Movable Typeのセキュリティ|静的HTMLとCMSの分離で、公開サイトのリスクを減らす

Movable Typeのセキュリティ|静的HTMLとCMSの分離で、公開サイトのリスクを減らすMovable Type
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この記事でわかることこの記事では、Movable Typeの静的HTML配信がセキュリティに役立つ理由と、WordPress・SaaS型CMSとの比較、導入時に確認したいポイントを解説します。

情報漏洩や不正アクセスのニュースに触れると、「自社のWebサイトは大丈夫だろうか」と気になるのではないでしょうか。

企業サイトのセキュリティを考えるうえでは、CMSの種類や更新状況に加えて、インターネットからアクセスできる範囲を確認することが大切です。ページを配信する環境と、記事の編集やデータの管理を行う環境を、どこまで分離できるかがポイントになります。

Movable Typeには、記事を管理する環境と、完成したページを公開する環境を分離できる強みがあります。

公開側には必要なHTMLや画像を配信し、CMS本体へのアクセスは制限する。 この構成によって、外部からCMSを狙う攻撃の入口を減らせます。[1]

静的HTMLとCMSを分離する仕組み

CMSは、記事や画像を登録し、Webページを作成・管理するシステムです。

Movable Typeでは、登録した内容からHTMLファイルを生成できます。このように、ページをあらかじめファイルとして作っておく方法を「静的生成」と呼びます。[2]

さらに、生成したファイルを別の公開環境へ配信すれば、次のように役割を分けられます。

環境主な役割アクセスの考え方
CMS・データベース側記事の編集、画像管理、ページ生成更新担当者など必要な利用者に限定する
公開サーバー・CDN側HTMLや画像など、公開用ファイルの配信一般の訪問者が閲覧する

Movable Typeクラウド版やMovable Type Advancedには、外部サーバーへコンテンツを送る「サーバー配信機能」が用意されています。通常のソフトウェア版などでは、別途配信方法を検討する必要があります。製品・プランによって利用できる機能や配信先が異なるため、導入時に確認します。[3]

なお、「静的」とは更新できないという意味ではありません。担当者はCMSで記事を更新し、生成・配信したファイルを公開サイトに反映します。

公開側にCMS本体を置かないことで得られるメリット

公開サイトからCMSを直接狙う経路を減らせる

CMSのプログラムがインターネットからアクセスできる状態にある場合、そのプログラムの脆弱性を狙われる可能性があります。

公開環境を静的ファイルの配信に限定し、CMS側への接続を制限すれば、訪問者のアクセスをCMS本体で処理する必要がなくなります。

設計上のメリットは、外部に公開するプログラムを減らせることです。保護する対象を整理し、一般の訪問者には不要な入口を閉じられます。

CMSの管理データを公開環境から切り離せる

公開ページの表示にCMSのデータベースを使わない構成なら、公開サーバーにCMSのデータベースや接続情報を配置する必要がありません。

さらに、公開側から管理側への不要な通信を制限すれば、公開環境で問題が起きた際に、CMSやその管理データへ影響が及ぶ経路を減らす設計につながります。

ただし、同じサーバー内でフォルダやURLを変えるだけでは、十分な分離とはいえません。サーバー構成、通信経路、操作権限まで含めて検討する必要があります。

管理側のメンテナンスと公開サイトの表示を分けやすい

公開済みのファイルだけでページを表示できる構成なら、CMS側をメンテナンスしている間も、公開側でページの配信を続けられます。

これは構成上の利点であり、公開サーバー自体の障害や、CMS側のAPIに依存する機能まで影響を受けなくなるわけではありません。また、CMS停止中は新しい記事の公開や更新ができない場合があります。

公開サイトの閲覧と更新作業の依存関係を整理しておくことで、停止する範囲を把握しやすくなります。

WordPress・SaaS型CMSとは、構成と運用条件を比較する

Movable Typeのメリットを評価するときは、比較するシステムの構成もそろえて考える必要があります。

比較する構成確認したいポイント
Movable Typeの静的配信・CMS分離構成公開側にCMSを置かず、管理側へのアクセスを制限できているか
WordPressの一般的な動的構成本体・テーマ・プラグインの更新、公開する機能、管理画面やデータベースの保護
静的化したWordPress静的ファイルの配信と、元のWordPressの保護を両立できているか
SaaS型CMS提供される配信構成、認証・権限設定、データの保存先、運用上の責任範囲

WordPressでも、適切な更新やアクセス制限などによってリスクを減らせます。また、静的サイトとして書き出すプラグインも存在します。そのため、「静的配信やCMSの分離はMovable Typeにしかできない」とは言えません。[4] [5]

SaaSはサービスの提供形態を表す言葉です。実際の構成や保護機能はサービスごとに異なるため、「SaaSだから安全」「SaaSだから危険」と一括りに判断するのは適切ではありません。

Movable Typeを検討する際には、静的生成と外部への配信を、自社の更新・公開フローに組み込めることを評価すると、導入目的が明確になります。

分離構成でも、対策が必要な部分は残る

CMSの更新と管理アカウントの保護

CMS側へのアクセスを制限しても、Movable Type本体や利用するプラグイン、OSなどの保守は必要です。

シックス・アパートのセキュリティ対策ガイドでも、継続的な更新、多要素認証、不要な機能の制限などを案内しています。[6]

運用では、更新を担当する人、使わなくなったアカウントを削除する手順、障害や不正操作を確認する方法まで決めておきます。クラウドサービスを利用する場合も、提供会社が対応する範囲と、自社で管理する範囲を確認することが大切です。

