なぜBtoB-ECにEC-CUBEが向いているのか|受注ルール・基幹連携から考える選び方

なぜBtoB-ECにEC-CUBEが向いているのか|受注ルール・基幹連携から考える選び方EC-CUBE
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この記事でわかること
「BtoB-ECを始めたいが、どのプラットフォームがよいか分からない」「SaaS型で十分では?」——BtoB-ECの構築を検討する企業が、最初に直面するのがプラットフォーム選定です。この記事では、SaaS型とEC-CUBEのどちらが自社に合うかを、BtoB特有の受注構造という観点から解説します。結論を先に言えば、独自の価格ルールや基幹連携、拡張の必要性がある場合に、EC-CUBEの設計自由度が活きやすくなります。一方で、標準機能で足りる場合は、SaaS型が合理的なこともあります。

この記事を読むと分かること

  • BtoB-ECとBtoC-ECの、受注構造の違い
  • どんな要件のときにEC-CUBEの自由度が活きるか
  • SaaS型が合理的なケース

BtoB-ECでは、BtoCとは異なる受注ルールが加わることがある

BtoC-ECは、商品一覧・カート・オンライン決済といった、一般消費者向けの購入の流れが中心です。一方、BtoB-ECでは、次のような要素が関わることがあります。

  • 顧客別価格・数量別単価・契約価格
  • 掛売(請求書払い)
  • 承認フロー
  • 基幹システム連携

これらは、業態によって必要なものが異なります。すべてのBtoB-ECにこれらが必要というわけではありませんが、こうした業務ルールが関わる場合、BtoB-ECは、単なる販売サイトというより、業務の一部を担う仕組みに近くなります。プラットフォーム選びでも、この受注構造を扱えるかが、論点の一つになります。

EC-CUBEの自由度が活きる、7つの要件

ここからは、どのような要件のときに、EC-CUBEの設計自由度が活きやすいかを見ていきます。「BtoBだからEC-CUBE」ではなく、「こういう要件があるならEC-CUBEが選択肢になりやすい」という観点です。

① 複雑な価格ルールを、独自に設計したい場合

BtoBでは、取引先別単価、契約価格、数量階段制、期間限定条件など、価格が一律でないことがあります。SaaS型カートでも一部は対応できますが、標準機能に収まりにくい価格ルールがある場合は、制約が出ることがあります。EC-CUBEはオープンソースのため、価格ロジックを業務に合わせて設計できます。標準機能に収まりにくい価格ルールがある場合、EC-CUBEのカスタマイズ性が選択肢になります。

② 既存の基幹に合わせた連携が必要な場合

BtoB-ECでは、受注データを基幹システム(在庫・売上・請求・会計など)と連携するケースがあります。EC-CUBEは、API設計やバッチ設計を柔軟に構築できるため、既存の業務フローに合わせた連携を設計しやすいという特徴があります。連携の設計については、基幹・在庫システムを連携する方法で解説しています。

③ 標準機能外の承認・権限要件がある場合

法人取引では、発注担当者・上長承認者・管理者といった、権限の分離が必要になることがあります。EC-CUBEは会員構造を拡張できるため、部署単位・権限単位の設計に対応しやすくなります。

④ 独自の請求・与信運用を組み込みたい場合

掛売(請求書払い)を採用している企業では、支払サイト管理、与信上限管理、請求書発行との連携などが必要になることがあります。EC-CUBEは、カスタマイズによって、こうした運用に合わせた実装ができます。

⑤ ライセンス体系(売上連動課金がない)

SaaS型では、月額費用に加えて、売上連動の手数料や、アプリ費用が発生することがあります。EC-CUBE本体の利用料として、売上に連動する課金はありません。ただし、料金体系だけで比較するのは適切ではありません。EC-CUBEでは、構築費、サーバー費、保守費、バージョンアップ、追加開発などが別途必要です。料金体系だけでなく、必要な機能と、運用する期間を含めて比較する必要があります。費用の考え方は、EC-CUBE構築の費用の内訳で解説しています。

⑥ 将来の追加開発を想定している場合

BtoB-ECは、一括で全体を導入するより、段階的に導入するケースもあります(一部の顧客から開始し、徐々に広げる、BtoCと併用する、など)。EC-CUBEは、拡張を前提とした設計がしやすいため、将来の追加開発を見据えている場合に対応しやすくなります。

