【製造・卸売・印刷業向け】FAX注文をEC化した成功事例5選|業務効率化と売上向上を同時に実現

【印刷・製造・卸売向け】FAX注文をEC化した成功事例5選|業務効率化と売上向上を同時に実現B2B-EC
この記事は約6分で読めます。

はじめに:FAX注文のままでは限界がある

現在でも多くの企業が、取引先との注文手段としてFAX注文を使い続けています。
特に製造業、卸売業、印刷業といったBtoB取引中心の業界では、長年の慣習や顧客との関係性、業務フローの都合から「変えたくても変えられない」という声をよく耳にします。

しかし、人手不足、働き方改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れの中で、FAXによるアナログ受注はますます非効率さが際立っています。
受注処理の遅延、人的ミス、情報共有の遅れは、顧客満足度の低下や売上機会の損失にも直結します。

この記事では、FAX注文からBtoB-ECへの移行に成功した製造・卸売・印刷の5社の事例を紹介します。
単なる効率化ではなく、顧客満足度や売上にもつながった実践的な事例から、自社に応用できる改善のヒントを見つけてください。

事例1:製造業(部品加工)|繰り返し注文をEC化して再発注を効率化

背景

取引先からの定番部品の発注が毎回FAXで届き、手書き文字の読み間違いや品番記載ミスが多発しました。
確認のための電話やメールのやりとりが増え、受注処理が遅れる原因となっていました。

解決策

BtoB-ECに「再注文機能」と「注文履歴検索機能」を追加しました。
過去の注文データをワンクリックで再利用できるようにしました。
FAX利用に慣れた顧客のために、写真入りの「注文マニュアル」や操作動画も提供し、スムーズな移行を実現しました。

成果

  • リピート注文の大半がWeb経由に移行
  • 誤出荷・納期遅延が激減
  • 受注入力時間が50%削減され、検品・確認作業も簡素化

これにより、生産計画の精度が向上し、在庫管理コスト削減にもつながりました。

事例2:卸売業|掛売対応と価格別表示機能でEC移行に成功

背景

取引先ごとに掛率や支払条件が異なるため、EC化が難しいとされていました。
価格や条件を確認する必要がある注文は、FAXや電話で対応せざるを得ず、受注業務の複雑化が進んでいました。

解決策

BtoB-ECにログイン制を導入し、顧客別の価格表示や送料設定を自動化しました。
掛売後払い機能も組み込み、従来の請求フローとの整合性を保ちつつ移行を実施しました。

成果

  • 電話応対時間を月40時間以上削減
  • FAX注文を70%以上削減
  • 「24時間いつでも注文できる」と顧客から好評

注文時間の制限がなくなり、夜間や休日の受注も増加しました。
売上の平準化にも寄与しました。

事例3:印刷会社|名入れ印刷の注文をWeb化し、手入力ゼロに

背景

名刺や封筒など名入れ印刷の注文は、毎回内容が異なり、FAXや電話でのやりとりが常態化していました。
注文内容の確認、手入力によるデータ登録、校正確認など、多くの工数が発生していました。
担当者によっては、FAX文字の読み違いや伝達漏れが発生し、印刷ミスにつながることもありました。

解決策

BtoB-ECサイトを構築し、顧客ごとに専用のログインページを用意しました。
フォーム上で「会社名」「ロゴデータ」「印刷色」「部数」などを入力・アップロードするだけで発注できる仕組みに変更しました。
注文内容は自動でシステム登録され、校正データもオンライン上で共有可能になりました。

成果

  • 手書き・電話対応が激減し、FAX注文比率は90%→10%に
  • 校正ミスや誤印刷がゼロに
  • 営業担当者が新規提案や販促企画に時間を割けるように

生産部門との連携スピードも向上し、納期短縮やリピート率向上にも寄与しました。

事例4:建材メーカー|見積書発行+注文連携の自動化

背景

代理店や工務店からの見積依頼はFAXやメールで届き、その都度手作業で見積書を作成していました。
受注時にも同じ情報を再入力する必要があり、二重作業が慢性化していました。

解決策

BtoB-EC上に見積機能を実装しました。
顧客が条件を入力すると自動でPDF見積書を生成し、そのまま注文に連携できるようにしました。
見積内容と注文データが一元化され、二重入力が不要になりました。

