EC-CUBEの受注一覧からメールを一括送信する方法|未入金督促・編集可能メールに対応

EC-CUBEの受注一覧からメールを一括送信する方法|未入金督促・編集可能メールに対応EC-CUBE
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この記事でわかること
EC-CUBEで「未入金のお客様に督促メールを送りたい」となったとき、標準の運用では注文を1件ずつ開いてメールを送ることになります。件数が増えるほど、この往復だけで時間が溶けていきます。本記事で紹介するのは、受注一覧画面から離れることなく、対象の注文を選んでメール送信まで完結できるカスタマイズです。未入金督促などの定型メール、送信時に件名・本文を編集できるメール、誤送信を防ぐプレビュー、送信履歴の保存まで、実際の実装をもとに解説します。

Nakamura(株式会社サンクユー EC-CUBE開発経験18年)
このカスタマイズの価値は「メールを一括で送れること」ではありません。受注一覧という1つの画面で、業務が完結することです。未入金の注文を探して、1件ずつ開いて、メールを送って、一覧に戻って、また次を探す——この往復がなくなります。受注業務の改善は、機能の数ではなく「画面を行き来せずに終わるか」で決まると考えています。

標準のEC-CUBEではメール送信に手間がかかる

EC-CUBEの標準機能でも、注文に対してメールを送ることはできます。ただし、それは注文を1件ずつ開いて、その画面から送るという運用です。

たとえば「銀行振込の前払いで、まだ入金が確認できていないお客様に督促メールを送る」という業務を考えてみます。標準の運用では、次の作業を注文の件数だけ繰り返すことになります。

手順作業
1受注一覧で未入金の注文を探す
2該当の注文を開く
3メールを作成して送信する
4受注一覧に戻る
5次の注文を探す(1に戻る)

1件や2件なら問題ありません。しかし、対象が10件、20件と増えると、この往復だけで時間が溶けます。しかも手作業である以上、送り漏れ・二重送信・送る相手の間違いが起こります。

本当の問題は「時間がかかること」ではありません。手間がかかる作業は、後回しにされます。督促メールが送られないまま入金確認が遅れる、担当者が忙しい日は誰も送らない——結果として、業務そのものが回らなくなります。手作業の負担は、いずれ売上の回収サイクルに跳ね返ります。

受注一覧画面だけでメール送信まで完結できる

この記事の中心は、ここです。受注一覧の画面から離れずに、メール送信まで完結させる——これがカスタマイズの狙いです。

実装した機能では、受注一覧の一括操作にメール送信のメニューを追加しました。操作の流れはこうなります。

受注一覧 → 対象を選ぶ → メールを選ぶ → プレビュー → 送信
この5つが、すべて受注一覧の画面上で完結します。途中で注文の詳細画面を開く必要はありません。
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    対象の注文を選ぶ

    受注一覧で、送信したい注文にチェックを入れます。対応状況での絞り込み(未入金など)と組み合わせれば、対象を素早く特定できます。

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    送信するメールを選ぶ

    プルダウンから、送信するメールの種類を選択します。EC-CUBEの「対応状況の変更」と同じ操作感なので、運用に馴染みやすい形にしています。

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    プレビューで確認する

    決定ボタンを押すと、いきなり送信されるのではなくプレビュー画面が表示されます。宛先と内容を確認してから送信します。

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    送信する

    選択したすべての注文へ、まとめて送信されます。送信内容は各注文のメール送信履歴に保存されます。

「未入金の注文を探して、選んで、送る」までが、受注一覧の1画面で終わります。注文を1件ずつ開いて戻る往復がなくなるため、対象が何件あっても作業時間はほとんど変わりません。

一覧画面から離れないということは、担当者が「今どの注文を処理しているか」という作業の流れを途切れさせないということでもあります。画面を行き来するたびに、どこまで対応したかを思い出し直すことになります。受注件数が増えるほど、この違いが作業時間とミスの削減につながります。

この機能を成立させるために実装した範囲は、次のとおりです。

実装対象内容
受注一覧の一括操作対象の注文を選択し、送信するメールをプルダウンで選ぶメニューを追加
プレビュー画面送信前に宛先と内容を確認する画面を追加
送信するメール未入金督促メール(登録済みの文面をそのまま)/送信時に件名・本文を編集できるメール
差し込みタグお客様名・注文番号などを、編集画面のボタンから挿入できるように対応
メール送信履歴送信したメールを各注文の履歴に保存
既存メール発送通知メールは従来の仕様のまま維持(新機能とは役割を分離)
既存の操作感に寄せることが重要:新しい機能を追加するとき、独自のUIを作り込むと運用が混乱します。今回はEC-CUBEにもともとある「対応状況の変更」と同じ、プルダウンで選んで決定ボタンを押す形に揃えました。管理画面を使う人にとって「いつもと同じ操作」であることが、定着するかどうかを分けます。

