EC-CUBEの商品別・会員ランク別価格設定|一律割引との違いと卸価格の設計ポイント

EC-CUBEの商品別・会員ランク別価格設定|一律割引との違いと卸価格の設計ポイント.EC-CUBE
この記事は約9分で読めます。

この記事でわかること
EC-CUBEで、商品ごとに会員ランク別の価格を設定できるようにしたカスタマイズ事例を紹介します。一律の割引率では対応しにくい価格条件、商品登録画面の入力欄、CSV一括登録と、卸売ECで価格の適用ルールを決める際の確認点を整理します。

商品別・会員ランク別価格は、「商品」と「会員ランク」の組み合わせごとに販売単価を持たせる方法です。全商品に同じ割引率を適用する方法とは、価格の決め方もメンテナンスの方法も異なります。

商品別・会員ランク別価格と、一律割引の違い

会員ランクに応じた価格優遇には、基準価格から一定の割合で値引きする方法と、商品ごとにランク別の金額を登録する方法があります。例えば、同じランクでも商品Aは10%引き、商品Bは5%引きにしたい場合、全商品に共通の割引率だけでは対応しきれません。

価格の決め方管理する内容確認したいこと
ランクごとの一律割引基準となる価格と、ランクごとの割引率割引対象外の商品、端数処理、基準価格を変更した際の影響
商品ごとのランク別価格商品とランクの組み合わせごとの販売単価未設定価格の扱い、価格表の更新件数、規格別価格の必要性
取引先ごとの個別価格商品と取引先の組み合わせごとの販売単価同じランク内の例外契約、ランク価格との優先順位

ここでの会員ランクは、同じ価格条件を適用する会員をまとめる区分として考えます。同じランクの会員でも取引先ごとに契約単価が違う場合は、ランク価格だけで整理できるかを確認します。

すべての商品に同じ掛率を使えるなら、一律割引の方が管理しやすい場合があります。一方、商品ごとの仕入条件や利益率を踏まえて金額を決めたい場合は、商品別のランク価格が検討対象になります。

商品登録画面に会員ランク別価格を追加した事例

サンクユーでは、「商品ごとに会員ランク別の価格を設定したい」という要望に対し、商品管理の登録画面へ価格入力欄を追加しました。以下は過去の個別カスタマイズの画面です。

EC-CUBEで商品ごとに会員ランク価格を設定する
商品登録画面に追加した会員種別ごとの価格入力欄。掲載画面は過去の実装例です。

画像では、プラチナ・ゴールド・シルバー・ノーマルの各会員向けに金額を入力する欄を確認できます。ランクの増減にも対応し、商品数が多い場合の作業を考慮して、CSVによる一括登録も可能にしています。

ランクの名称・数・価格は掲載時の例です。購入金額に応じた自動昇格や、価格の予約切り替えなどを含めるかは、別途整理します。以降では、このような仕組みを導入・改修する際の確認事項を説明します。

標準の「通常価格」「販売価格」との違いを確認する

確認したEC-CUBE 4.3.1-p1版の公式マニュアルでは、「販売価格」は実際に販売する商品単価、「通常価格」は定価などを入力する項目として説明されています。また、規格がある商品では、規格ごとに販売価格を設定する構成です。

通常価格と販売価格の2項目があることと、会員ランクに応じて販売単価を切り替えられることは別です。ランク別価格の入力・保存、会員とランクの対応、商品表示や注文時の価格計算まで、必要な処理を確認します。

導入方法は、EC-CUBEのバージョン、利用中のプラグイン、既存カスタマイズによって変わります。価格に関係する機能がすでにある場合は、その機能を拡張するか、別の処理と組み合わせるかを検討します。

