EC-CUBEに問い合わせ履歴機能を実装する方法|マイページ・管理画面・通知設計まで解説

EC-CUBEに問い合わせ履歴機能を実装する方法|マイページ・管理画面・通知設計まで解説EC-CUBE
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この記事でわかること
EC-CUBEのマイページに問い合わせ履歴機能を追加すると、顧客とのやり取りをメールや電話に分散させず、EC上の履歴として一元管理できます。本記事では、この機能をEC-CUBEでどう実装するか——顧客側のマイページ、運営側の管理画面、メール通知、ステータス管理——を具体的に解説し、顧客対応を属人化させない設計のポイントを整理します。

Nakamura(EC-CUBE開発経験19年)
EC-CUBE標準の「お問い合わせ」は、フォームから送信してメールが飛ぶだけの単発型です。これをカスタマイズで「履歴が残る問い合わせ機能」に拡張すると、顧客対応の質が大きく変わります。ここでは、実際に当社が構築した問い合わせ履歴機能の実装内容を、顧客側・運営側の両面から具体的に紹介します。

EC-CUBE標準のお問い合わせとの違い

EC-CUBEには標準でお問い合わせフォームがありますが、これは「フォームから送信するとメールが届く」単発型です。送信後のやり取りは個人のメールに移ってしまい、履歴がEC上に残りません。

EC-CUBE標準のお問い合わせ問い合わせ履歴機能(カスタマイズ)
送信後のやり取り個人のメールに移るEC上の履歴として継続して残る
顧客側の履歴確認自分のメールを遡るしかないマイページでいつでも確認できる
対応状況の管理できない対応中/完了のステータスで管理
運営側の管理受信メールで個別管理管理画面で一覧管理・返信
履歴の残り方担当者個人に依存会社・EC上の資産として残る

つまり、問い合わせ履歴機能は「フォームの強化版」ではなく、問い合わせを案件として記録・管理する仕組みです。なぜこれがBtoBで必要かという課題面は、BtoB-ECに問い合わせ履歴機能が必要な理由で解説しています。本記事では実装面に焦点を当てます。

問い合わせ履歴機能で実現できること

  • 顧客がマイページから問い合わせを送信・返信・履歴確認できる
  • 運営が管理画面で問い合わせを一覧管理・返信できる
  • 対応状況を「対応中/完了」のステータスで管理できる
  • 投稿・返信のたびに双方へメール通知が届く
  • 完了済みの問い合わせは顧客から返信不可にできる
  • (法人アカウント併用時)同じ会社の担当者が問い合わせ履歴を共有できる

これらにより、問い合わせ対応が担当者個人のメールに埋もれず、EC上で見える化・一元化されます。

実装のポイント(マイページ・管理画面)

問い合わせ履歴機能は、顧客が使う「マイページ」と運営が使う「管理画面」の両方に実装します。それぞれの役割を整理します。

① 顧客側:マイページで問い合わせが完結する

顧客は、マイページ上で問い合わせのすべてを完結できます。

操作内容
新規問い合わせの送信件名と本文を入力して送信。送信後、運営へ通知メールが届く
問い合わせ履歴の確認過去の問い合わせ一覧を確認。件名・ステータス・最終更新日時・最終投稿者などが表示される
返信対応中の問い合わせに対し、マイページから返信できる。やり取りが時系列のスレッドとして残る

② 運営側:管理画面で一元管理する

運営側は、管理画面で問い合わせを一覧管理し、返信・対応状況の更新を行います。

操作内容
問い合わせ一覧の確認会社名・件名・ステータス・最終更新日時・最終投稿者を一覧表示。対応中のものが優先して表示される
問い合わせ詳細の確認投稿履歴を時系列で確認。誰がいつ何を投稿したかが分かる
返信管理画面から返信を登録。返信すると顧客へ通知メールが届く
ステータス更新「対応中/完了」を切り替える

「対応中のものが優先表示される」設計により、未対応の問い合わせが埋もれず、対応漏れを防げます。

③ メール通知で見逃しを防ぐ

EC上に履歴を残しつつ、投稿・返信のたびにメール通知を送ることで、常時画面を見ていなくても見逃しを防ぎます。

  • 顧客が問い合わせを投稿 → 運営へ通知メール
  • 運営が返信 → 顧客へ通知メール(通知には「マイページで確認できる」案内を記載)
法人アカウント併用時の通知設計:法人アカウント機能と組み合わせる場合、運営が返信すると、投稿者本人に通知が届くだけでなく、会社の管理者にもCCで通知が届く設計にできます。これにより、担当者個人だけでなく会社の管理者も対応状況を把握でき、組織的な問い合わせ管理が可能になります。