未入金督促などの定型メールを一括送信する

一括送信できるメールの1つが、未入金の督促メールです。あらかじめ登録しておいた文面を、選択した注文へそのまま送信します。

督促メールは、送るたびに文面を考える必要のないメールです。むしろ、誰が送っても同じ文面であることが望ましい種類のメールと言えます。担当者によって言い回しや厳しさが変わると、お客様への印象が揺れてしまうためです。

  • 登録済みの文面をそのまま送るため、文面の品質が担当者に左右されない
  • 受注一覧で未入金の注文を絞り込み、まとめて選択して一度に送れる
  • 「送る作業が面倒だから後回し」という状態を解消できる

銀行振込などの前払いを扱うECサイトでは、入金確認と督促は避けて通れない業務です。ここが手作業だと、入金確認の遅れがそのまま売上の回収遅れになります。

今回の実装では代表例として未入金督促メールを登録していますが、これは「登録した定型文をそのまま一括送信する」という仕組みです。同じ仕組みで、他の定型メールを追加することもできます。毎回同じ文面を送るメールは、この方式が向いています。

送信時に編集できるメールで個別対応する

もう1つが、送信時に件名と本文を編集できるメールです。定型文をそのまま送るのではなく、その場で内容を変えてから送信できます。

実務では、定型文だけでは足りない場面があります。

場面定型文だけだと
特定の商品について案内したい該当の注文だけに向けた文面が送れない
お詫びやお知らせを一斉に送りたいその都度テンプレートを登録する必要がある
督促の文面を状況に応じて調整したい登録済みの文面しか送れない

送信時に編集できるようにしておけば、こうした「定型ではないが、複数の注文へまとめて送りたい」メールに対応できます。テンプレートを都度登録する手間もありません。

この仕組みがあれば、用途は督促に限りません。商品の欠品連絡、配送遅延のお知らせ、仕様変更の案内など、テンプレートとして新規登録するほどではないメールも、その場で編集して複数のお客様へまとめて送信できます。突発的な連絡が発生したとき、対象の注文を選んですぐ送れる——これは日々のEC運営全体で効いてきます。

差し込みタグで宛名は個別に:編集画面には、お客様名や注文番号などを挿入するための差し込みタグを、ボタンから入れられるようにしています。これにより、本文は一括で編集しつつ、宛名や注文情報はお客様ごとに正しく差し替わります。「一括だけど、受け取る側には個別のメールに見える」状態を作れます。

送信履歴が残るので担当交代にも強い

一括送信したメールは、各注文のメール送信履歴に保存されます。これは地味ですが、運用上とても重要です。

履歴がないと履歴が残ると
この注文に督促を送ったか分からない注文ごとに送信済みかを確認できる
同じお客様に二重送信してしまう送信済みを確認してから対応できる
担当者が変わると経緯が追えない誰が引き継いでも、いつ何を送ったか分かる
お客様から「届いていない」と言われて確認できない送信の事実を記録で確認できる

メール送信履歴が注文単位で残るため、「いつ・どの内容を送ったか」を後から確認できます。担当者の交代時だけでなく、お客様から「メールが届いていない」と問い合わせを受けたときの確認にも役立ちます。履歴は単なるログではなく、顧客対応を支える業務上の記録です。

メールを送る機能を作るとき、「送れること」だけを考えると履歴の設計が抜けます。しかし実務で効くのは、送った後に確認できることです。督促のように「送った・送っていない」がトラブルに直結する業務では、履歴が残っているかどうかが対応の質を決めます。

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「未入金の督促が手作業で回らない」「注文を1件ずつ開いて送るのが限界」——受注一覧から業務を完結させるカスタマイズを、御社の運用に合わせてご相談いただけます。

