この記事でわかること
EC-CUBEで当日発送する配送データをCSV出力するための設計ポイントを解説します。締め時刻・営業日・出荷条件をどう組み合わせるか、前日からの持ち越しをどう拾うか、ワンクリック出力や再出力をどう運用するかを整理します。
当日発送CSVでは、注文時刻に加えて、入金・在庫・保留・出荷済みなどの状態を確認し、「今日出荷できる配送」を抽出することが大切です。CSVを作成した後の取り込み、送り状発行、実際の出荷までをつなげて考えると、漏れや重複を防ぐ運用を組み立てやすくなります。
当日発送の案内と、実際の出荷条件を揃える
「当日発送」と「翌日お届け」を区別して案内する
商品をいつ受け取れるかは、購入時に確認したい情報の一つです。発送までの日数は商品の性質や在庫状況によって異なるため、対応できる条件を具体的に案内します。
「当日発送」は、その日のうちに発送することを示します。「翌日お届け」は到着予定に関する案内であり、お届け先や配送方法によって条件が変わります。締め時刻だけを大きく表示するのではなく、対象商品、支払方法、営業日、対象地域なども揃えます。


配送会社への引き渡しから逆算して締め時刻を決める
店舗の注文締め時刻は、配送会社の受付時刻と、入金確認・ピッキング・梱包・送り状発行に必要な時間を踏まえて決めます。営業所へ持ち込む場合と、集荷を依頼する場合でも条件が異なります。
ヤマト運輸の公式FAQでも、発送方法によって当日発送の締切時間が異なり、翌日配達できるかはお届け場所によると案内されています。特定の時刻を一律の基準にせず、利用する営業所や集荷条件を確認します。
参照:ヤマト運輸「翌日配達されるには何時までに出せばいいですか?」
また、注文完了を基準とするのか、入金・承認まで完了した時点を基準とするのかも決めます。前払いの商品であれば、「注文は締め前、入金確認は締め後」というケースがあるためです。サイト上の案内と、管理画面で対象を選ぶ条件を一致させます。
EC-CUBEの標準機能と、追加する処理を分けて確認する
EC-CUBE4の公式マニュアルでは、受注一覧からの受注CSV・出荷CSVの出力と、CSVの項目・並び順の設定が説明されています。まずは現在の環境にある検索条件とCSV出力で、必要な業務に対応できるかを確認します。
注文日時の検索についても、バージョンを確認する必要があります。4.3.1-p1の公式ソースには、注文日時の範囲を指定する検索項目と処理があります。「EC-CUBEは日付でしか抽出できない」と一律に判断せず、利用バージョン、プラグイン、既存改修を確認します。
なお、同版の注文日時検索では、指定した終了日時ちょうどを含めない処理になっています。店舗の「○時まで」という案内と対象範囲が合うよう、締め時刻の直前・ちょうど・直後の注文で結果を確かめます。
| 確認する範囲 | 進め方 |
|---|---|
| 受注検索・CSV出力 | 現在の管理画面で日時・状態などを絞り、必要な配送データを取り出せるか確認する |
| CSVの項目と形式 | 項目・並び順の設定で対応できるか、コード変換や独自項目の追加が必要かを確認する |
| 当日発送の専用処理 | 営業日、入金、在庫、持ち越し、出力履歴などを組み合わせる必要があるかを検討する |
毎回同じ条件で出力する場合は、確認済みの業務ルールを専用ボタンにまとめ、操作を減らす方法が考えられます。検索条件の自動設定、対象の確認、CSV作成、履歴の記録など、どこまでをまとめるかを決めます。
参照:EC-CUBE公式マニュアル「受注一覧」/「CSV出力項目設定」/4.3.1-p1公式ソースの受注検索処理
締め時刻・入金・在庫から、当日発送の抽出条件を決める
締め時刻より前の注文であっても、欠品や住所確認などの理由で出荷できないことがあります。反対に、以前の注文でも、今日条件が揃えば出荷対象になります。次の条件を、実際の受注処理に合わせて整理します。
| 条件 | 確認すること |
|---|---|
| 締め時刻・営業日 | 注文完了・入金確認などの基準時点、締め時刻ちょうどの扱い、休業日の振り替え |
| 支払方法・承認 | 前払い、掛け払い、代金引換など、支払方法ごとの出荷可能な条件 |
| 在庫・引当 | 出荷する拠点で数量を確保できるか、取り寄せ品や欠品を含む場合の扱い |