配信アカウントの保護と、公開ファイルの確認

静的サイトでも、CMSや配信先を操作できるアカウントが乗っ取られれば、ファイルを差し替えられるおそれがあります。配信用の認証情報と、配信先への書き込み権限も保護の対象です。

また、静的ファイルになっていても、機密情報を含むPDFや画像を誤って公開すれば、情報漏洩につながります。

Movable Typeのサーバー配信では、指定したサイトパス配下のファイルやディレクトリが配信対象になります。公開用の場所にバックアップや社内資料を置かないなど、配信範囲を明確にしておきましょう。[1]

お問い合わせフォームや会員機能の保護

お問い合わせフォームでは、送信された情報を受け取り、保存・通知する仕組みが必要です。会員ログインや注文処理も、静的HTMLの配信とは別に設計する必要があります。

例えば、企業紹介や製品情報は静的配信にし、お問い合わせは別のフォームシステムで処理する構成が考えられます。

この場合も、フォーム側の脆弱性対策、管理者の権限、個人情報の保存先・保存期間、通知先メールの管理を確認します。外部サービスに任せれば、自社の確認が不要になるわけではありません。

企業サイトを静的化することと、問い合わせ情報や顧客情報を守ることは、それぞれの処理に合わせて設計する必要があります。

Movable Typeの分離構成を検討しやすい企業サイト

次のようなサイトでは、静的配信とCMSの分離を検討する価値があります。

  • 会社案内、サービス紹介、製品情報が中心のコーポレートサイト
  • お知らせや採用情報を社内で更新するサイト
  • 製品カタログや導入事例を継続的に発信するサイト
  • 公開サーバーにCMSを置かない方針のサイト
  • 管理画面を利用できるネットワークや担当者を限定したいサイト

製造業や卸売業でも、誰でも閲覧できる製品紹介と、取引先ごとの価格表示・注文機能では、必要な仕組みが異なります。公開する製品情報は静的配信にし、取引業務は別のシステムで扱う、といった役割分担も選択肢になります。

一方、ページ数が多い場合や更新頻度が高い場合は、HTMLの生成・配信にかかる時間を確認する必要があります。頻繁に変わる在庫や会員別情報を扱う場合も、静的配信だけで必要な動作を実現できるか検討します。

導入費用に加えて、公開環境、配信処理、動作確認、保守の費用も含め、自社の運用に合う構成を選ぶことが大切です。

導入前に確認したい6つのポイント

分離構成を検討するときは、次の点を整理しておくと、制作会社や保守会社と具体的に話を進めやすくなります。

  1. 何を公開するか
    一般公開するページ・資料と、社内用・会員用の情報を分けます。
  2. 誰が、どこからCMSを操作するか
    更新担当者、承認担当者、保守担当者の権限と、接続できる範囲を決めます。
  3. どのように公開環境へ配信するか
    配信対象、認証情報、書き込み権限、失敗した際の確認方法を決めます。
  4. 静的配信以外の機能をどう保護するか
    フォーム、検索、会員機能、外部APIとの連携を洗い出します。
  5. 更新と復旧を誰が担当するか
    CMS・サーバーの保守範囲と、バックアップから戻す手順を確認します。
  6. 更新が公開サイトに反映されるまで、どの程度かかるか
    生成・配信時間に加え、CDNなどを利用する場合はキャッシュ更新も確認します。

CMSの導入時にここまで整理しておくことで、公開後の担当者も、何を管理し、問題が起きたときに誰へ連絡すればよいか判断しやすくなります。

Movable Typeのセキュリティに関するよくある質問

Movable Typeなら、情報漏洩を防げますか?

すべての情報漏洩を防げるわけではありません。静的配信とCMSの分離は、公開サイトからCMSを直接狙う経路を減らす方法です。アカウントの乗っ取り、誤公開、フォームや外部サービスの問題には、それぞれ対策が必要です。

静的HTMLにすれば、CMSの保守は不要ですか?

不要にはなりません。記事を管理するCMSや関連ソフトウェアの更新、アカウント管理、バックアップなどは継続します。公開環境を分けた場合は、それぞれの保守担当と対応範囲も明確にします。

WordPressからMovable Typeへ移行すれば、それだけで安全になりますか?

製品を変更するだけでは十分ではありません。CMSの設置場所、外部からアクセスできる機能、権限、配信方法まで含めて設計することが重要です。既存のWordPressを改善する方法も含めて比較します。

お問い合わせフォームやサイト内検索は設置できますか?

設置できます。ただし、CMS側への接続を制限する場合は、その構成で動作する方法を選びます。別システムや外部サービスを利用する場合も、扱うデータと管理方法を確認します。

既存サイトのURLやデザインを維持して移行できますか?

維持する方針で検討できますが、現在のURL構成、表示機能、フォームや外部連携などの調査が必要です。維持できないURLがある場合は、転送設定や内部リンクの変更も含めて計画します。

Movable Typeの導入・企業サイトの構成見直しをご相談ください

サンクユーでは、WordPress・Movable Typeを使った企業サイトの構築や、既存サイトのリニューアル、公開後の保守についてご相談を承っています。

「公開サーバーにCMSを置きたくない」「社内で記事を更新しながら、管理環境へのアクセスを制限したい」といった方針に合わせ、必要な機能と運用体制を整理します。

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更新しやすさと、公開するシステムの範囲を両方見直したい企業様は、サンクユーへご相談ください。

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投稿者プロフィール

Nakamura
サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。

Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。

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