成果

  • 見積作成時間を30分→5分に短縮
  • 注文データの再入力ゼロ
  • 納期回答・在庫確認もオンラインで即時対応

受注処理スピードが向上し、顧客満足度も改善しました。

事例5:販促グッズOEM業|オプションの多い注文もECで対応

背景

ロゴ・色・包装・納期・配送先など、複数条件が絡む注文が多く、FAXやExcelでは確認漏れや誤解が頻発していました。

解決策

カスタムオーダーフォームとファイル添付機能を実装しました。
顧客が仕様をWeb上で直接入力・確認可能にしました。
条件分岐を活用し、入力ミスを防ぐUIも整備しました。

成果

  • 確認電話が8割減少
  • 受注対応工数を60〜80%削減
  • 返品・再制作率が大幅に低下

営業担当者は新規開拓や商品開発に時間を使えるようになり、売上拡大にも貢献しました。

FAX注文からEC化へ移行する際の3つのポイント

  1. 段階的移行を前提にする
    ITリテラシーの高い顧客から順に移行し、一定期間はFAXとWebを併用して混乱を防ぎます。
  2. 顧客ごとの発注習慣に合わせる
    専用商品ページや再注文ボタンなど、使いやすさを優先して設計します。
  3. 社内外の教育をセットで行う
    社内マニュアルや顧客向け操作ガイドを用意し、不安や抵抗感を最小限に抑えます。

まとめ:FAXをやめるのではなく、“変える”ことで現場が楽になる

FAX注文の課題は、業界や規模を問わず共通しています。
しかし、いきなり全面廃止ではなく、段階的なBtoB-EC化を行うことで、現場負担を抑えつつ効率化を実現できます。

BtoB-ECは単なる受注効率化のツールではなく、売上の安定化・顧客満足度向上・働き方改革にも直結する重要な仕組みです。
2025年は、こうしたEC化の取り組みが競争力を左右する年になるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. FAX注文からBtoB-ECに移行するのにどれくらいの期間がかかりますか?

企業規模や商品の種類、既存システムとの連携方法によって異なりますが、一般的には3〜6か月程度が目安です。
小規模なシステムであれば1〜2か月で稼働するケースもあります。
段階的に移行することで、顧客や社内の混乱を防ぎつつ短期間での導入も可能です。

Q2. 顧客が高齢でIT操作に慣れていない場合はどうすればいいですか?

操作マニュアルや動画チュートリアルを用意するほか、初期の注文はFAXとWebを併用するハイブリッド期間を設けるとスムーズです。
また、専用ログインページや簡易注文フォームを用意することで、操作ステップを減らせます。

Q3. 既存の基幹システムや在庫管理システムと連携できますか?

多くのBtoB-ECシステムはAPIやCSV連携に対応しており、受注データを既存システムに自動連携可能です。
RPAを活用して定型作業を自動化する方法もあります。
導入前に要件定義を行い、システム連携の範囲や方法を明確にしておくことが重要です。

Q4. FAXからECへの移行でコストはどのくらいかかりますか?

初期費用はシステム構築やデザイン、機能カスタマイズの内容によって数十万〜数百万円程度が一般的です。
クラウド型サービスを利用すれば、初期費用を抑えて月額課金型で導入することも可能です。
ROI(投資回収期間)を事前に試算して判断することをおすすめします。

Q5. EC化によって本当に業務効率は上がりますか?

受注の自動化により、入力作業や確認電話が減り、人的ミスも大幅に削減されます。
また、顧客側も24時間発注できるため、受注量の平準化や売上機会の拡大につながります。
多くの事例で、業務時間の30〜50%削減が実現しています。

関連記事

はじめてのBtoB-EC導入完全ガイド|仕組み・メリット・費用・成功事例まで徹底解説
この記事でわかること BtoB-ECのしくみとメリット 導入に必要な準備・費用・スケジュール システム選定のポイントと主要サービス比較 成功企業のリアルな導入事例 導入後に成果を最大化するコツとKPI設定1....
【2025年最新版】BtoB-ECとは?定義・特徴・メリット・導入事例を徹底解説
BtoB-ECに対する注目度近年、企業間取引のデジタル化が急速に進む中で、BtoB-EC(Business to Business Electronic Commerce)の注目度はますます高まっています。国内市場だけでも2024年度に...
BtoB-EC導入で直面しやすい7つの課題を徹底解説
1. イントロダクションBtoB-EC(企業間電子商取引)は、FAXや電話に代わり、ウェブ上で受発注と請求を完結できる便利な仕組みです。しかし、実際に導入を進めると「BtoB-EC 課題」と呼ばれる壁にぶつかりがちです。ここでは、...

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

お気軽にご相談ください

お気軽にご相談ください

タイトルとURLをコピーしました