1. GmailをEC-CUBEのメール送信に使うメリット
EC-CUBEで注文確認メールやお問い合わせメールを送信する際、社内や個人のGmailアカウントを使いたいケースは少なくありません。
独自ドメインのSMTPサーバーを用意しなくても、Gmailを使えばセキュアで信頼性の高いメール送信が可能になります。特に、社内のメール管理をGmail(Google Workspace)に統一している企業には便利な設定です。
2. GmailをSMTPサーバーとして設定する手順
EC-CUBEの送信メール設定は、.env ファイルにある MAILER_DSN に記載します。SMTPにGmailを設定する場合は、Googleアプリパスワードを利用するのがポイントです。
以下の手順で進めていきましょう。
(1)Googleアプリパスワードを発行する
アプリパスワードとは、Googleが提供する16桁の特別なパスコードで、2段階認証を有効にしているアカウント専用の機能です。これにより、Gmailのログイン情報を安全に外部アプリ(今回はEC-CUBE)へ渡すことができます。
2025年11月時点では、Googleアカウントの設定画面から直接は表示されないケースもあります。その場合は、以下のURLにアクセスして発行・確認・削除を行ってください。
(2)MAILER_DSNを設定する
アプリパスワードが発行できたら、次に .env ファイルの MAILER_DSN を設定します。
MAILER_DSN=smtp://【メールアドレス】:【アプリパスワード】@smtp.gmail.com:465?encryption=ssl&auth_mode=login
※465ポートを使用し、encryption=ssl を指定します。設定後、EC-CUBEの管理画面でメール送信テストを行い、正常に送信できるか確認しましょう。
3. よくあるエラーと対処法
設定後、もしメールが送信できない場合は、以下の項目をチェックしてください。
| エラーメッセージ | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| Authentication failed | アプリパスワードが誤っている | コピー時の空白や文字化けを確認 |
| Expected response code 250 but got code “535” | 認証設定が正しくない | 2段階認証が有効になっているか再確認 |
| Connection could not be established | ポートや暗号化方式が不一致 | 465ポート+SSLを使用しているか確認 |
4. 設定後の確認ポイント
- テストメールを送信して到達確認を行う
- 迷惑メールフォルダに入らないか確認
- 本番環境でも
.envに同じ設定を反映する - 複数環境で異なるGmailを使用する場合は
.env.localで分離管理
5. まとめ
GmailをEC-CUBEの送信メールに設定することで、外部SMTPサーバーを用意せずに安定したメール送信環境を構築できます。
特にGoogle Workspaceを利用している企業にとっては、セキュアで管理しやすい運用が可能になります。ぜひこの手順を参考に、EC-CUBEでのメール送信設定を整えてみてください。
投稿者プロフィール
- サンクユーのEC-CUBE先生。
EC-CUBEのカスタマイズをし出して早15年。
難易度の高いカスタマイズもお任せ。
2系、3系、4系すべて対応可能。
実はjavaでの業務システム開発がエンジニア人生のスタート。
PHP、Perl、フロントエンド開発、Movable Type、Wordpressも得意という万能エンジニア。








