC構築の費用を抑えるポイントはありますか?+
初回公開に必要な機能を絞り、既存機能を活用できる範囲を確認します。連携方式や段階導入も検討できますが、手作業の負担や将来の移行費用まで含めて判断することが大切です。

BtoB-ECの構築をご検討の方へ

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サンクユーでは、取引先別価格、受注フロー、基幹システム連携などを整理し、業務に合った構築方法と対応範囲をご提案します。「どこまでシステム化するか決まっていない」「見積もりに必要な条件を整理したい」という段階からご相談いただけます。

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投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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