EC-CUBEでできること・できないこと一覧【2026年版】導入前に知るべき現実的な範囲

EC-CUBEでできること・できないこと一覧【2026年版】導入前に知るべき現実的な範囲EC-CUBE
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この記事でわかること
「EC-CUBEって、本当に何でもできるの?」「自由度が高いと聞くけれど、逆に不安」——EC構築で後悔しないために大切なのは、できることだけでなく、できないこと・前提条件まで理解することです。この記事では、EC-CUBEで実現できること、設計が必要なこと、標準では難しいことを、導入前に知っておきたい現実的な範囲として整理します。

この記事を読むと分かること

  • EC-CUBEで標準的にできること
  • 設計すればできるが、難易度が上がること
  • EC-CUBEでは標準では難しいこと
  • 自社がEC-CUBEに向いているかの判断材料

前提:EC-CUBEは「設計できる基盤」

EC-CUBEは、オープンソース型のECプラットフォームです。ここを理解しておくと、「できること・できないこと」がすっきり整理できます。

ShopifyのようなSaaSが「完成済みのサービスを借りる」モデルであるのに対し、EC-CUBEは自社専用に設計できる基盤です。標準機能・プラグイン・カスタマイズの組み合わせで、自社に合わせて構築していきます。

つまり、EC-CUBEは「箱から出してすぐ使う完成品」ではなく、「自社の業務に合わせて作り込める土台」です。決まった仕様に業務を合わせるのではなく、自社の業務や商流にシステムを合わせていける——この考え方が、EC-CUBEの特徴であり、できること・できないことの両方を生み出します。

EC-CUBEでできること

1. 一般的なEC機能

商品登録・カテゴリ管理、カート・注文機能、配送・送料設定、会員管理、支払い方法設定など、ECサイトに必要な基本的な物販機能は、標準で備わっています。外部の決済サービスは、プラグインなどで連携して利用します。まずは一般的なネットショップとして必要な機能は、ひととおりそろっています。

2. デザインの自由設計

フルオリジナルのデザイン、ブランドに特化したUI、業界特化のフォーム設計など、見た目や操作性を自社に合わせて作り込めます。フロントエンドの自由度は高く、テンプレートの枠に縛られずに設計できるのが、SaaSとの大きな違いです。

3. BtoB向け機能の実装

顧客別価格、数量別価格、掛売対応、承認フロー、見積発行機能なども、プラグインやカスタマイズによって、自社の取引ルールに合わせて実装できます。決まった仕様に業務を合わせるのではなく、自社の取引ルールをシステム側へ反映できるため、独自の価格・商流・承認フローなどを持つBtoB-ECでは、有力な選択肢になります。

4. 基幹システム連携

在庫連携、受注連携、売上・請求連携、顧客データ同期など、既存の基幹システムとの連携も、API・CSVなどを用いて業務に合わせて設計できます。ECを単独で動かすのではなく、社内の業務システムと組み合わせて運用したい場合に適しています。

5. 将来の拡張

多店舗展開、BtoCからBtoBへの追加、サブスクリプション対応、海外展開など、事業の成長に合わせた拡張を前提に設計できます。最初から作り込みすぎず、段階的に広げていける点は、長く使うECサイトにとって利点です。

「できるが、設計難易度が上がる」こと

次の領域は、実装は可能ですが、難易度が高くなります。

  • 高度な在庫引当ロジック
  • 複雑な価格マトリクス
  • 大規模な同時アクセスへの対策
  • 複数の基幹システムとの連携

これらは「できない」わけではありませんが、設計と開発の難易度が上がります。そのため、制作会社の設計力によって、結果が大きく変わる領域です。要件が複雑なほど、業務を理解して設計できるパートナーを選ぶことが重要になります。

EC-CUBEが不得意なこと・導入前に知っておきたい注意点

正直に、EC-CUBEが不得意な部分や、導入前に知っておきたい注意点もお伝えします。「できない」というより、「向きにくい」「手間がかかる」という特性として理解しておくと、導入後のギャップを避けられます。

1. ノーコード中心の運用

ノーコード中心で運用できるSaaS(Shopifyなど)と比べると、EC-CUBEはカスタマイズや構築に開発の工程が前提になります。「専門知識なしで、管理画面だけで完結させたい」という場合には、向きません。自由に設計できるぶん、設計・開発の手が必要になる、ということです。

2. 独自要件での短期立ち上げ

EC-CUBEは、標準機能だけを使えば比較的早く立ち上げることもできます。ただし、自社独自の要件に合わせて設計・カスタマイズする場合は、SaaSのように数日で立ち上げる、というスピード感は難しくなります。作り込むほど、立ち上げには相応の期間が必要です。「急いで、最小限のショップを立ち上げたいだけ」なら、SaaSの方が適しています。