| 保留・キャンセル | 住所や注文内容の確認待ちを除外し、保留解除後に再び対象へ戻す方法 |
| 配送指定・分納 | お届け希望日に合わせた出荷予定と、今回出す数量・次回に残す数量 |
| 出力・出荷の進行状況 | すでに作業を依頼した配送や出荷済みの配送を、重複して渡さない条件 |
すべての注文に「入金済み」を条件として付けると、掛け払いや代金引換など、出荷前の入金確認を前提としない運用に合わない場合があります。決済状態、受注状態、出荷の可否を対応づけて決めます。
複数配送や分納がある場合は、注文全体の状態だけで判断せず、配送・明細・数量のどの単位で対象を管理するかを確認します。CSVの行数、注文数、配送件数も同じとは限らないため、確認画面で示す件数の意味を揃えます。
対象から外した理由を担当者が確認できると、出荷漏れと、意図して保留している注文を見分けやすくなります。単に対象を除外するだけでなく、誰が確認し、どの条件で出荷対象へ戻すかも決めます。
前日からの持ち越しと、休日中の注文を取りこぼさない
注文日の範囲だけで対象を決めない
たとえば、15時を注文の締め時刻にしている店舗で、翌日に「今日の0時から15時まで」の注文だけを抽出すると、前日の締め後に入った注文が対象から外れてしまいます。
前回の締め以降の注文を確認するだけでなく、それ以前から入金待ち・欠品・保留などで残っている注文も確認します。以前の注文で今日入金を確認できた場合、注文日時は古いままでも、出荷できる状態に変わるためです。
当日出荷できる条件を満たした未処理の配送を拾い、今回処理するものと次回に残すものを区別する考え方が必要です。出力対象期間を短く区切る場合も、その外側にある持ち越しを別途確認する手順を用意します。
出荷拠点の営業日と、翌営業日の処理量を確認する
土日祝日、年末年始、臨時休業などを、実際に出荷する拠点の営業日に合わせて扱います。ECサイトが注文を受け付けていることと、倉庫・生産者が出荷できることは別に確認します。
休日中の注文を翌営業日にまとめる場合は、その日に処理できる件数や、配送会社への引き渡し時刻も考慮します。繁忙期に締め時刻を変更するなら、担当者の設定変更と、お客様向け案内の更新を揃えます。
複数の倉庫や出荷元がある場合は、営業日・締め時刻を共通にするか、拠点ごとに管理するかを決めます。画面に表示する日時と、抽出に使う日時のタイムゾーンも合わせ、日付の切り替わりで対象がずれないことを確認します。
ワンクリック出力と再出力の運用を設計する
出力対象と、CSVを渡した後の結果を確認できるようにする
操作を一つにまとめる場合も、対象日、締め時刻、出力範囲、件数を確認できるようにします。未処理分を出す操作と、すでに出力したファイルを取り直す操作は、担当者が区別できる表示にします。
出力日時、対象の注文・配送、ファイルを識別する情報、処理結果などの記録を検討します。複数人が同時に操作する場合も、同じ配送を重ねて出荷依頼しないよう、担当や処理対象を共有する方法が必要です。
CSVを保存したこと、送り状発行ソフトに取り込んだこと、実際に荷物を出したことは、それぞれ別の段階です。ファイルを出力した時点で発送が完了したと扱わず、どの段階の結果を、誰が確認するかを決めます。
送り状発行ソフトなどへ渡す場合は、項目名・並び順に加え、住所の形式、配送区分のコード、文字コード、配送ごとの行の単位を確認します。サンプルを取り込み、件数と送り状の表示まで確かめます。
再取得・追加出力・訂正版を分ける
ファイルを保存できなかった場合、出力後に住所が変わった場合、入金確認が進んで対象が増えた場合では、必要な操作が異なります。
- 同じ内容が必要なとき:前回と同じファイルを再取得する
- 新たに条件を満たした配送があるとき:未処理の対象を確認して追加出力する
- 注文内容が変わったとき:変更前の取り込み・作業状況を確認して訂正版を扱う
再出力時に最新の注文からCSVを作り直すと、前回とは対象や内容が変わる場合があります。単純な再取得と、最新データの出力を区別し、古いファイルを取り込まない運用を決めます。
取り込みエラーが出た場合は、全件が未登録なのか、一部だけ登録されたのかを確認してから再処理します。すでに送り状を発行した配送の変更・取消については、連携先で必要な操作も確認します。出荷作業が始まっている場合は、CSVの差し替えに加えて作業担当者への連絡も必要です。
