EC-CUBEとShopifyをBtoBで比較|取引先別価格・掛け払い・基幹連携の確認点

EC-CUBEとShopifyをBtoBで比較|取引先別価格・掛け払い・基幹連携の確認点BtoB-EC
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この記事でわかること

EC-CUBEとShopifyを、BtoBの取引先別価格、掛け払い・与信、基幹連携、受注後の運用で比較します。自社の価格表や注文処理を使って、必要な機能と残る作業を確認する方法を解説します。

「取引先別価格に対応」「掛け払いができる」という機能名が同じでも、価格の決まり方や請求のまとめ方が自社の運用に合うとは限りません。製品名から結論を出す前に、実際の取引条件をそろえて比較しましょう。

費用・カスタマイズ・保守などの全般的な違いは、ShopifyとEC-CUBEの比較記事をご覧ください。本記事はBtoBの業務要件に絞り、EC-CUBEは主にダウンロード版を前提に説明します。

比較前に、代表的な取引と例外を用意する

実際の価格表や注文をもとに、通常の取引と、担当者が判断している例外を洗い出します。外部へ共有する資料は、取引先名などを必要に応じて置き換えてください。

比較する業務用意する条件の例
価格取引先別単価、数量別単価、契約期間、値引きの優先順位
請求・支払締日、支払期限、請求先、前受金、与信上限
受注・出荷発注単位、承認、注文変更、欠品、分納、返品
基幹連携管理元、反映時点、連携項目、エラーと再送の手順
運用取引先登録、価格改定、担当者変更、手動補正の件数

たとえば「月末締めの取引先が注文し、一部欠品で翌月に分納する」場面で、価格・与信・売上・請求がどうなるかを確認します。これは比較用の想定例であり、特定の導入事例ではありません。

Shopifyは利用プランと提供機能、追加アプリ・開発の範囲を確認します。EC-CUBEは標準設定・プラグイン・個別開発を分け、開発後の保守も含めて判断します。どちらも、自社の全要件が標準機能だけで満たされるとは限りません。

取引先別価格は、適用単位と優先順位で比較する

価格表の数より、単価が決まるルールを確認する

会社単位、支店単位、担当者単位のどこで価格を分けるかを決めます。契約単価、数量割引、期間価格が重なる場合は、どれを優先するかも必要です。

  • 契約単価と数量割引を併用するか、どちらか一方にするか
  • 契約期間の終了や価格改定を、いつ注文へ反映するか
  • 見積もり時の価格を、発注時にも保持するか
  • 税・端数・送料をどの単位で計算するか
  • 過去の注文を再注文した際、当時の単価か現在の単価か

Shopifyはカタログの割り当て条件を確認する

ShopifyのB2Bカタログでは、商品や価格を管理できます。2026年10月9日に確認した公式のカタログ案内では、Basic・Grow・AdvancedはB2Bマーケット全体で最大3つの有効なカタログを割り当てられ、利用には新しいShopify Marketsが必要です。Plusではカタログ数の制限がなく、会社・拠点への直接割り当ても可能とされています。

そのため、「顧客別価格があるからどのプランでも同じ運用ができる」とは判断できません。価格を分ける単位、カタログの管理数、更新方法を照合してください。追加アプリや開発を使う場合は、その範囲も分けて確認します。

EC-CUBEは価格の保存先と改定方法まで設計する

EC-CUBEでは、対応プラグインや個別開発で価格ルールを実装する方法を検討できます。基幹の価格を参照するか、EC側に価格表を保持するか、変更履歴をどこに残すかも設計対象です。

多数の価格表があるだけでEC-CUBEが有利と決めず、改定作業、連携、処理負荷、テスト、保守を含めて比較します。画面で正しい価格が出ることに加え、担当者が日常的に更新できることも重要です。

掛け払い・月締め請求・与信管理を分ける

支払期限を設定できること、複数注文を月単位でまとめて請求すること、与信上限に応じて受注を止めることは、それぞれ別の要件です。

ShopifyのB2Bには支払条件の設定があります。また、公式のプラン別機能一覧では、前受金、部分支払、フルフィルメントごとの支払リクエストはPlusの機能とされています。ただし、それが自社の月締め請求や入金消込まで満たすかは、別途確認します。

EC-CUBEでも、掛け払いの注文を受け付けるだけで、独自の与信管理や請求業務が完成するわけではありません。基幹システム、決済サービス、個別開発などで、どこまで担当するか整理します。

  • 請求先は会社・拠点のどちらか。複数注文をまとめるか
  • 請求の基準日は受注日・出荷日・検収日のどれか
  • 与信残高に、未出荷注文や未請求分を含めるか
  • 限度額を超えたときに、注文停止・保留・承認のどれにするか
  • 入金・返品・キャンセルで、残高をいつ戻すか

与信は通常の注文だけでなく、同時に複数の発注が入る場面も確認します。ECと基幹の双方が違う残高を参照しないよう、管理元と更新時点を決めます。

基幹連携は、注文変更・分納・エラーまで試す

新規注文を送信できることだけでは、業務に合う連携か判断できません。得意先コード・商品コード・単位・税・送料などの項目を照合し、注文後に起きる処理も確認します。

  1. 新規注文:送信先に正しい単価・数量・取引先で登録されるか。
  2. 変更・キャンセル:どちらのシステムで変更し、どの時点まで反映するか。
  3. 欠品・分納:複数回の出荷や売上を、注文・請求とどう対応させるか。
  4. エラー・再送:未処理を把握でき、再送しても二重受注にならないか。

