EC-CUBEでBtoBサイトを構築する際の注意点9選|価格・掛売・基幹連携・運用設計を解説【2026年版】

EC-CUBEでBtoBサイトを構築する際の注意点9選|価格・掛売・基幹連携・運用設計を解説【2026年版】EC-CUBE
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この記事でわかること
EC-CUBEでBtoBサイトを構築するときは、BtoBで重要度が高まりやすい、設計上の注意点があります。企業ごとの取引条件、社内承認、基幹連携など、BtoBで必要になる取引条件や運用要件を十分に整理しないまま進めると、後から仕様変更や追加対応が必要になることがあります。この記事では、100サイト以上のEC-CUBE構築・カスタマイズに携わってきた立場から、BtoBサイトを構築する際に押さえておきたい注意点を9つ、設計の勘所として解説します。

この記事を読むと分かること

  • BtoB-EC特有の設計上の注意点(9つ)
  • 価格・掛売・受注ルール・基幹連携の設計の勘所
  • 発注担当者が使いやすいサイトにするための視点

前提:BtoB-ECは「取引条件」を設計する

BtoBでは、BtoCに比べて、企業ごとの取引条件や社内承認、基幹連携などの追加要件が生じることがあります。

  • 顧客ごとに異なる価格や取引条件
  • 掛売や、支払サイトの管理
  • 複数担当者・部署単位でのアカウント管理
  • 基幹システムとのデータ連携

つまり、BtoB-ECは「商品を並べて売るサイト」というより、自社の取引の仕組みを、システムに落とし込む設計という側面が強くなります。以下の注意点は、その設計を進めるうえで押さえておきたいポイントです。

注意点① 企業単位・担当者単位のアカウント権限を設計する

BtoBでは、1社の中に複数の発注担当者がいるケースがあります。BtoCの「1人1アカウント」とは、必要な設計が変わります。

  • 会社単位での管理(取引条件・与信など)
  • 担当者単位でのログイン・注文履歴
  • 部署や役割による権限の違い

「会社」「担当者」「権限」をどう分けて設計するかは、早い段階で整理しておきたい部分です。ここが曖昧なまま進めると、後から会員構造の作り直しが必要になることもあります。

注意点② 顧客別価格・契約条件のルールを整理する

BtoBでは、顧客や数量、契約条件によって価格が変わるケースがあります。顧客別単価、商品別の契約価格、数量による階段制、キャンペーンとの併用など、価格の決まり方が複雑になりやすい部分です。

これらのルールを整理せずに構築を進めると、後から改修が必要になることがあります。価格の決定ロジックは、できるだけ早い段階で整理しておきたい項目です。どんな条件で、どの価格が適用されるのか——このルールを言語化できているかが、設計のしやすさに影響します。

注意点③ 掛売・与信・請求の方針を決める

BtoBでは、掛売(後払い)で取引することがあります。その場合、次のような点の設計方針を決めておく必要があります。

  • 与信上限の設定
  • 支払サイトの管理
  • 請求書の発行方法

これらを、外部の決済・請求サービスで対応するのか、基幹システムと連携するのか。方針を決めないまま構築すると、運用の負担が大きくなることがあります。決済・与信は専門的な領域なので、要件に応じて、決済代行や関連サービスの利用も含めて検討することをおすすめします。

注意点④ 受注ルール(最低注文数・ロット・納期・配送先)を整理する

BtoBでは、受注の条件がBtoCより細かくなることがあります。

  • 最低注文数量(MOQ)、発注ロット単位
  • 納期・リードタイムの表示
  • 複数の配送先(支店・倉庫など)への対応

これらは、自社の受注業務のルールそのものです。実際の取引でどう運用しているかを整理し、どのルールをシステムに反映するかを決めておくことが重要です。

注意点⑤ 基幹連携とあわせて「マスタ体系」を整合させる

BtoBでは、ECサイト単体で完結せず、基幹システムと連携するケースがあります。在庫同期、受注連携、売上・請求データの連携などです。連携方式(API・CSV・バッチなど)や、リアルタイムかどうかによって、費用も構造も変わります。

連携で見落とされやすいのが、商品コードや得意先コードなど、マスタ体系の整合です。ECと基幹でコード体系や管理方法が異なる場合は、変換ルールや例外処理を設計する必要があります。基幹連携を前提にするなら、マスタの持ち方も含めて設計することが大切です。連携の費用感は、EC-CUBE構築費用の内訳もあわせてご覧ください。

注意点⑥ 発注担当者が使いやすいUIを設計する

「BtoBだから、多少使いにくくても仕方ない」と考えるのは、おすすめしません。発注担当者にとって使いにくい場合、ECだけでは受注が完結せず、電話・FAX・メールによる注文が残ることがあります。

  • 再注文のしやすさ(前回と同じ注文の繰り返し)
  • CSVなどでの一括発注
  • 注文履歴の検索
  • よく買う商品の登録(お気に入り)