参照:EC-CUBE公式マニュアル「商品登録」

価格の適用条件と、切り替えるタイミングを決める

価格入力欄を用意した後は、「どの条件で、どの金額を使うか」を揃えます。次の内容は掲載事例の実装済み機能の一覧ではなく、導入時に決める項目です。

価格未設定・未ログイン・規格の扱い

場面決めておくルール
ランク別価格が未設定共通の販売価格を使う、購入を止める、問い合わせを案内するなどの扱い
未ログイン、またはランク未割当表示する価格と購入可否。ログイン後に価格が変わる場合の案内
新しい商品・ランクを追加必要な価格を登録してから販売を開始する手順と、設定漏れの確認
サイズ・容量などで価格が異なる商品単位で足りるか、規格とランクの組み合わせごとに価格を持つか

未設定と0円は区別します。空欄の代わりに0を登録する運用にせず、0円を許可する場面と入力チェックを決めます。また、価格表が税抜・税込のどちらか、販売単位が1個・1ケースのどちらかも揃え、端数処理を確認します。

クーポン・数量別価格などとの優先順位

ランク別価格に加えて、取引先との契約価格、数量別価格、クーポンやセール価格を使う場合は、適用順序と併用可否を決めます。「ランク価格からさらに割り引く」のか、「特定の価格条件を優先する」のかによって、最終的な金額が変わります。

個別契約や数量別価格まで含む設計は、顧客別価格・数量別価格の考え方もご覧ください。本記事では、商品別のランク価格を日々どう管理するかに焦点を当てています。

ランク変更・カート・注文確定を分ける

会員が商品をカートに入れた後に、会員ランクや価格表が変わることがあります。カート投入時、ログイン時、注文確認時など、どの段階で適用価格を確認し直すかを決めます。金額が変わる場合は、購入者が注文前に確認できる流れにします。

過去の受注については、注文時に確定した単価を確認できるようにします。現在の商品価格や会員ランクを変更しても、過去の注文金額を自動的に置き換えない設計を検討します。受注の編集・再計算・再注文では、確定済みの金額を使う場面と、新しい価格を適用する場面を分けます。

商品一覧・詳細、カート、注文確認画面に加え、管理画面からの受注登録、メール、帳票、受注CSVでも、同じ注文の単価が一致するかを確認します。会員限定の価格は、別ランクの会員や未ログインの利用者へ意図せず表示されないことも確認します。

CSV一括登録と価格改定で誤更新を減らす

商品別のランク価格は、商品数とランク数に応じて管理する金額が増えます。掲載事例ではCSV一括登録に対応していますが、既存価格の更新や一部項目だけの変更など、運用に必要な範囲は導入時に確認します。

EC-CUBE 4.3.1-p1版の公式マニュアルには、標準の商品CSVによる商品情報の一括登録・更新と、通常価格・販売価格の項目が掲載されています。追加したランク別価格も同じCSVに自動的に含まれるとは限らないため、専用の項目と取込処理を確認します。

参照:EC-CUBE公式マニュアル「商品CSV登録」

  • 商品・規格・ランクを識別するIDやコードを揃え、同じ組み合わせの重複行を確認する
  • 空欄を「変更しない」「価格を削除する」のどちらとして扱うか決める
  • 税抜・税込、通貨、販売単位、金額の桁、0円・負数などの入力条件を確認する
  • エラー時に全件中止するか、正常行だけ反映するかを決め、反映済みの範囲を把握できるようにする
  • 取り込み前に対象商品・ランクと変更前後の価格を確認し、取り込み後は件数と代表商品の表示・注文金額を照合する
  • 価格改定を反映する日時と担当者を決め、手入力や基幹連携との同時更新を避ける手順を整える
  • 誤った価格を登録した場合に、対象価格を戻すための変更前データと作業記録を残す

基幹システムにも価格表がある場合は、どちらを価格の正本とするかを決めます。EC-CUBE側で変更した直後に、基幹から届いた古い価格で上書きされることがないよう、更新元と連携のタイミングを揃えます。

