EC-CUBEの構築・リニューアルを制作会社へ相談する前に確認したい疑問を、15の質問にまとめました。見積もり、追加機能、保守、移行、引き継ぎ、公開準備について、依頼時の確認事項として活用できます。
「見積もりに何が含まれているのか」「今の会員データは移せるのか」「公開後にどこまで対応してもらえるのか」。EC-CUBEの導入では、機能だけでなく、制作会社との役割分担や契約範囲も確認する必要があります。
本記事では、依頼前の質問に絞って説明します。EC-CUBEの基本的な仕組みや他カートとの違いは、EC-CUBEの基礎解説をご覧ください。
見積もり・継続費用についての質問
見積もりを依頼する前に、何を決めればよいですか?
販売する商品、対象顧客、現在困っている業務、公開時に必要な機能、連携先、希望時期、予算の目安を整理します。すべて確定していなくても相談できますが、未確定の項目は明記してください。制作会社へは、見積もりの前提条件と、要件を確認した後に金額が変わる可能性のある部分も質問します。
制作会社の見積もりは、総額だけで比較できますか?
総額だけでなく、設計、画面制作、設定・開発、商品登録、データ移行、テスト、操作案内の範囲をそろえて比較します。対象外の作業、修正回数、追加費用が発生する条件、管理費と消費税の扱いも確認してください。安い見積もりでも、自社で行う作業が多ければ、その担当と時間を確保する必要があります。
公開後には、どのような費用がかかりますか?
サーバー、保守、プラグインや外部サービスの利用、決済などの費用を確認します。大きなバージョン更新や追加開発が通常の保守料金に含まれるかは契約次第です。初期費用と月額費用に分け、利用量で変動する料金、年単位の更新費用、別途見積もりになる作業を一覧にしてください。
構築の流れと費用の考え方は、EC-CUBEでECサイトを構築する方法をご覧ください。
標準機能・追加機能についての質問
希望する機能は、すべてカスタマイズが必要ですか?
標準設定、既存プラグイン、個別開発の順に実現方法を確認します。機能名だけで判断せず、実際の商品や注文条件で処理できるかを試してください。クーポンなど、公式の4系機能一覧でプラグイン対応とされる機能もあります。見積書には、利用するプラグインと開発対象を分けて記載してもらうと確認しやすくなります。
プラグインを導入すれば、そのまま使えますか?
対応するEC-CUBEのバージョン、他のプラグインや独自機能との組み合わせ、設定・テストの必要性を確認します。購入代金だけでなく、導入作業、更新、提供元のサポート範囲も確認してください。将来の本体更新で対応版が必要になった場合、誰が調査・検証するかも決めておきます。
機能の区分はEC-CUBE公式の機能一覧、基礎的な仕組みはEC-CUBEとは?特徴・できることの解説で確認できます。
保守・障害対応についての質問
保守契約では、何を確認すればよいですか?
本体・プラグイン・サーバーの管理範囲、脆弱性情報を確認する担当、修正の進め方、更新後の動作確認を確認します。問い合わせ受付時間と実際の対応時間、緊急時の連絡先、追加費用の条件も分けて確認してください。「保守一式」という記載だけでなく、含む作業と含まない作業を明確にします。
バックアップがあれば、障害時にすぐ復旧できますか?
バックアップの有無だけでは、復旧までの時間は判断できません。対象データ、取得頻度、保存先、保存期間、復元手順と担当者を確認します。復元テストを行っているか、どの時点までのデータを戻せるか、復旧まで注文をどう受け付けるかも相談してください。
対応範囲や他社制作サイトの引き継ぎは、EC-CUBEの保守と引き継ぎで詳しく説明しています。
BtoB機能・基幹連携についての質問
取引先別価格や見積もり、承認フローに対応できますか?
追加機能や個別開発を含めて検討できますが、実現可否・費用・期間は条件ごとの確認が必要です。価格の優先順位、見積もりから注文へ進む条件、承認者の権限、変更やキャンセルの扱いを整理してください。通常の注文だけでなく、欠品や担当者不在などの例も伝えると、必要な範囲を確認しやすくなります。
基幹システムにAPIがあれば連携できますか?