BtoBの発注担当者は、毎日の業務としてサイトを使います。日常業務として使いやすいかどうかは、継続的に利用してもらううえで重要な設計要素です。ここは、当社が特に大切にしている視点です。

注意点⑦ 既存業務を「そのまま再現しない」

BtoB-EC構築でよくあるのが、「今の業務を、そのままECに置き換えよう」という進め方です。ただ、これには注意が必要です。アナログな運用や、紙・電話を前提とした業務をそのまま再現すると、システムが複雑になり、保守コストや使いにくさにつながることがあります。

BtoB-ECでは、ECサイトだけでなく、既存の受注業務や社内フローまで確認が必要になる場合があります。「今のやり方をそのまま移す」のではなく、「この機会に、どこを整理できるか」という視点を持つことをおすすめします。ただし、すべてを作り替える必要はありません。変えるべきところと、残すべきところを見極めることが大切です。

注意点⑧ 例外処理・権限・監査性など、管理側の運用を設計する

BtoBでは、通常の受注だけでなく、例外的な対応も発生します。特別な価格での対応、イレギュラーな納期、注文後の変更など。例外処理のルールが曖昧なままだと、管理画面外での確認作業や個別対応が残ったり、担当者ごとに処理方法が変わったりすることがあります。

あわせて、管理側の権限設定や、操作の記録(誰がいつ何をしたか)といった監査性も、法人取引では重要になります。機密性の高い取引情報を扱うため、アクセス制限やセキュリティ対策も含めて、運用体制を整理しておくことが大切です。なお、WAFやバックアップ、脆弱性対策といったセキュリティは、BtoB・BtoCを問わず、ECサイト全般で重要になる部分です。

注意点⑨ 段階導入と、部門横断の体制を考える

BtoB-ECは、扱う要件が多くなりがちです。最初から全機能を作り込もうとすると、費用や期間が大きくなったり、仕様が固まりにくくなったりすることがあります。優先度の高い機能から段階的に導入する進め方が、現実的なこともあります。

また、BtoB-ECの導入は、営業・管理・情報システムなど、複数の部門に関わります。関係する部門を巻き込み、要件整理から公開後の運用まで役割分担を確認しておくことが重要です。何を準備しておくとよいかは、EC-CUBE導入前のチェックリスト10項目にまとめています。

自社のBtoB要件が実現できるか、相談しませんか。

「独自の価格ルールや掛売に対応したい」「基幹システムと連携したい」「既存の受注業務を見直したい」といった段階からご相談いただけます。業務内容を伺ったうえで、要件の整理から設計の方針まで、一緒に考えます。

BtoB-ECの構築を相談する

よくある質問

BtoB-ECの構築で、最初に整理すべきことは何ですか?

まず、価格の決まり方(顧客別価格・数量割引・契約価格など)と、掛売・与信・請求の方針を整理しておくとよいでしょう。この2つは他の設計項目にも関係しやすいため、早い段階で確認しておきたい部分です。あわせて、企業単位・担当者単位のアカウント設計も整理しておきましょう。

EC-CUBEは、BtoBの複雑な価格や掛売に対応できますか?

対応できる場合があります。EC-CUBEでは、顧客別価格、数量別単価、掛売、承認フローなどの要件に対して、プラグインや外部サービス、個別開発などを組み合わせて実現方法を検討できます。標準機能だけでは対応しにくい場合もあるため、自社の取引ルールを整理したうえで、どの方法で実装するかを設計することが重要です。

既存の受注業務を、そのままECにできますか?

そのまま再現することもできますが、おすすめしない場合があります。紙や電話を前提としたアナログな業務をそのまま移すと、システムが複雑になり、保守コストや使いにくさにつながることがあるためです。そのまま再現する部分と、整理・見直しする部分を分けて検討することが重要です。ただし、すべてを作り替える必要はありません。

基幹システムとの連携で、注意することはありますか?

連携方式(API・CSV・バッチなど)やリアルタイム性のほか、商品コードや得意先コードなどのマスタ体系の整合に注意が必要です。ECと基幹でコード体系や管理方法が異なる場合は、変換ルールや例外処理の設計が必要になります。基幹連携を前提にするなら、マスタの持ち方も含めて設計することをおすすめします。

まとめ

EC-CUBEでBtoBサイトを構築するときは、企業単位のアカウント権限、顧客別価格、掛売・与信、受注ルール、マスタ整合、発注担当者のUI、例外処理と運用、段階導入と部門横断の体制など、BtoBで重要度が高まりやすい設計項目があります。

大切なのは、「EC-CUBEで作れるかどうか」だけでなく、自社の取引や業務に合った仕組みを設計できるかです。私たちサンクユーは、業務内容を伺ったうえで、価格・商流・受注・基幹連携・運用までを含めて、BtoB-ECの設計をお手伝いしています。BtoBサイトの構築を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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