一括更新の対象は必要な価格項目に絞ることを検討します。古い商品CSVを使って、同時に変更された在庫数や商品説明まで戻してしまわないようにするためです。価格を戻す際も、更新後に入った受注などを含めてサイト全体を巻き戻す方法とは分けて考えます。

導入・改修の相談前に整理したいこと

価格入力欄だけで足りるのか、会員へのランク割当、CSV、基幹連携まで必要なのかによって、改修範囲は変わります。現在使っている価格表をもとに、次の内容を整理すると検討しやすくなります。

  • EC-CUBEのバージョン、価格・会員・クーポンに関係するプラグインと既存改修
  • 商品数・規格数・ランク数と、商品別の価格表の例
  • ランクを会員へ割り当てる方法、変更担当者、変更のタイミング
  • 一律割引で対応できる範囲と、商品別・取引先別に例外がある範囲
  • 未設定価格、カート内の商品、確定済み注文、再注文の扱い
  • 価格改定の頻度、CSVの形式、基幹システムとの連携内容

サンクユーでは、価格条件と受注業務の整理から、EC-CUBE構築・カスタマイズ、BtoB-EC構築までご相談に対応しています。現在の価格表と更新作業を確認し、必要な対応範囲を検討します。

商品別・会員ランク別価格に関するよくある質問

EC-CUBEで商品ごとに会員ランク別の価格を設定できますか?

サンクユーでは、商品登録画面に会員ランク別の価格入力欄を追加したカスタマイズ事例があります。商品ごとにランク別の金額を持たせる方法で、ランクの増減やCSV一括登録にも対応しています。現在の環境への導入方法は、バージョンや既存機能を確認して判断します。

会員ランクごとの一律割引とは何が違いますか?

一律割引は、基準となる価格にランク共通の割引率を適用する方法です。商品別のランク価格は、商品とランクの組み合わせごとに金額を持たせます。商品ごとに掛率や利益率が異なる場合に検討できますが、価格を登録・改定する作業量も確認します。

標準の通常価格と販売価格を使えば会員価格にできますか?

確認したEC-CUBE 4.3.1-p1版の公式マニュアルでは、通常価格は定価など、販売価格は実際に販売する商品単価として説明されています。この2項目があることと、会員ランクに応じて価格を切り替えることは別です。ランク価格を管理・適用する機能が利用環境にあるかを確認します。

ランク別価格が未設定の商品はどう扱いますか?

共通の販売価格を使う、購入を止める、問い合わせを案内するなど、業務に合わせて扱いを決めます。自動的に最安値や0円を適用する前提にはせず、未設定と0円を区別します。新しい商品やランクを追加した際の設定漏れも確認します。

会員ランクを変更すると、カートや過去の注文価格も変わりますか?

カート内の価格をいつ再計算するかは、実装と運用ルールによって異なります。ランク変更や価格改定を反映するタイミング、注文前の金額確認を決めます。過去の注文は注文時に確定した単価を確認できるようにし、現在のランク価格で自動的に置き換えない設計を検討します。

ランク別価格をCSVで一括登録・更新できますか?

掲載事例ではランク別価格のCSV一括登録に対応しています。既存価格の更新、空欄による削除、規格別価格、予約反映などの対応範囲は導入時に確認します。標準の商品CSVに追加価格が自動的に含まれるとは限らないため、専用の項目と取込処理の確認が必要です。

EC-CUBEの会員価格・卸価格設定をご相談ください

商品ごとにランク別価格を設定したい、価格表をCSVで管理したい、基幹システムの卸価格と揃えたいなど、現在の運用をお聞かせください。価格の適用条件と更新方法を整理し、必要なカスタマイズを検討します。

会員価格・卸価格の設定について相談する

投稿者プロフィール

Nakamura
サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。

Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。

ChatGPT CODEXを活用し、開発スピードと品質の両立を実現しています。

お気軽にご相談ください

お気軽にご相談ください

タイトルとURLをコピーしました