APIの有無だけでは判断できません。必要な項目を取得・登録・更新できるか、認証方法、件数や頻度の制限、注文変更、エラー時の再処理を確認します。基幹側の改修や接続費用が必要か、EC側と基幹側のどちらがどこまで担当するかも整理します。CSVなど他の方法で必要な処理に対応できるかも比較してください。
連携の確認点はECと基幹システムの連携設計、法人向け構築の対応範囲は卸売・BtoB-ECサイト構築サービスをご覧ください。
他サービスからの移行についての質問
SaaSや他のECシステムから、商品・会員・注文を移せますか?
移行元から取得できるデータと、移行先で必要な項目を照合して判断します。商品画像、商品コード、会員と注文の対応関係、ポイント残高などは、移行範囲を個別に決めます。会員パスワードや保存済み決済情報は、そのまま引き継げるとは限りません。再設定や再登録が必要か、サービス提供元への確認と利用者への案内も計画します。
URLを変えると、検索順位やアクセス数は維持できますか?
維持を保証することはできません。旧URLと対応する新URLの一覧を作り、必要なリダイレクト、内部リンク、サイトマップなどを整えます。Googleも移転時の一時的な順位変動を案内しています。公開前に設定をテストし、公開後はSearch Consoleなどでインデックス登録と検索流入を確認します。
検索に関する移転手順は、Google検索セントラルのサイト移転ガイドを参照しています。
制作会社の選定・引き継ぎについての質問
同じ業界の構築実績があれば、依頼先として十分ですか?
業界名だけでなく、自社に近い注文方法、取引条件、連携先、運用規模に対応した経験を確認します。実績の中でその会社が担当した範囲や、公開後の保守体制も質問してください。要望をどう整理するか、標準機能と開発部分を説明できるか、検証方法が具体的かも判断材料になります。
将来、別の制作会社へ引き継ぐことはできますか?
契約と構成によります。ドメイン・サーバー・管理画面の権限、ソースコード、設定資料、データの提供範囲を確認します。テーマ・プラグイン・外部サービスの利用契約や、引き継ぎ先でも利用できる条件も確認してください。解約時の手順、引き継ぎ作業の費用、データを取得できる期限は、依頼前に整理しておくと進めやすくなります。
比較する項目は、EC-CUBE制作会社の選び方で整理しています。
公開時期・テストについての質問
相談するときに、公開日を決めておく必要がありますか?
希望日と、その日付が必要な理由を伝えてください。必要な機能、データ移行、決済審査、外部システム側の作業、自社の確認時間を踏まえて実現可能な日程を相談します。期限が厳しい場合は、公開対象を絞れるか検討しますが、注文・決済・出荷など必要な確認を省く前提にはしません。
公開前の確認は、制作会社へ任せてよいですか?
制作会社が行う技術的なテストと、自社が行う業務上の確認を分けて計画します。代表的な注文、価格条件、変更・キャンセル、決済、通知、出荷、連携エラーなどの確認項目を共有してください。データ移行の件数・内容、切り替え中の注文の扱い、問題発生時に公開を延期・切り戻す判断も事前に決めます。
相談前に用意しておくとよい情報
分かる範囲で、次の情報をまとめてください。分からない項目は「未確認」として、調査が必要な範囲も相談できます。
- 新規構築かリニューアルか、現在のサイトURLと利用システム
- 取扱商品、主な顧客、商品数や受注件数の目安
- 現在困っている作業と、実現したい販売方法
- 公開時に必要な機能と、後から検討できる機能
- 移行したいデータと、連携するシステム
- 希望する公開時期と、予算の目安
- 公開後の社内担当者と、依頼したい保守範囲
見積もりを受け取ったら、金額に加え、対象外の作業・自社の担当範囲・追加費用の条件を確認しましょう。複数社を比較する際も、同じ情報を渡すと対応範囲の違いを把握しやすくなります。
EC-CUBEの構築・移行・保守をご相談ください
サンクユーの対応範囲や構築実績、相談から公開までの進め方は、EC-CUBE構築・カスタマイズサービスをご覧ください。
要件が固まる前でも、現在の課題からご相談いただけます
新規構築、既存サイトの改修、他システムからの移行について、必要な機能と公開後の運用を整理します。希望する対応範囲と、確認したい点をお聞かせください。
既存サイトがある場合は、URLと現在の利用システムを分かる範囲でお知らせください。
投稿者プロフィール

- CEO
- 株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。
関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。
この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。
その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。
2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。
単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。
NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
LOST / Game of Thrones / FRINGE / The Mentalist
上岡龍太郎 / ダウンタウン









