あなたの会社はBtoB-EC向き?5分でわかる導入診断チェック|10の質問で見える業務と顧客の相性

あなたの会社はBtoB-EC向き?5分でわかる導入診断チェック|10の質問で見える業務と顧客の相性B2B-EC
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あなたの会社はBtoB-EC向き?5分でわかる導入診断チェック|10の質問で見える業務と顧客の相性

はじめに

周りの企業がEC化を進めているけど、うちにも本当に必要なのか。
営業やFAXで十分対応できているし、システム化はまだ早いのでは。

BtoB-ECは受注処理の効率化や属人業務の削減、顧客満足度の向上など、多面的な効果をもたらす仕組みです。
一方で、業種や業務フロー、顧客層によっては、導入の優先順位や着手範囲を見極めることが重要です。

本記事では、あなたの会社がBtoB-ECに向いているかを、10のチェック項目で簡易診断できるようにしました。
診断結果に応じたアクションプランや、導入後に成果を最大化するコツまで解説します。

BtoB-EC導入診断チェック|10の質問

以下の質問に「はい」で答えてください。
該当が多いほど、BtoB-EC導入との相性が高い傾向があります。

  1. 受注の多くがFAX・電話・メールで届く。
    毎朝の確認や仕分けに時間を要している。
  2. 同じ商品を繰り返し注文する顧客が多い。
    定番品や消耗品の再発注が頻繁にある。
  3. 受注データを人がエクセルや基幹システムに手入力している。
    転記作業がボトルネックになっている。
  4. 顧客によって価格や取引条件が異なる。
    見積作成や確認に時間がかかる。
  5. 在庫や納期を確認するのに社内の複数部署へ問い合わせが必要。
    回答遅延が発生しやすい。
  6. 営業が定型的な注文対応に多くの時間を割いている。
    新規開拓や提案の時間が圧迫されている。
  7. 注文ミスや入力間違いによるトラブルが年に数回はある。
    返品や再手配のコストがかさんでいる。
  8. 顧客から「Webで注文できないの」と言われたことがある。
    オンライン志向の要望を感じている。
  9. 属人化や人手不足を業務課題と感じている。
    引継ぎに不安がある。
  10. 業務を変えたい、効率化したいという意欲がある。
    改善への投資対効果を検討したい。

診断結果とタイプ別アクション

はいが7〜10個:今すぐ検討すべき高適合タイプ

手作業や重複作業が多く、BtoB-ECの導入効果が極めて高い状態です。
短期的には受注のWeb化とCSV連携による転記の削減が有効です。
中期的には顧客別価格や在庫連携をAPIで自動化し、完全な受注一元化を目指しましょう。

想定効果の例として、受注入力時間の半減、誤入力の大幅減、営業の提案時間の創出が挙げられます。
既存顧客の利便性向上により、リピート率や客単価の増加も期待できます。

事例イメージとして、部品卸ではFAX比率を80パーセント削減し、受注処理の平準化と残業の解消に成功したケースが見られます。

はいが4〜6個:段階導入で効果が高まる適合タイプ

すべてを一度に変える必要はありません。
定番商品の再注文、ITリテラシーの高い取引先、内製しやすい部門など、成功しやすい領域から始めます。

初期はECに注文件数の三割を載せることを目標に、再注文ボタンやお気に入り機能を前面に出します。
半年後に効果検証を行い、範囲を拡大する設計が現実的です。

はいが1〜3個:限定機能で価値を出す部分適合タイプ

見積依頼や在庫照会、サンプル申し込みなど、入口機能だけをWeb化するだけでも効果はあります。
大口顧客専用のログインを先に用意し、運用しながらユースケースを増やす進め方も有効です。

はいが0個:現状維持で問題は小さいが将来に備えるタイプ

現時点の業務フローが成熟している可能性が高いです。
ただし、人員構成や顧客の世代交代、事業拡張に備え、情報収集と小規模なテスト運用の検討は価値があります。

BtoB-ECに向いている企業の特徴

  • 注文が定型化しやすい。
    同一商品や同一仕様のリピートが多い。
  • 受注に関与する人数が多く属人化しがち。
    担当者が不在だと遅延しやすい。
  • 顧客との関係が長期的で、操作支援が可能。
    定着施策の投資回収が見込める。

これらの条件が揃うと、立ち上げ後の利用率が高く、短期での投資回収が現実的になります。

慎重な判断が必要なケースと代替策

  • 毎回の注文内容が大きく異なる一品受注型。
    まずは見積依頼や仕様確認のフォーム化から始めます。
  • 取引先が少なく個別対応が前提。
    顧客専用の小規模ポータルで納期や履歴を共有するだけでも効果があります。
  • 顧客がデジタルに強い抵抗を示す。
    並行運用期間を設け、営業同行で初回操作を支援します。