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実装時に考慮したポイント

一括メール送信は、便利な反面リスクもある機能です。実装では次の点を考慮しました。

考慮点対応
誤送信の防止決定ボタンを押しても即送信せず、プレビュー画面を挟む。宛先と内容を確認してから送信する
既存メールとの役割分離発送通知メールなど、既存の仕組みで動いているメールには手を入れず、従来の仕様のまま残す
操作感の統一EC-CUBEの既存の一括操作と同じ、プルダウン+決定ボタンの形式に揃える
送信履歴の保存送ったメールを各注文の履歴に残し、後から確認できるようにする
差し込みタグの提供編集時にタグを手入力させず、ボタンから挿入できるようにして入力ミスを防ぐ
特に重要なのが「既存メールに手を入れない」判断です。発送通知メールは、送信すると対応状況が変わるなど、他の処理と連動して動いています。ここに新しい一括送信の仕組みを混ぜ込むと、既存の運用が壊れる恐れがあります。新しいメールは新しい仕組みとして追加し、既存のメールは従来どおり動かす——役割を分けることで、稼働中のサイトでも安全に機能を追加できます。

どんなECサイトに向くか

  • 銀行振込などの前払いを扱っており、未入金の督促が発生する
  • 注文を1件ずつ開いてメールを送っており、件数が増えて限界を感じている
  • 督促や案内メールの送り漏れ・二重送信が起きたことがある
  • 複数の担当者で受注対応をしており、誰が何を送ったか分からなくなる
  • 定型文だけでなく、その都度内容を変えたメールも複数の注文へ送りたい
  • EC-CUBEで受注管理をしているが、メール送信が手作業のままになっている

特に、受注件数が伸びてきて「手作業では回らない」と感じ始めた段階のECサイトほど、効果が大きくなります。件数が少ないうちは手作業でも成立しますが、その運用は必ずどこかで限界を迎えます。

よくある質問

EC-CUBEの標準機能でも、メールの一括送信はできますか?

標準では、注文を1件ずつ開いてメールを送る運用が基本になります。受注一覧で複数の注文を選び、任意のメールをまとめて送信するには、カスタマイズが必要です。EC-CUBEはオープンソースのため、受注一覧の一括操作に送信メニューを追加し、対象を選んでそのまま送信できるようにする実装が可能です。

一括送信で誤送信しないか心配です。

誤送信を防ぐ仕組みをセットで実装します。今回の実装では、決定ボタンを押しても即座には送信されず、プレビュー画面で宛先と内容を確認してから送信する流れにしています。また、発送通知メールなど既存の仕組みで動いているメールには手を入れず、新しい一括送信とは役割を分けています。一括送信は便利な反面、対象を間違えると影響が大きいため、確認を挟む設計が重要です。

発送通知メールも一括送信になりますか?

なりません。既存の発送通知メールには手を加えず、従来どおりの仕様のまま残しています。発送通知メールは、送信すると対応状況が変わるなど他の処理と連動して動いているため、新しい一括送信の仕組みと混ぜると既存の運用が壊れる恐れがあるためです。新しく追加したメールは新しい仕組みとして動かし、既存のメールは従来どおり——このように役割を分けることで、稼働中のサイトでも安全に機能を追加できます。

送信したメールは、後から確認できますか?

確認できます。一括送信したメールは、各注文のメール送信履歴に保存されます。これにより「この注文に督促を送ったか」を後から確認でき、二重送信を防げます。担当者が交代しても、いつ何を送ったかを追えるため、対応の引き継ぎがスムーズになります。督促のように「送った・送っていない」がトラブルにつながる業務では、履歴が残ることが重要です。

未入金の督促以外のメールも、一括で送れますか?

送れます。登録済みの文面をそのまま送るメールに加えて、送信時に件名と本文を編集できるメールを用意しています。これにより、お詫びやお知らせなど、定型文として登録していない内容でも、複数の注文へまとめて送信できます。編集画面ではお客様名や注文番号などの差し込みタグをボタンから挿入できるため、本文は一括で編集しつつ、宛名や注文情報はお客様ごとに正しく差し替わります。

設計の考え方
メール送信の機能を作るとき、「送れるようにする」ことだけを考えると、たいてい失敗します。実務で効くのは、送る前に確認できること、送った後に確認できること、そして既存の仕組みを壊さないことです。今回で言えば、プレビュー・送信履歴・既存メールとの役割分離がそれにあたります。私たちは「機能を追加すること」よりも、「現場が今までどおり使えること」を重視しています。新しくできることが増えても、これまでの業務が止まってしまっては意味がないからです。

EC-CUBEの受注メール一括送信、構築のご相談を承ります

EC-CUBE公式パートナーとして、17年以上にわたりEC-CUBEのカスタマイズを手がけてきました。受注一覧からの一括メール送信は、誤送信の防止・送信履歴の保存・既存メールとの役割分離まで含めて設計することが重要です。御社の受注業務に合わせた実装をご提案します。

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投稿者プロフィール

Nakamura
サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。

Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。

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