ShopifyからEC-CUBEへ移行するべき企業の特徴【BtoB視点】成長企業が直面する7つの壁

ShopifyからEC-CUBEへ移行するべき企業の特徴【BtoB視点】成長企業が直面する7つの壁BtoB-EC
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この記事でわかること
「Shopifyで十分だと思っていたが、最近限界を感じる」「BtoB取引が増え、独自の価格や業務ルールへの対応が難しくなってきた」「アプリ費用が積み上がっている」——多くの企業がShopifyでECを始めます。立ち上げの速さ、使いやすさは、初期フェーズでは非常に優れた選択肢です。しかし事業が成長するにつれ、課題に直面する企業も増えています。この記事では、ShopifyからEC-CUBEへの移行を検討すべき企業の特徴を、BtoB視点で整理します。

この記事を読むと分かること

  • ShopifyからEC-CUBEへの移行を検討すべき企業の特徴(7つ)
  • 逆に、移行すべきでないケース
  • 移行で失敗しないために必要なこと

まず前提:Shopifyが悪いわけではない

最初にお伝えしておくと、Shopifyが劣っている、という話ではありません。Shopifyは、短期での立ち上げや、BtoC中心の物販には、非常に優れたSaaSです。

  • 初期費用を抑えられる
  • インフラ管理が不要
  • 少人数でも運用できる

問題は、Shopifyの良し悪しではなく、事業構造が変わったときに、そのサービスが今の自社に合い続けているか、という点です。以下の特徴に当てはまる企業は、EC-CUBEへの移行を検討する価値があります。

特徴① BtoB比率が高まり、独自の取引ルールが増えている

もともとBtoC中心だったが、法人取引が増えてきた——というケースです。ただし、BtoB比率が高まったこと自体が、EC-CUBEへ移行する理由になるわけではありません。ShopifyにもBtoB向けの機能があり、会社プロファイル、カタログ、数量ルール、ボリューム価格、決済条件などに対応しています。ただし、利用できる機能や設定範囲はプランによって異なります。

そのうえで、顧客ごとの特殊な価格決定、独自の承認フロー、業界特有の受注処理、基幹側の例外処理など、標準機能では吸収しにくい要件が増えてきた場合は、EC-CUBEを含めて再検討する価値があります。判断の分かれ目は「BtoBかどうか」ではなく、「独自の取引ルールが、標準の枠に収まるかどうか」です。

特徴② 顧客別価格が複雑化している

取引先別の単価、数量別割引、契約価格、期間限定価格——こうした価格設定が複雑化しているケースです。

Shopifyでも、カタログ、数量ルール、ボリューム価格などで、BtoBの価格設定に対応できます。ただし、自社独自の優先順位、複数条件の組み合わせ、基幹側の価格マスタとの同期など、標準の価格モデルでは表現しにくいルールが増えている場合は、システム全体の再設計を検討する余地があります。EC-CUBEでは価格決定ロジックそのものを個別に設計できるため、標準の価格モデルでは表現しにくいルールにも、対応方法を検討できます。

特徴③ 基幹システム連携が必須になっている

在庫・受注・請求・売上を基幹システムと連携したい場合、APIやバッチ処理の設計の自由度が重要になります。

Shopifyでも連携は可能で、APIや拡張機能が用意されています。そのうえで、ShopifyのAPIや拡張ポイントでは吸収しにくい連携要件がある場合、EC-CUBEはサーバー側を含めてカスタマイズできるため、設計の選択肢を広げられる場合があります。ただし、自由度が高い代わりに、開発・保守を継続する体制を自社側で確保する必要があります(制作会社や保守会社へ委託する方法もあります)。基幹システムと密に連携したい企業ほど、この「設計の自由度」と「運用の体制」の両方を踏まえて検討することが大切です。

特徴④ EC運営の総コストが事業規模に合わなくなっている

Shopifyでは、プラン料金、決済手数料、アプリ費用などが発生します。また、利用する決済方法などの構成によっては、Shopifyの取引手数料が加わる場合もあります。

売上が拡大したときに、これらのコストの合計が、事業規模に見合わなくなってくることがあります。EC-CUBE本体(オープンソース版)の利用料には、売上連動型のプラットフォーム手数料が設定されていません。そのため、現在のShopifyのプラン・決済・アプリ費用と、EC-CUBE移行後の開発・インフラ・保守費を比較すると、EC-CUBEの方が総コストを抑えられるケースもあります。ただし、決済手数料、サーバー費用、保守・開発費などは別途必要です。単純に「移行すれば安くなる」わけではなく、現在の総コストと、移行後の総コストを比較して判断することが大切です。

特徴⑤ アプリ依存が増えすぎている

機能追加のたびにアプリを導入し、次のような状態になっている場合は、構造的な見直しのサインです。

  • 管理画面が複雑になっている
  • アプリの月額費用が増えている
  • アプリの組み合わせでパフォーマンスが落ちている

アプリを足していく方式は手軽ですが、増えるほど管理と費用の負担が積み上がります。EC-CUBEでは、必要な機能を個別開発も含めて全体設計し直すという選択肢があります。ただし、カスタマイズを無秩序に増やせば、EC-CUBEでも同じように複雑化します。「EC-CUBEに移せば自動的に整理される」わけではありません。移行のタイミングで、機能構成そのものを整理することが重要です。

