EC-CUBEでECサイトを構築したいと考えたとき、多くの企業が悩むのが「どの制作会社に依頼すべきか」という点です。
EC-CUBEは柔軟に構築できる反面、制作会社によって得意領域や進め方に差があります。
そのため、価格だけで決めてしまうと、要件定義が不十分なまま進んだり、公開後の運用で思わぬ負担が発生したりすることがあります。
この記事では、EC-CUBE制作会社を選ぶときに確認すべきポイント、見積比較の見方、事前に整理しておきたいことをまとめて解説します。
制作会社を比較する前に、EC-CUBE構築で何を決める必要があるのかを整理しておくと、見積や提案内容を判断しやすくなります。
全体像はEC-CUBE構築完全ガイドで確認できます。
EC-CUBE制作会社選びが重要な理由
EC-CUBEは、テンプレートに当て込むだけで完結する案件ばかりではありません。
デザイン、購入導線、会員機能、決済、配送、商品管理、管理画面運用、さらに必要に応じて外部システム連携まで、検討すべき範囲が広くなりやすいのが特徴です。
そのため、制作会社の違いは、単なるデザインの差ではなく、「どこまで業務を理解して設計してくれるか」という差になって表れます。
見た目は同じようなサイトでも、公開後の運用しやすさ、拡張のしやすさ、トラブル時の対応力は、最初のパートナー選びで大きく変わります。
そもそもEC-CUBE構築がどのような流れで進むのかを把握しておくと、制作会社ごとの提案の違いも見えやすくなります。
全体像を確認したい方は、EC-CUBE構築完全ガイドも参考にしてください。
EC-CUBE制作会社を選ぶときに確認すべきポイント
制作会社選びで見るべきポイント
| 比較項目 | 確認したいこと | 見落とすと起こりやすいこと |
|---|---|---|
| EC-CUBE実績 | EC-CUBE案件の経験があるか | EC特有の論点が抜けやすい |
| 要件定義力 | 要望を整理し、優先順位を付けられるか | 途中で仕様変更が増えやすい |
| カスタマイズ対応力 | 標準機能外の要件に対応できるか | 実現したいことが形にならない |
| 保守体制 | 公開後の改修や障害対応があるか | 公開後に困りやすい |
| BtoB理解 | 会員別価格、見積、掛け払い等に理解があるか | BtoB要件が抜けやすい |
| コミュニケーション | 相談しやすく、説明が分かりやすいか | プロジェクト進行が不安定になる |
まず確認したいのは、EC-CUBE自体の実績です。
WordPressサイトを多く作っている会社でも、EC特有の論点に慣れていない場合があります。
決済や配送、受注管理、会員設計など、ECならではの実務を理解しているかは重要な判断軸です。
次に見たいのは、要件定義から対応できるかどうかです。
依頼内容をそのまま形にするだけではなく、「その仕様で本当に運用しやすいか」「もっとよい進め方はないか」を一緒に考えてくれる会社の方が、結果的に失敗しにくくなります。
また、カスタマイズ対応力も重要です。
EC-CUBEを選ぶ理由の多くは、既存業務や独自運用に合わせたいからです。
標準機能で足りない部分をどう補えるか、その対応力があるかは必ず確認したいところです。
さらに、保守運用の視点も欠かせません。
サイトは公開して終わりではなく、改善や改修が続きます。
長く相談できる体制があるかどうかも見ておくべきです。
カスタマイズ対応力を見極めるには、実際の改修事例を見るのが有効です。
EC-CUBEのカスタマイズ事例も確認しておくと判断しやすくなります。
制作会社に相談する前に整理しておきたいこと
制作会社選びをスムーズにするためには、自社側でも最低限整理しておくべきことがあります。
たとえば、何を実現したいのか、現行の課題は何か、誰が使うサイトなのか、公開希望時期はいつか、予算感はどれくらいか、といった基本情報です。
特に大切なのは、「欲しい機能」だけでなく、「なぜその機能が必要なのか」を説明できる状態にしておくことです。
そうすることで、制作会社側も代替案や改善案を出しやすくなります。
また、必須要件と、できれば欲しい要件を分けておくと、見積や提案の比較がしやすくなります。
相談前に概算の費用感を把握しておくと、提案内容や見積の妥当性を判断しやすくなります。
EC-CUBE構築の費用感については、別記事でも詳しく解説しています。
見積を比較するときのチェックポイント
見積比較で見るべきポイント
| 項目 | チェック内容 | 備考 |
|---|---|---|
| デザイン範囲 | オリジナルデザインか、テンプレート活用か | 見た目だけでなく工数に影響する |
| 実装範囲 | どの機能まで含まれるか | 標準対応と個別開発を分けて確認したい |
| 商品登録 | 初期登録作業が含まれるか | 意外と工数がかかりやすい |
| 決済・配送設定 | 導入や調整が含まれるか | 運用開始に直結する |
| テスト | どこまでテストするか | 購入、メール、管理画面、スマホ表示など |
| 公開対応 | 本番反映、切替、初期調整が含まれるか | 公開直前で差が出やすい |
| 保守費用 | 月額保守の有無、範囲 | 初期費用だけで比較しない |
| 追加費用条件 | 何が追加費用になるか | 後から増額しやすいポイントを確認 |
見積比較で注意したいのは、総額だけを見ないことです。
同じ予算感の見積でも、どこまで含まれているかは会社によってかなり違います。
デザインの範囲、商品登録、テスト、メール設定、決済導入、CSV調整、公開対応、保守初期対応など、細かい項目の含まれ方を見ないと、比較の意味が薄くなります。
また、追加費用が発生しやすい項目も確認しておきましょう。
要件追加、ページ追加、会員機能拡張、外部連携、公開後修正などは、あとから費用が増えやすいポイントです。
