EC-CUBEのバージョンアップで確認したい6つのポイント|失敗を避ける進め方と注意点

EC-CUBEのバージョンアップで確認したい6つのポイント|失敗を避ける進め方と注意点EC-CUBE
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この記事でわかること
「バージョンアップは本当に必要?」「今は動いているから、そのままでもいいのでは?」「アップデートで不具合が出るのが怖い」——EC-CUBEを運用している企業から、よくいただく相談です。バージョンアップは、事前の確認と準備によって、確認すべき範囲を整理できます。この記事では、アップデート前に確認したい6つのポイントと、進め方を解説します。

この記事を読むと分かること

  • バージョンアップ前に確認したい6つのポイント
  • 失敗を避けるための進め方
  • 複数世代をまたいで更新する場合の注意点

なぜEC-CUBEのバージョンアップが必要なのか

EC-CUBEは、継続的にアップデートされています。主な目的は、セキュリティ上の問題の修正、対応するPHPバージョンの更新、不具合の修正、内部構造の改善などです。

特に、セキュリティ修正とPHP対応は、運用を続けるうえで関わってくる部分です。EC-CUBEには、公表された脆弱性の修正版が提供されることがあり、これに対応せず古いバージョンを使い続けると、既知の弱点が残ることになります。また、PHPの提供・サポート状況はサーバー環境によって異なるため、利用中のEC-CUBEが対応するPHPバージョンと、サーバー側で利用可能なPHPの状況を、あわせて確認しておくことが大切です。

バージョンアップ前に確認したい6つのポイント

1. 現在のEC-CUBE・PHP・DB環境を確認する

まず、利用中のEC-CUBEのバージョン、PHPのバージョン、データベース(MySQL/PostgreSQL)のバージョン、必要な拡張モジュール、メモリ制限などを確認します。サーバー環境が、更新先のバージョンの要件を満たしているかを把握することが、出発点になります。要件を満たしていない場合、サーバー側の対応も必要になることがあります。

2. プラグインと依存ライブラリの対応状況を確認する

バージョンアップで確認しておきたいのが、プラグインの対応状況です。決済プラグイン、BtoB向けの機能、その他のプラグインが、更新先のバージョンに対応しているかを確認します。EC-CUBE本体だけでなく、利用しているプラグインそれぞれの対応バージョンを確認しておくことが大切です。プラグインの選定・管理については、プラグイン設計で確認したい9つのポイントで解説しています。

3. 本体・プラグイン・独自カスタマイズの変更範囲を把握する

過去に、EC-CUBE本体(コア)や、既成プラグインを直接変更している場合、アップデート時にその変更が上書きされたり、競合したりすることがあります。EC-CUBE公式のバージョンアップ手順では、本体コードをカスタマイズしている場合、パッケージを置き換える通常手順をそのまま適用できず、変更差分を確認して必要な内容を取り込む必要があると案内されています。

EC-CUBE4系では、コアを直接変更しなくても、イベントやDIなどの拡張方式を利用してカスタマイズできます。既存のカスタマイズが、どの方式で実装されているか(コア直接変更なのか、拡張方式なのか)を把握しておくと、アップデート時の影響を見積もりやすくなります。EC-CUBE4系の拡張の仕組みについては、EC-CUBE4系のアーキテクチャ解説もご覧ください。

4. ステージング環境とバックアップ・復旧方法を用意する

本番環境で直接アップデートすると、問題が起きたときに影響が大きくなります。まず、本番と近い構成のステージング(検証)環境を用意し、そこでアップデートを試すことをおすすめします。あわせて、バックアップを取得し、問題が起きた際に元に戻せる方法も、事前に確認しておきます。

5. 重要なフローを検証する

アップデート後は、実際の業務フローが正しく動くかを検証します。特に確認しておきたいのは、次のようなフローです。

  • 決済(各決済手段の動作)
  • 受注(注文から完了までの流れ)
  • 会員(登録・ログイン)
  • BtoB固有の機能(顧客別価格・掛売・承認フローなど)