⑦ 受注業務に合わせて設計したい場合

FAXや電話での受注をEC化する場合、単に既存の受注をそのままWebに移すだけでなく、受注業務の流れに合わせて設計することで、入力の手間やミスを減らせる可能性があります。EC-CUBEは、業務の構造に合わせた設計がしやすいため、こうした受注業務の見直しとあわせて検討できます。

SaaS型が合理的なケース

一方で、次のような場合は、SaaS型のプラットフォームのほうが合理的なこともあります。

  • 標準機能で、業務要件を満たせる
  • できるだけ短期間で開始したい
  • インフラやバージョン管理を、自社側で持ちたくない
  • 独自カスタマイズよりも、サービス標準への業務適合を優先したい

SaaS型は、インフラの運用やバージョン管理の多くを、サービス提供側が担います。標準機能で要件が満たせるなら、短期間で始めやすく、自社でインフラ運用やバージョン管理を担う範囲を減らせます。プラットフォーム選びは、「どちらが優れているか」ではなく、「自社の要件にどちらが合うか」で考えることが大切です。

逆に言えば、標準機能に業務を合わせにくい場合や、独自の受注ルール・基幹連携・拡張の必要性がある場合に、EC-CUBEの自由度が選択肢になります。

大切なのは、規模より受注構造

「BtoB-ECは大企業向け」と思われることがありますが、中小企業でも、独自の受注ルールや基幹連携があれば、EC-CUBEが選択肢になります。逆に、大企業でも、標準機能で足りるなら、SaaS型が合うこともあります。重要なのは、売上規模そのものより、自社の受注構造と、今後の展開です。

BtoB-ECのプラットフォーム選びを、ご相談ください。

「SaaS型とEC-CUBEで迷っている」「自社の受注ルールが対応できるか知りたい」といった段階からご相談いただけます。業務要件を伺ったうえで、EC-CUBEが向いているか、SaaS型が向いているかも含めて、ご提案します。他社が構築したサイトの引き継ぎにも対応しています。

プラットフォーム選びを相談する

よくある質問

BtoB-ECには、必ずEC-CUBEがよいのですか?

そうとは限りません。独自の価格ルールや、基幹システム連携、承認フローなど、標準機能に収まりにくい要件がある場合に、EC-CUBEの設計自由度が活きやすくなります。一方で、標準機能で業務要件を満たせる場合や、短期間での立ち上げを優先する場合は、SaaS型が合理的なこともあります。自社の受注構造と要件を踏まえて、選ぶことが大切です。

SaaS型とEC-CUBEでは、どちらがコストを抑えられますか?

料金体系だけでは判断できません。SaaS型は、月額費用や、売上連動の手数料が発生することがあります。EC-CUBE本体の利用料として、売上に連動する課金はありませんが、構築費、サーバー費、保守費、バージョンアップ、追加開発などが別途必要です。必要な機能と、運用する期間を含めて比較することが大切です。売上規模や、必要なカスタマイズの範囲によって、どちらが適しているかが変わります。

中小企業でも、EC-CUBEでBtoB-ECを構築できますか?

できます。EC-CUBEが向いているかは、売上規模ではなく、受注構造によって変わります。中小企業でも、独自の価格ルールや、基幹システム連携などの要件があれば、EC-CUBEの自由度が活きます。まず、自社にどのような受注ルールや業務要件があるかを整理することをおすすめします。

まず何から検討すればよいですか?

自社の受注業務を整理することから始めることをおすすめします。どのような価格ルールがあるか、掛売や承認フローが必要か、基幹システムと連携するか——こうした要件を洗い出すことで、標準機能で足りるのか、独自の設計が必要なのかが見えてきます。そのうえで、SaaS型とEC-CUBEのどちらが合うかを検討します。BtoBサイト構築の技術的な注意点は、EC-CUBEでBtoBサイトを構築する際の注意点9選でも解説しています。

まとめ

BtoB-ECのプラットフォーム選びでは、SaaS型とEC-CUBEのどちらが自社の要件に合うかを考えることが大切です。独自の価格ルール、基幹連携、承認・権限設計、掛売・与信運用、将来の拡張——こうした要件がある場合に、EC-CUBEの設計自由度が活きやすくなります。一方で、標準機能で足りる場合や、短期間での立ち上げを優先する場合は、SaaS型が合理的なこともあります。

大切なのは、「BtoBだからEC-CUBE」と決めることではなく、自社の受注構造を踏まえて選ぶことです。私たちサンクユーは、EC-CUBEの構築を手がけていますが、業務要件を伺ったうえで、EC-CUBEが向いているかどうかも含めてご提案します。BtoB-ECのプラットフォーム選びで迷っている方は、お気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン

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