本当に比較すべきなのは、価格の安さではなく、「どの範囲まで責任を持って対応してくれるか」です。
見積の数字だけでなく、構築全体の費用相場を知っておくことで、提案内容の比較がしやすくなります。
費用感を詳しく知りたい方はこちらも参考になります。
安さだけで選ぶと失敗しやすい理由
安さ重視で選ぶ場合と、総合判断で選ぶ場合の違い
| 観点 | 安さ重視で選ぶ場合 | 総合判断で選ぶ場合 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい | 安すぎないことも多い |
| 要件整理 | 最小限になりやすい | 比較的丁寧に進めやすい |
| テスト範囲 | 限定されやすい | 実運用まで考慮しやすい |
| 公開後対応 | 別料金になりやすい | 保守前提で相談しやすい |
| 中長期コスト | 追加改修で増えやすい | 初期は高くても安定しやすい |
| 向いているケース | 要件が明確で小規模な案件 | 運用改善や拡張を見据える案件 |
制作会社選びで価格は重要ですが、安さだけで決めるのは危険です。
安い見積の背景には、要件整理の不足、テスト範囲の限定、公開後対応の薄さ、保守の切り離しなどがあることがあります。
その結果、公開後に不具合や追加修正が増え、最終的には高くつくことも少なくありません。
また、当初は安く見えても、改修のたびに工数がかさむ構成になっていると、長期的には運用コストが大きくなります。
ECサイトは、作って終わりではなく、運用しながら改善していくものです。
だからこそ、初期費用だけではなく、公開後を含めた総コストで考える必要があります。
EC-CUBE制作会社に聞いておきたい質問
制作会社に相談する際は、実績や価格だけでなく、進め方についても質問しておくと安心です。
たとえば、「要件整理はどのように進めるのか」「EC-CUBE案件ではどのような課題が多いのか」「公開後の保守はどこまで対応しているのか」といった質問は、相手の理解度を見極める材料になります。
また、「BtoB対応の経験はあるか」「会員別価格や基幹連携の実績はあるか」など、自社要件に近い質問も重要です。
こちらの意図をすぐ理解できるかどうかで、実務理解の深さが見えてきます。
特に法人向けの受注サイトを検討している場合は、BtoC向けECと同じ考え方では進めにくいことがあります。
BtoB-ECとBtoC-ECの違いもあわせて確認しておくと安心です。
どのような会社がEC-CUBEに向いているか
EC-CUBEが向いているのは、標準機能だけでは足りない課題がある会社です。
たとえば、独自ルールで販売したい、会員ごとに表示内容を変えたい、BtoB取引をEC化したい、既存業務との整合性を取りたい、といったケースです。
そのような会社ほど、制作会社にも単なる制作力だけでなく、業務理解や設計力が求められます。
EC-CUBEを選ぶ理由と、依頼先を選ぶ基準はつながっています。
電話やFAX、メール中心の受注を見直したい企業では、一般的なECサイト構築とは異なる課題が出やすくなります。
FAX受注をEC化する考え方も関連テーマとして参考になります。
EC-CUBE制作会社を選ぶ際のまとめ
EC-CUBE制作会社を選ぶ際に大切なのは、「作れるかどうか」ではなく、「自社に合った形で設計・運用まで見据えて提案できるか」です。
実績、要件定義力、カスタマイズ対応力、保守体制、EC実務への理解。
この5つを軸に見るだけでも、制作会社選びの精度はかなり上がります。
見積の数字だけで決めるのではなく、相談時の受け答えや提案の中身も含めて判断することが、失敗を減らす近道です。
よくある質問
EC-CUBE制作会社を選ぶときに大切なことは何ですか?
EC-CUBEの実績があることに加え、要件定義から相談できるか、カスタマイズに対応できるか、公開後の保守体制があるかを確認することが大切です。
見積比較では何を見ればよいですか?
総額だけでなく、どこまでの対応が含まれているかを見ることが大切です。
デザイン範囲、実装範囲、テスト内容、公開対応、追加費用が発生しやすい項目、保守費用の有無などを確認すると比較しやすくなります。
安い制作会社を選べば問題ありませんか?
価格が安いこと自体は悪くありませんが、要件整理やテスト、公開後対応が十分でない場合、結果として追加費用や運用負荷が増えることがあります。
初期費用だけでなく、公開後を含めた総コストで判断することが大切です。
BtoB-ECの相談ができる制作会社を選ぶべきですか?
BtoB取引を想定している場合は、会員別価格、見積対応、掛け払い、基幹連携などの実務に理解がある制作会社を選ぶ方が進めやすくなります。
まだ要件が固まっていなくても相談できますか?
はい、可能です。
むしろ、要件が曖昧な段階で相談した方が、必要な整理や優先順位付けを進めやすいこともあります。
EC-CUBE構築のご相談はこちら
EC-CUBEは、制作会社によって提案の質が大きく変わります。
要件がまだ固まっていない段階でも、相談しながら整理を進めることは可能です。
EC-CUBEの新規構築やリニューアルをご検討中の方は、無料ご相談ください。
投稿者プロフィール
- サンクユーのEC-CUBE担当。15年以上にわたりEC-CUBE開発に従事し、2系・3系・4系すべてに精通。難易度の高いカスタマイズや、他社構築サイトの改修・再設計も多数対応しています。
Javaでの業務システム開発を起点に、PHP・Perl・フロントエンド・CMSまで横断的に対応。基幹システム連携や業務フローを踏まえた設計を得意とし、複雑な要件にも柔軟に対応可能です。
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