特にBtoBサイトでは、価格計算や承認フローなど、業務に直結する部分の検証が重要になります。

6. 公開後の保守・更新体制を決める

バージョンアップは、一度行えば終わりではありません。その後も、脆弱性への対応や、対応バージョンの確認が続きます。保守契約がない場合、互換性の判断、脆弱性の調査、エラー対応などを自社で行うことになります。技術的な体制がない場合は、保守を依頼できる体制を含めて検討することをおすすめします。

複数世代をまたいで更新する場合に確認したいこと

長い間バージョンアップをしていないサイトを、一度に新しいバージョンへ上げる場合は、確認する項目が増えます。EC-CUBE4系は、バージョンによって、フレームワーク(Symfony)やPHP、Doctrineなどの前提が更新されてきました。たとえば、4.2系ではSymfony 5.4、4.3系ではSymfony 6.4へ更新されており、対応するPHPやデータベースなどのシステム要件も変わっています。

複数世代をまたぐ場合は、PHP・Symfony・Doctrine・プラグイン・テーマ・独自コードなど、複数の依存関係を確認する必要があります。世代差が大きいほど、確認・調整する範囲が広がり、場合によっては、一部の作り直しが必要になることもあります。段階的にアップデートするか、まとめて対応するかも含めて、計画を立てることが大切です。

EC-CUBEのバージョンアップについて、ご相談ください。

「今のバージョンから上げられるか」「プラグインやカスタマイズへの影響が分からない」といった段階からご相談いただけます。現在の構成を確認したうえで、進め方をご提案します。他社が構築したサイトの引き継ぎにも対応しています。

バージョンアップを相談する

よくある質問

今は問題なく動いていますが、バージョンアップは必要ですか?

動作しているかどうかと、セキュリティ面で対応できているかは、別の観点です。公表された脆弱性の修正版が出ている場合や、利用中のPHPのサポート状況によっては、対応が必要になることがあります。「今は動いている」状態でも、利用中のバージョンのセキュリティ情報や、サーバーのPHP状況を確認しておくことをおすすめします。

バージョンアップで、不具合が出ないか心配です。

事前確認と検証環境での動作確認は、バージョンアップ時に確認しておきたい重要な工程です。プラグインや依存ライブラリの対応状況を確認し、ステージング環境でアップデートを試し、決済・受注などの重要なフローを検証してから本番に反映します。いきなり本番環境で更新するのではなく、こうした手順を踏むことが大切です。

長い間バージョンアップしていません。一度に上げられますか?

世代差の大きさによります。EC-CUBE4系は、バージョンによってSymfony・PHP・Doctrineなどの前提が更新されているため、複数世代をまたぐ場合は、これらの依存関係やプラグイン・独自カスタマイズの対応を確認する必要があります。世代差が大きい場合は、段階的な対応や、一部の作り直しが必要になることもあります。まず現状の構成を確認したうえで、進め方を検討することをおすすめします。

コアをカスタマイズしている場合、バージョンアップできますか?

できないわけではありませんが、確認が必要です。EC-CUBE本体のコードを直接変更している場合、公式の通常手順では更新できず、変更差分を確認して取り込む必要があります。まず、どこをどう変更しているかを把握することが出発点です。コアを直接変更する場合と、イベントやDIなどの拡張方式を利用する場合では、更新時の確認方法が異なるため、実装方式を把握しておくことが重要です。

まとめ

EC-CUBEのバージョンアップは、環境の確認、プラグインの対応状況、カスタマイズの変更範囲、検証環境の用意、重要フローの検証、保守体制——この6つを確認しておくことで、バージョンアップ時に確認すべき範囲を整理できます。大切なのは、「今動いているか」だけでなく、更新を続けられる状態を保てているか、という視点です。

特に、複数世代をまたぐ更新や、コアをカスタマイズしているサイトは、確認する範囲が広がります。私たちサンクユーは、現在の構成を確認したうえでのバージョンアップの計画・実施や、他社が構築したサイトの引き継ぎに対応しています。バージョンアップを検討されている方は、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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