受注業務が終わらない…現場の悩みを解決する5つの視点|FAX・電話・手入力からの脱却ステップとは?
はじめに:「終わらない受注業務」に疲れていませんか?
受注業務に追われる毎日。
FAXで届いた注文書を手作業で確認し、販売管理システムに転記。
「前回と同じで」という顧客の依頼に応えるため、過去の注文書を探し出す。
ミスが発生すれば謝罪対応と再手配。
気がつけば残業続きという状況。
こうした光景は、製造業・卸売業・印刷業など、多くのBtoB現場で日常的に起きています。
しかし、その負担を「当たり前」として受け入れてしまっていないでしょうか。
本記事では、アナログ受注業務のよくある悩みを5つの視点から整理し、それぞれの解決策と改善ステップを具体的に解説します。
FAXや電話、手入力からの脱却を実現するためのロードマップもあわせて紹介します。
視点1:FAXが止まらない、紙が山積みになる
よくある状況
- 毎日届く大量のFAX注文
- 印刷・仕分け・保管・ファイリングに多くの時間を消費
- 過去の注文を探すのに数分から十数分かかる
FAXは手軽な発注手段である一方、紙の管理コストと検索性の低さが大きな課題です。
解決のヒント
- FAX注文書をPDF化し、社内で共有できる仕組みを導入
- OCRで自動読み取りし、RPAや受注支援システムと連携
- 中長期的にはWebフォームやBtoB-ECを導入し、FAX依存をゼロに
まずは紙の削減とデータ化から始めることで、業務負荷と検索時間を大幅に減らせます。
視点2:注文内容を毎回手入力している
よくある状況
- FAXやメールの注文書を見ながら基幹システムに転記
- 入力作業は1件あたり5〜10分と負荷が高い
- 同じ注文でも毎回ゼロから入力している
転記作業はミスの温床であり、人的リソースの浪費につながります。
解決のヒント
- CSV形式での一括アップロード受付を導入
- 再注文機能付きのWebフォームやBtoB-ECサイトを活用
- 顧客ごとの注文パターンをテンプレート化し、入力負担を軽減
一括処理や再利用可能な仕組みを整えることで、受注処理時間とミスを同時に減らせます。
視点3:出荷・在庫確認で社内を走り回る
よくある状況
- 在庫や納期の確認に毎回複数部署を介する
- 営業部・倉庫・仕入先など関係者が多く、情報が分散
- 「誰かが知っているが、システムに反映されていない」状態
この状況は、情報共有の遅延や誤認を招きやすく、顧客対応のスピードを落とします。
解決のヒント
- 社内在庫データを受注担当も閲覧可能にする
- BtoB-ECと基幹システムをAPIやCSVで連携し、在庫情報を自動取得
- 顧客にも在庫・納期情報をリアルタイムで公開
情報の一元化は、社内外の問い合わせ対応時間を大幅に短縮します。
視点4:クレーム対応が減らない・心理的負担が大きい
よくある状況
- 誤品や数量違い、納期遅延などのトラブルが頻発
- 原因が特定できず、責任の所在があいまい
- 謝罪や再手配に時間と精神力を消耗
クレームが慢性化すると、現場のモチベーションも下がります。
解決のヒント
- 注文履歴や作業履歴をデジタル化し、誰でも追跡可能にする
- 入力から承認、出荷までのプロセスを可視化
- 顧客自身が注文状況を確認できるマイページ機能を提供
透明性の高い業務フローは、トラブルの予防と顧客満足度向上の両方に貢献します。
視点5:「前回と同じで」の注文が逆に大変
よくある状況
- どの注文を指すのかが曖昧で探すのに時間がかかる
- 過去のFAXや紙の束から探し出す必要がある
- 顧客によって表現や記載方法がバラバラ
このような依頼は一見簡単そうですが、現場にとっては手間のかかる作業です。
解決のヒント
- 顧客専用の再注文ボタンや履歴表示機能を提供
- マスタ管理された商品登録とオプション選択で標準化
- リピーター顧客にはセルフオーダー型ECが効果的
「探す時間」をゼロにする仕組みは、受注処理の質を大きく改善します。
受注業務を変えるためのステップ
ステップ | 内容 | 効果 |
---|---|---|
① 棚卸し | 作業時間・ミス・業務フローを可視化 | 改善ポイントを明確化 |
② デジタル化 | FAXをPDF化、OCR導入、CSV受注に対応 | 紙削減、履歴検索性向上 |
③ Web注文化 | Webフォーム受付や専用サイト構築 | 再注文や情報共有の効率化 |
④ BtoB-EC導入 | 顧客ログイン型のセルフオーダー | 自動化、属人化解消、拡張性確保 |
まとめ:「現場の努力」だけでは限界です
「人手が足りない」「またミスが出た」「今日も残業」。
そんな声が日常化している現場は、構造的な改善が必要です。
最初の一歩は業務の見える化。
「なぜこの作業が大変なのか」を言語化し、その課題に合った解決策を選ぶことです。
受注業務のDXは一気に進める必要はありません。
段階的な改善でも確実に成果は出せます。
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投稿者プロフィール
- CEO
- 関西大学卒業後、東証プライム上場企業ゼネコンにて人事総務業務に従事。
幼少よりモノ作りが好きだったこともあり、「モノを作る仕事がしたい」という思いからシステムベンダーへ転職。
システムベンダーでは、IBMオフコンAS400で金融、物流、販売管理、経理、人事総務などのシステムを開発。
台北に駐在し遠東國際商業銀行のシステム構築プロジェクトへの参画など貴重な経験を積む。
10年間で、プログラマ、SE、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを務め、「システムの質は要件定義の質に比例する」と学ぶ。
その後、クレジット決済代行会社にヘッドハンティングされる。
決済システムの再構築、国内外の銀行システムとの接続、クライアントの会社サイト制作・ECサイト構築を行う。
一方、組織改革を任され、20名から60名へ会社規模を拡大させる。(退任時役職:常務取締役)
2008年クリエイティブチーム・サンクユーを立ち上げ、2010年に法人化し株式会社サンクユーを設立。
クライアントの業界、取扱商材、ターゲット顧客を理解・分析することで、結果が出るWEBサイトを制作することを得意とする。
また、ECサイト構築・運営への造詣も深く、NTTレゾナント株式会社が運営するgoo Search Solutionでコラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
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