3. 運用ゼロでの管理

サーバー管理やバージョン管理を含む、運用・保守の体制が必要です(自社で行うほか、制作会社や保守会社へ委託することもあります)。オープンソースのため、放置するとセキュリティ上のリスクにつながります。「作ったら、あとは何もしなくてよい」というものではなく、運用・保守を前提に考える必要があります。

4. 自動でのインフラ最適化

EC-CUBEの標準機能として、アクセス増加に応じてインフラを自動で最適化する仕組みが提供されるわけではありません。必要に応じて、サーバーやクラウド側で構成を設計します。手間はかかりますが、そのぶんサーバー構成を自社の事業計画に合わせて自由に設計でき、コントロールできる範囲は広い、ということです。

よくある誤解

「EC-CUBEは何でもできる」とよく言われますが、正確には少し違います。

正しくは、「設計すれば、多くのことができる」です。裏を返せば、設計をせずに何となく使おうとすると、かえって複雑になり、扱いにくくなります。自由度が高いことは、そのまま「設計が必要」ということでもあります。ここを理解しておくと、導入後のギャップを避けられます。

SaaSとの本質的な違い

EC-CUBEとSaaS(Shopifyなど)は、そもそもの考え方が異なります。

比較SaaS型(Shopifyなど)EC-CUBE
立ち上げ比較的始めやすい要件に応じた設計・構築が必要
カスタマイズサービス仕様の範囲内ソースコードを含めて柔軟に変更可能
保守・インフラ提供事業者側の管理範囲が広い自社側で設計・保守する範囲が広い
向くケース標準機能で業務を回せる独自業務・商流へ合わせたい

どちらが優れているという話ではありません。大切なのは、自社の業務構造に合っているかです。すぐ始めたいならSaaS、自社の業務に合わせて作り込みたいならEC-CUBE、というのが基本的な考え方です。

EC-CUBEが向いている企業

ここまでを踏まえると、EC-CUBEは次のような企業に向いています。

  • BtoBなど、独自の取引ルールがある
  • 価格体系が複雑
  • 基幹システムとの連携が必要
  • 標準サービスでは対応しにくい独自の販売・受注フローがある
  • 将来も、業務に合わせて機能を拡張していきたい

逆に、「専門知識なしで、すぐに・安く・最小限のショップを立ち上げたい」という場合は、SaaSの方が適していることもあります。EC-CUBEありきで考えるのではなく、自社の要件に合う方を選ぶことが大切です。

自社の要件でどこまで実現できるか、確認しませんか。

「この機能は実現できるのか」「自社にはEC-CUBEとSaaSのどちらが合うのか」といった段階からご相談いただけます。業務内容を伺ったうえで、実現できる範囲と、必要な設計・改修を整理してご提案します。

EC-CUBEでの実現範囲を相談する

よくある質問

EC-CUBEは何でもできますか?

「設計すれば、多くのことができる」というのが正確な表現です。EC-CUBEは自由に設計できる基盤のため、標準機能・プラグイン・カスタマイズの組み合わせで幅広い要件に対応できます。ただし、ノーコード中心の運用や、独自要件を含む短期間での立ち上げなどは、SaaS型と比べて向きにくい場合があります。何でもできるわけではなく、設計を前提とするプラットフォームです。

EC-CUBEとShopifyは、どちらを選べばよいですか?

どちらが優れているというより、自社の業務構造に合うかで選びます。すぐに・最小限で始めたいならSaaS型(Shopifyなど)、自社固有の取引ルールや複雑な基幹連携など、標準的なSaaSでは対応しにくい要件がある場合はEC-CUBEが候補になります。要件を整理したうえで比較することをおすすめします。

EC-CUBEは運用に手間がかかりますか?

サーバー管理やバージョン管理を含む運用・保守体制が必要です。自社で行うほか、制作会社や保守会社へ委託する方法もあります。オープンソースのため、放置するとセキュリティ上のリスクにつながります。その代わり、サーバー構成やセキュリティ対策を自社の事業計画に合わせて設計できます。

BtoB-ECにEC-CUBEは向いていますか?

顧客ごとの価格や商品、複雑な掛率、承認フロー、見積発行、基幹連携など、自社固有の取引ルールをシステムに反映したいBtoB-ECに向いています。一方で、標準的な卸売で、SaaS型のBtoB機能で足りる場合は、EC-CUBEを選ぶ必要性は薄いこともあります。独自の取引ルールがあるかどうかが、判断の分かれ目です。

まとめ

EC-CUBEでできることは多いですが、万能ではありません。自由に設計できる基盤だからこそ、標準では難しいこともあり、設計が必要な部分もあります。

大切なのは、「何ができるか」だけでなく、自社は何を実現したいのかを明確にすることです。実現したいことがはっきりすれば、EC-CUBEが合うのか、SaaSが合うのかも見えてきます。私たちは、業務内容を伺ったうえで、実現できる範囲と必要な設計を整理するお手伝いをしています。導入を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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