BtoB-ECを導入しても、発注担当者に使われなければ意味がありません。
社内では「受注業務を効率化したい」と考えて導入していても、実際の発注側にとって使いにくければ、結局FAXやメールに戻ってしまうことがあります。
そのため、BtoB-ECでは「導入すること」よりも、「現場で使われること」「定着すること」が重要です。
この記事では、発注担当者が使いやすいBtoB-ECとはどのようなものか、使われる受注サイトに共通する条件を整理して解説します。
発注担当者が使いやすいBtoB-ECとは
発注担当者が使いやすいBtoB-ECとは、迷わず注文でき、必要な商品を探しやすく、過去注文から再発注しやすく、取引条件が分かりやすい受注サイトです。
つまり、機能が多いことよりも、普段の発注業務が楽になることが重要です。
発注担当者は、ECサイトを楽しむために使うのではなく、仕事として使います。
そのため、見た目の派手さよりも、迷わず早く正確に発注できることの方がはるかに大切です。
なぜBtoB-ECは発注担当者視点が重要なのか
BtoB-ECを導入する企業側は、受注処理の効率化や業務改善を目的にしていることが多いです。
しかし、発注する側にとって従来より使いにくければ、その仕組みは定着しません。
たとえば、FAXならすぐ送れたのに、ログインして商品を探して条件を確認して入力しないといけないとなれば、発注担当者には負担が増えたように感じられます。
そのため、BtoB-ECは自社都合で設計するのではなく、「相手が使いやすいか」を前提に考える必要があります。
発注担当者が嫌がりやすいBtoB-ECの特徴
使われにくいBtoB-ECにはいくつか共通点があります。
- 商品を探しにくい
- 取引先ごとの価格が分かりにくい
- 再注文がしづらい
- ログイン後の導線が複雑
- 社内承認しにくい
- 従来のFAXやメールより手間が増える
つまり、単に「機能がある」だけでは足りず、普段の発注行動に自然に合うことが必要です。
使われるBtoB-ECに必要な条件
使われるBtoB-ECの条件
| 条件 | 発注担当者にとっての意味 | 不足すると起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 商品を探しやすい | 必要な商品にすぐたどり着ける | 電話やFAXに戻る |
| 再注文しやすい | 過去注文からすぐ発注できる | 毎回入力が面倒になる |
| 価格・条件が分かりやすい | 自社条件で迷わず判断できる | 確認連絡が増える |
| 承認しやすい | 社内手続きに載せやすい | 運用に乗らず定着しない |
| 入力が簡単 | 短時間で発注できる | 従来手段の方が早いと感じる |
特に重要なのは再注文のしやすさ
BtoB取引では、同じ商品を繰り返し注文するケースが多くあります。
そのため、新規注文をしやすくすること以上に、再注文しやすいことが重要です。
過去注文履歴からすぐに発注できる、よく買う商品が見やすい、型番や品番で検索しやすいといった工夫は、発注担当者の負担を大きく減らします。
この点が弱いと、せっかくWeb化しても「FAXの方が早い」と思われやすくなります。
価格や取引条件が分かりやすいことも重要
BtoBでは、取引先ごとに価格や条件が異なることが珍しくありません。
ここが分かりにくいと、発注担当者は結局確認のために電話やメールを使うことになります。
つまり、BtoB-ECで重要なのは、単に商品を並べることではなく、「この取引先にとって何がどう見えるべきか」を整理することです。
BtoB-ECとBtoC-ECの違いを整理したい方は、比較記事もあわせて確認してみてください。
FAX受注から移行する場合に気をつけたいこと
発注担当者が使いやすいBtoB-ECを考えるとき、特に重要なのが、今までの発注方法との比較です。
もし従来がFAXやメール中心だった場合、発注担当者は「今より楽になるか」で新しい仕組みを評価します。
ここで手間が増えたように感じられると、定着しにくくなります。
そのため、BtoB-EC導入は、単に機能を追加するのではなく、「今の発注方法より楽か」を基準に設計する必要があります。
FAX受注のDXを起点に考えたい方は、FAX受注のDXとは?の記事も参考になります。
機能の多さより、迷わない設計が重要
BtoB-ECでは、機能を増やすほど便利になるとは限りません。
発注担当者にとっては、必要な操作が迷わずできることの方が重要です。
ログイン後に何をすればよいか分かる、必要な商品が見つけやすい、注文確定までの手順が短い。
こうした設計の方が、現場では高く評価されやすいです。
つまり、使われるBtoB-ECは「高機能なサイト」ではなく、「仕事がしやすいサイト」だと言えます。
発注担当者に使われるBtoB-ECを目指すことが定着への近道
BtoB-ECが定着しない理由の多くは、システムの有無ではなく、現場の使いやすさにあります。
発注担当者が使いやすいBtoB-ECとは、再注文しやすく、条件が分かりやすく、迷わず発注できる受注サイトです。
この視点で設計することで、単なる導入で終わらず、実際に使われる仕組みに近づきます。
よくある質問
発注担当者が使いやすいBtoB-ECとは何ですか?
発注担当者が迷わず注文でき、再注文しやすく、取引条件が分かりやすく、社内確認もしやすい受注サイトのことです。
BtoB-ECは機能が多ければ使いやすくなりますか?
いいえ。
必要以上に機能が多いと、かえって使いづらくなることがあります。
大切なのは、発注担当者の業務に合った導線と画面設計です。
BtoB-ECが定着しない理由は何ですか?
再注文しにくい、商品を探しにくい、価格や条件が分かりにくい、従来のFAXやメールより手間が増えるなどの理由で定着しにくくなることがあります。
BtoB-EC設計のご相談はこちら
BtoB-ECは、導入することよりも、発注担当者にとって使いやすく、現場で定着することが重要です。
発注担当者視点での受注サイト設計や、FAX・メール受注からの移行を検討している方は、無料ご相談ください。
投稿者プロフィール
- CEO
- 株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。
関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。
この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。
その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。
2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。
単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。
NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
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