完全なEC化が難しくても、部分的なデジタル化は確実に効きます。
問い合わせの入口をWebに寄せるだけでも、社内の取りこぼしが減り、対応ログが可視化されます。

診断後に検討すべき3つのポイント

  1. 導入目的を明確にする。
    業務効率化か、属人解消か、売上拡大かで設計が変わります。
  2. 優先してEC化する業務範囲を決める。
    受注、見積、在庫、請求のどこから始めるかを選びます。
  3. 最適な開発方法を選定する。
    SaaSでスピード重視か、カスタマイズ基盤で柔軟性を取るか、段階導入を前提にするかを整理します。

導入後の定着戦略と実務のコツ

導入して終わりではなく、使われ続ける仕組みを設計します。

  • 初回同行と画面共有で操作支援を実施する。
    顧客の心理的ハードルを下げます。
  • 一分動画と簡易マニュアルを用意する。
    問い合わせ対応の負荷が減ります。
  • 再注文、お気に入り、履歴からの発注を前面に出す。
    クリック数を減らして定着を促します。
  • インセンティブや期限を設ける。
    初回送料無料や切替ボーナスが有効です。
  • 旧来の受注ルートは段階的に縮小する。
    告知と並走サポートを徹底します。
  • 営業、カスタマーサクセス、サポートが横断で運用する。
    未使用アラートと再アプローチを定例化します。

定着の鍵は、顧客の行動支援と体験改善の両輪です。
最初の六か月を集中支援期間と定義し、月次で改善点を反映する運用が成果に直結します。

参考KPIとROI試算の考え方

施策の有効性を測るために、先行指標と結果指標を分けて設定します。

  • 先行指標。
    初回ログイン率、二回目注文完了率、再注文比率、動画視聴完了率。
  • 結果指標。
    Web経由売上、FAX比率、受注入力時間、ミス件数、顧客満足度。

ROI試算は、削減時間と歩留まり改善で積み上げます。
例として、一件あたりの受注入力に八分かかっていた場合、月三百件で四十時間です。
EC化で半減すれば二十時間の削減で、時給換算と残業削減を反映できます。
さらに、ミス起因の再手配コストやクレーム対応時間も削減原価として加算します。

売上側の効果は、夜間受注や休業日受注の創出、再注文の短縮による機会損失の回収として評価します。
三か月から六か月の移行期間で月次の効果測定を行い、次の投資判断に活かします。

よくある質問

小規模でも導入する意味はあるのか。

あります。
定番受注や見積受付だけでも自動化のインパクトは大きく、担当者依存のリスクを下げられます。

顧客が高齢でWeb操作に不安がある場合はどうするか。

並行運用と初回同行が効果的です。
操作動画や一枚マニュアルを用意し、最初の成功体験を提供します。

既存の販売管理や在庫システムとつながるのか。

多くのBtoB-ECはCSVやAPIで連携できます。
初期はCSV、安定後にAPIへ移行する段階導入が現実的です。

どのくらいの期間で効果が出るのか。

スモールスタートなら一から三か月で受注の一部をWeb化できます。
六か月を目安に定着と効果測定を回し、次の拡張を判断します。

この診断が、御社の業務改善と将来戦略の第一歩になることを願っています。
BtoB-ECを使われる仕組みとして導入し、顧客体験と社内効率の両立を実現しましょう。

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投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWACEO
関西大学卒業後、東証プライム上場企業ゼネコンにて人事総務業務に従事。
幼少よりモノ作りが好きだったこともあり、「モノを作る仕事がしたい」という思いからシステムベンダーへ転職。

システムベンダーでは、IBMオフコンAS400で金融、物流、販売管理、経理、人事総務などのシステムを開発。
台北に駐在し遠東國際商業銀行のシステム構築プロジェクトへの参画など貴重な経験を積む。
10年間で、プログラマ、SE、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを務め、「システムの質は要件定義の質に比例する」と学ぶ。

その後、クレジット決済代行会社にヘッドハンティングされる。
決済システムの再構築、国内外の銀行システムとの接続、クライアントの会社サイト制作・ECサイト構築を行う。
一方、組織改革を任され、20名から60名へ会社規模を拡大させる。(退任時役職:常務取締役)

2008年クリエイティブチーム・サンクユーを立ち上げ、2010年に法人化し株式会社サンクユーを設立。

クライアントの業界、取扱商材、ターゲット顧客を理解・分析することで、結果が出るWEBサイトを制作することを得意とする。
また、ECサイト構築・運営への造詣も深く、NTTレゾナント株式会社が運営するgoo Search Solutionでコラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution


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