特徴⑥ 業務フローに無理が出ている

SaaSでは、提供されている標準機能や拡張ポイントの範囲で業務を設計することが基本になります。多くの場合はそれで問題ありませんが、独自の承認フロー、業界特有の受注処理、特殊な価格決定ロジックなどがある場合、標準機能や拡張ポイントの範囲では対応しきれなくなることがあります。

EC-CUBEは、カスタマイズによって自社の業務フローに合わせて設計できる範囲が広いことが特徴です。決まった仕様に業務を合わせるのではなく、自社の業務フローにシステムを合わせたい場合に向いています。

特徴⑦ 将来の独自拡張を前提としている

多店舗展開、海外展開、サブスクリプションの追加——こうした拡張自体は、Shopifyでも可能です。「将来拡張したいから移行する」というのは、それだけでは移行理由になりません。

移行理由になるのは、その拡張の実現方法に、自社独自の業務ロジックや外部システムとの連携が深く関わり、既存プラットフォームの仕様に合わせ続けることが難しくなっている場合です。拡張の「内容」ではなく、拡張の「実現方法が標準の枠に収まるか」が判断のポイントになります。EC-CUBEは、独自ロジックを含む拡張を前提に設計できる点が強みです。

逆に、移行すべきでないケース

一方で、次のような場合は、無理に移行する必要はありません。

  • BtoC中心で、標準機能で十分に業務が回っている
  • 短期的な立ち上げ・低コストを優先したい
  • インフラ管理や運用保守の体制を持ちたくない

こうした場合は、Shopifyを継続する方が合理的です。EC-CUBEは自由に設計できるぶん、運用・保守を前提とします。「今のShopifyで困っていない」なら、移行はかえって手間とコストを増やすことになりかねません。移行ありきで考えないことも大切です。

移行で失敗する企業の特徴

移行を決めた場合でも、進め方を誤ると失敗します。次のようなケースは要注意です。

  • 現状の課題を整理しないまま移行する
  • 要件定義が不足している
  • 制作会社を価格だけで選ぶ

移行は、単なるデータの引っ越しではありません。業務を再設計する機会です。「今の業務のどこに課題があり、移行で何を解決したいのか」を整理しないまま進めると、Shopifyでの課題をそのままEC-CUBEに持ち込むことになり、移行の意味が薄れてしまいます。

Shopifyからの移行が自社に合うか、確認しませんか。

「今のShopifyに限界を感じている」「独自の価格・商流・基幹連携が増え、今の構成で対応し続けるべきか迷っている」といった段階からご相談いただけます。現状の課題と業務フローを整理したうえで、移行が適切かどうか、適切ならどう進めるかをご提案します。

Shopifyからの移行を相談する

よくある質問

ShopifyとEC-CUBE、どちらが優れていますか?

どちらが優れているという話ではなく、事業構造に合うかで選びます。短期立ち上げやBtoC中心の物販にはShopifyが優れています。ShopifyもBtoB機能を備えているため、BtoB比率そのものではなく、Shopifyの標準機能や拡張方法では対応しにくい独自の価格・商流・基幹連携が増えてきた場合に、EC-CUBEが選択肢になります。

EC-CUBEに移行すれば、コストは安くなりますか?

単純に安くなるとは限りません。EC-CUBE本体(オープンソース版)には、Shopifyの第三者取引手数料に相当する売上連動型のプラットフォーム手数料は設定されていません。ただし、決済手数料、サーバー費用、保守・開発費などは別途必要です。現在のプラン・決済・アプリ費用と、EC-CUBE移行後の開発・インフラ・保守費を比較した結果、EC-CUBEの方が有利になる場合があります。総コストで比較して判断することをおすすめします。

Shopifyから移行しない方がよいのは、どんな場合ですか?

BtoC中心で標準機能で十分に業務が回っている、短期立ち上げや低コストを優先したい、インフラ管理や運用保守の体制を持ちたくない——こうした場合は、Shopifyを継続する方が合理的です。今のShopifyで困っていないなら、移行はかえって手間とコストを増やすことになりかねません。

移行を成功させるには、何が必要ですか?

まず、現状の課題を整理することです。移行は単なるデータの引っ越しではなく、業務を再設計する機会です。「今の業務のどこに課題があり、移行で何を解決したいのか」を明確にしないまま進めると、課題をそのまま持ち込むことになります。要件定義をしっかり行い、価格だけでなく業務理解のあるパートナーを選ぶことが重要です。

まとめ

ShopifyからEC-CUBEへの移行を検討すべき企業の特徴は、標準機能では吸収しにくい独自の取引ルールが増えている、複雑な価格ルールが標準の枠に収まらない、基幹連携の要件が深い、総コストが事業規模に合わなくなっている、アプリ依存で構造が複雑化している、独自の業務フローに合わせたい、といった点です。ShopifyもBtoB機能を備えているため、「BtoBだから移行」ではなく、自社固有の要件が、プラットフォームの標準の枠に収まらなくなってきたかどうかが、移行を考える境界線になります。

重要なのは、「ShopifyとEC-CUBEのどちらが優れているか」ではなく、どちらが現在の事業構造に合っているかです。Shopifyで十分ならShopifyを続けるべきですし、事業の成長で標準の枠に収まらなくなってきたなら、EC-CUBEが選択肢になります。私たちは、現状の課題と業務フローを整理したうえで、移行が適切かどうかから一緒に考えるお手伝いをしています。移行を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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