また、CSVには届け先の氏名・住所・電話番号などが含まれます。取得できる担当者、保存場所、保存期間、不要になったファイルの削除方法も、出荷業務の手順として整理します。
当日発送CSV出力の相談前に整理したいこと
ご相談の際は、現在の出荷手順とCSVサンプルに加え、通常どおり出荷できない注文をどう扱っているかが分かると、必要な改修を整理しやすくなります。
- EC-CUBEのバージョン、既存プラグイン・独自改修
- 注文の締め時刻、出荷拠点の営業日、配送会社への引き渡し条件
- 支払方法ごとの出荷条件、在庫・引当、保留・キャンセルの扱い
- 前日からの持ち越し、休日中の注文、分納の管理方法
- CSVの取込先、必要な形式、想定件数、操作する担当者
- 出力履歴、取り込み結果、注文変更・再出力時の確認方法
導入前には、締め時刻の直前・ちょうど・直後、休日明け、入金確認や保留解除、出力後の住所変更、再出力などのケースを確認します。通常の注文だけでなく、日々起きる例外でも対象が漏れたり重複したりしないことを確かめます。
サンクユーでは、EC-CUBE構築・カスタマイズやBtoB-EC構築のご相談に対応しています。標準機能で対応できる範囲と、業務に合わせて追加する処理を整理し、受注から出荷までの運用に合う方法を検討します。
当日発送分のCSV出力に関するよくある質問
EC-CUBEの標準機能で当日発送分のCSVを出力できますか?
EC-CUBE4には受注・出荷CSVの出力機能があり、4.3.1-p1の公式ソースでは注文日時の範囲検索も確認できます。標準の検索条件で対象を絞れるかを確認したうえで、営業日、入金、在庫、持ち越しなどを組み合わせた専用の抽出・出力が必要かを判断します。利用バージョンや既存改修により対応範囲は異なります。
当日発送の締め時刻は何時にすればよいですか?
利用する配送会社・営業所・集荷条件の締め時刻を確認し、入金確認、ピッキング、梱包、送り状発行、引き渡しに必要な時間から逆算します。注文完了と入金確認のどちらを受付条件にするか、休日や繁忙期の扱いも決めます。特定の時刻をすべての店舗に一律で当てはめることはできません。
今日の注文だけを出力すればよいですか?
前日の締め後に入った注文、休日中の注文、入金待ち・欠品・保留が解消した注文なども確認が必要です。注文日だけで範囲を限定すると、以前の注文を取りこぼすことがあります。当日出荷できる条件を満たした未処理の配送と、次回に残す配送を分けて管理します。
未入金の注文や掛け払いの注文は、どう扱いますか?
支払方法ごとに出荷可能な条件を決めます。前払いでは入金確認、掛け払いでは取引条件や承認、代金引換ではその運用に応じた確認が必要です。すべての注文に同じ入金条件を当てはめず、決済状態・受注状態と実際の出荷可否の対応を整理します。
CSVを再出力すると、二重発送になりますか?
CSVを再出力しただけで発送されるわけではありませんが、同じデータを再び取り込み、送り状発行や出荷指示を重複して行うと二重発送につながるおそれがあります。出力履歴と取り込み・作業状況を確認し、同じファイルの再取得、未処理分の追加出力、注文変更後の訂正版を区別します。
CSVはそのまま送り状発行ソフトへ取り込めますか?
利用するソフトの取込仕様に合わせて確認します。EC-CUBEのCSV出力項目設定で項目や並び順を調整できても、住所の形式、配送区分のコード、文字コード、行の単位などの変換が必要な場合があります。実際のサンプルで、取込結果と送り状の表示まで確かめます。
EC-CUBEの当日発送CSV出力・出荷業務をご相談ください
締め時刻や出荷条件、持ち越し、再出力時の確認まで、日々の運用に合わせて整理します。現在のCSVと出荷手順をお聞かせください。
投稿者プロフィール
- サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。
Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。
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