ShopifyではAPIや連携アプリ、カスタムアプリなどによる実現方法を確認します。EC-CUBEではプラグインや個別開発を含めて検討します。どちらも、基幹側が提供する接続手段、利用可能なデータ、処理量、保守担当によって実現範囲が変わります。

APIがない基幹システムでは、CSV連携なども候補になります。連携方法はRPA・CSV・API連携の違い、設計項目はECと基幹システムの連携設計をご覧ください。

費用は、同じ取引条件と残る作業を含めて比較する

全般的な費用構造は比較記事で解説しています。本記事では、BtoBの要件を満たすために必要な費用をそろえます。Shopifyのプラン料金とEC-CUBEの本体価格だけを比較しても、構築・運用の総額は分かりません。

  • 必要な価格・請求・権限管理を実現するプラン、アプリ、プラグイン、個別開発
  • 得意先・価格表・注文履歴などの移行と、基幹連携の構築
  • 月次の価格更新、注文補正、請求照合など、導入後も残る作業
  • 保守、更新、サーバーや外部サービス、障害時の対応
  • 同じ決済方法・取扱金額・件数を前提とした決済費用

EC-CUBEでも、契約する決済サービスによって売上金額や件数に応じた手数料が発生します。本体の課金と決済費用を混同せず、両者を同じ条件で見積もります。Shopify側も、利用プラン、決済方法、適用される手数料を確認します。

5年間など一定期間で比較する場合は、初期費用に、期間中の利用・保守・決済・追加改修を加えます。社内作業は、件数と1件あたりの時間から別に試算します。売上や取引先が増えた場合の条件も置き、将来の費用が固定であるかのように扱わないようにします。

費用の整理方法は、BtoB-EC構築費用と5年間の費用試算をご覧ください。

実際の注文で確認し、実装範囲と担当を決める

比較表の「対応可能」だけで決定せず、価格表や注文例を使って確認します。下記は比較時の記録例です。

確認する場面記録する内容
契約単価と数量割引が重なる注文採用される単価、設定箇所、更新担当
与信上限に近い取引先の注文判定時点、保留・承認の手順、残高反映
月をまたぐ分納・返品売上と請求の対象、帳票、基幹との照合
連携失敗後の再送通知先、再処理担当、二重処理の防止

各場面について「提供機能で対応」「追加機能・開発で対応」「運用で補う」「未確認」を記録し、費用と担当を付けます。Shopifyの機能や拡張方法で必要な条件を満たせるなら、その構成を評価できます。EC-CUBEの個別設計で必要な処理を実現し、保守体制を確保できるなら、その案を比較できます。

BtoB比率が高い、基幹連携があるといった条件だけで、一方に決める必要はありません。実際に残る作業と、変更時の対応まで含めて選びましょう。

BtoBでの比較によくある質問

Shopifyでも取引先別価格を設定できますか?

B2Bカタログで商品や価格を管理できます。ただし、B2Bマーケットへの割り当てと、特定の会社・拠点への直接割り当てでは条件が異なります。契約単価の管理方法、必要なカタログ数、更新方法と利用プランを照合してください。

掛け払いに対応していれば、月締め請求や与信管理もできますか?

支払期限の設定、複数注文をまとめる月締め請求、与信残高に応じた受注制限は別の要件です。締日、請求先、入金消込、限度額、受注を止める条件を整理し、EC・基幹システム・決済サービスのどこで処理するか確認します。

取引先や価格表が多ければ、EC-CUBEを選ぶべきですか?

件数だけでは決められません。価格の決定ルール、更新頻度、例外処理、基幹との役割分担を確認します。EC-CUBEで個別設計する案と、Shopifyの機能・プラン・追加開発で対応する案を、実装範囲と保守負担まで含めて比較します。

EC-CUBEなら売上が増えても決済費用は増えませんか?

EC-CUBEでも、契約する決済サービスによって決済金額や件数に応じた手数料が発生します。本体の利用条件と決済手数料は分けて考えてください。Shopifyと比較する際も、同じ決済方法・取扱金額・件数を前提にします。

基幹システムとの連携は、どちらでも可能ですか?

どちらも連携を検討できます。必要な項目や処理を利用できるか、基幹側に接続手段があるかを確認します。新規受注だけでなく、変更・キャンセル・分納・再送・二重処理を含む手順で、実現方法と残る手作業を比較します。

価格表・請求ルール・連携先をもとに相談する

相談時は、販売する商品、取引先の区分、価格表の構成、締日と支払条件、連携先、現在手作業で補っている処理を整理してください。ルールが決まっていない部分は、未確定として共有できます。

サンクユーの対応範囲や構築実績、相談から公開までの進め方は、卸売・BtoB-ECサイト構築サービスをご覧ください。EC-CUBEでの対応はEC-CUBE構築・カスタマイズサービスでもご案内しています。

自社の取引条件に合うBtoB-ECを検討します

取引先別価格、掛け払い、基幹連携について、必要な機能と運用を整理します。現在の作業と、改善したい点をお聞かせください。

BtoB-ECの構築方法を相談する →

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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