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ステータス管理と完了制御

問い合わせ履歴機能の運用を安定させる鍵が、ステータス管理です。各問い合わせに「対応中/完了」のステータスを持たせ、対応の進捗を管理します。

ステータス状態顧客側の操作
対応中対応が完了していない返信できる
完了対応が終わった返信できない(新規問い合わせとして送る運用)

完了済みの問い合わせを顧客から返信不可にすることで、終わった案件が蒸し返されて1つのスレッドが延々と続くことを防ぎ、履歴を整理された状態に保てます。再対応が必要になった場合は、運営側でステータスを「対応中」に戻せます。

実務メモ
問い合わせ機能を作るとき、ステータス管理と完了制御は地味ですが効きます。これがないと、1件の問い合わせスレッドが延々と伸びたり、対応済みかどうかが分からなくなったりします。「対応中のものを優先表示」「完了したら顧客は返信不可」という制御だけで、運用の安定性が大きく変わります。リアルタイムチャットではなく履歴型にしているのも、確実に記録を残すためです。

法人アカウントと組み合わせる価値

問い合わせ履歴機能は、法人アカウント機能(複数担当者ログイン)と組み合わせることで、さらに効果が高まります。

  • 同じ会社の担当者は、問い合わせ履歴を共有して確認できる
  • 担当者Aが行った問い合わせを、担当者Bや上長が把握できる
  • 運営からの返信通知が、投稿者本人+会社の管理者にCCで届く
  • 担当者が不在・退職しても、会社の他の担当者が経緯を引き継げる

注文履歴と同様に、問い合わせも「個人」ではなく「会社」単位で蓄積されることで、属人化を防ぎ、組織的な顧客対応が可能になります。法人アカウント機能についてはEC-CUBEで法人アカウント機能を実装する方法で解説しています。

もちろん、法人アカウント機能がなくても、問い合わせ対応の一元化と履歴管理だけで十分な効果があります。まず問い合わせ履歴機能だけを導入し、必要に応じて法人アカウント機能を追加する、という段階的な進め方も可能です。

どんなBtoB企業に向くか

  • 納期・仕様・数量など、記録が必要な問い合わせが多い
  • 複数の担当者で問い合わせ対応をしている
  • 問い合わせがメールや個人に分散し、対応状況が見えない
  • EC-CUBEで既にBtoBサイトを運用している、または構築を検討している
  • 顧客対応の属人化を解消したい

すでにEC-CUBEを使っている、またはEC-CUBEでBtoBサイトを構築する企業であれば、オープンソースの柔軟性を活かして、自社の問い合わせ対応フローに合わせた機能を実装できます。

よくある質問

EC-CUBE標準のお問い合わせフォームとは何が違うのですか?

標準のお問い合わせフォームは、送信するとメールが届く単発型で、その後のやり取りは個人のメールに移り、履歴がEC上に残りません。問い合わせ履歴機能は、送信後のやり取りがEC上の履歴として継続して残り、顧客はマイページで、運営は管理画面で同じ履歴を見ながら対応できます。さらに対応状況のステータス管理や完了制御まで含めて、問い合わせを「案件」として管理できる点が大きな違いです。

リアルタイムチャットのような常時対応が必要になりますか?

必要ありません。問い合わせ履歴機能はリアルタイムチャットではなく、やり取りを履歴として残す運用型です。投稿・返信のたびにメール通知が届くため、常時画面を見ていなくても、通知を見て対応すれば見逃しを防げます。即レスを求められるチャットと違い、落ち着いて対応できるため、BtoBの問い合わせ対応に向いています。

既存のEC-CUBEサイトに後から追加できますか?

可能です。既存のEC-CUBEサイトに対しても、問い合わせ履歴機能をカスタマイズで追加できます。ただし、現在のサイト構成やEC-CUBEのバージョン、既存のお問い合わせ機能との関係を確認する必要があるため、まず現状を調査した上で実装方法と影響範囲を見積もるのが一般的な流れです。法人アカウント機能と合わせて導入する場合は、その構成も含めて設計します。

問い合わせにファイルを添付できますか?

標準の実装では、問い合わせへのファイル添付には対応していない場合があります。ファイル添付が必要な場合は、別途カスタマイズで対応するか、メールなど他の手段を併用する運用になります。必要な機能要件をお聞きした上で、実装範囲をご提案します。どこまでをEC上の問い合わせ機能で対応し、どこを他手段で補うかを整理することをお勧めします。

EC-CUBEの問い合わせ履歴機能、構築のご相談を承ります

EC-CUBE公式パートナーとして、製造業・卸売業のBtoB-EC構築を多数手がけています。マイページでの問い合わせ完結・管理画面での一元管理・ステータス管理・法人アカウント連携まで、御社の顧客対応に合わせた設計・実装をご相談いただけます。

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投稿者プロフィール

Nakamura
サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。

Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。

ChatGPT CODEXを活用し、開発スピードと品質の両立を実現しています。

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