総務省からシニア向けサイト制作に参考になるデータが発表
昨日の平成28年9月18日に総務省より『統計からみた我が国の高齢者（65歳以上）－「敬老の日」にちなんで－』が発表されました。
参考：統計局ホームページ/平成28年/統計トピックスNo.97 統計からみた我が国の高齢者（65歳以上）－「敬老の日」にちなんで－
本日の敬老に日を迎えるにあたって、総務省統計局が日本の高齢者の姿を統計から見てみようとまとめたものです。
シニア向けサイト制作時に参考になるデータもありましたので、まとめてみました。
サイト制作時はペルソナ設定が必要ですので、ペルソナを設定する為の情報収集も必要ですね。
ペルソナとは、ターゲットとなるユーザを詳細な人物像として設定することです。
ターゲティングの一種ではありますが、年齢、性別、職業、年収、住んでいる地域、扶養家族、学歴、趣味、性格など、かなり詳細に人物像（ペルソナ）を設定します。
具体的な人物像（ペルソナ）を元にサイト・コンセプトはもちろん、デザイン、ユーザビリティ、機能、コンテンツなどを検討してます。
そうして制作したサイトは結果が出やすいことから、サイト制作にはペルソナ設定が欠かせないものとなっています。
高齢者人口の割合は全人口の27.3%。女性高齢者は30%を超える。
まず、高齢者とは65以上の方々を指すようです。
平成28年9月15日現在推計で、高齢者の人口は3,461万人です。
その割合は、日本人総人口27.3%を占めます。
前年が3,388万人で26.7%でした。
人口・人口比率ともに前年よりも増加していることになります。
次に男女別に見ると、男性は1,499万人で、男性人口の24.3%。
女性は1,962万人で、女性人口の30.1%。
女性高齢者は男性高齢者よりも463万人多いです。
女性の高齢者が女性人口の30%を超えていますが、30%を超えたのは今年が初めてだそうです。
また、主要国の中でも日本の27.3%は最も高い割合となっています。
ちなみに、2位はイタリアの22.7％。3位はドイツの21.4％です。
高齢者の就業数は過去最高の730万人。就業者総数に占める高齢者の割合も過去最高に。
高齢者の就業者数は、過去最多の730万人です。
12年連続で就業者数は増加しています。
また、高齢者の就業率は、男性が30.3％、女性が15.0％。
65～69歳の就業率は、男性が52.2％、女性が31.6％。
いずれも前年より高くなっています。
また、15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は過去最高の11.4％となっています。
高齢者は ICT（Information and Communication Technology／情報通信技術）を活用している
インターネットの利用率を5年前と比較すると、70～79歳が14.3 ポイント増で最も増えています。
次いで60～69歳が12.2 ポイント増などとなっていて、ICTを活用する高齢者が増えていることが分かります。
統計データでは利用デバイスの情報がなかったのが残念です。
高齢者がどのようなデバイスでインターネットを利用しているかは是非知りたいところです。
高齢者は健康と趣味にお金を使っている。
インターネットを活用する高齢者が増えていることが分かりました。
しかし、次のデータを見ると、インターネットを趣味としている訳ではなさそうです。
高齢者世帯は若い世帯よりも趣味にお金をかける
国内旅行や海外旅行などの「パック旅行費」の年間支出金額では、世帯主が65歳以上の高齢者世帯が年間6万円を超え最も高いです。
最も低い25～34歳の世帯に比べてなんと約2倍になっています。
「園芸用植物、園芸用品」、そしてカルチャースクール等の月謝を含む「他の教養的月謝」も高齢者世帯の支出金額が最も高くなっています。
高齢者は趣味によくお金を使って楽しんでいるようです。
ある程度時間にもお金にも余裕がある高齢者ならではできることなのかもしれません。
高齢者は趣味以上に健康にお金をかける
また、サプリメントなどの「健康保持用摂取品」は、世帯主の年齢が高くなるほど年間支出金額が高くなっています。
高齢者世帯の支出金額は25～34歳の世帯の金額の約6倍となっています。
高齢者は、趣味以上に健康に対する消費は厭わないようです。
このように高齢者はお金を使って健康を維持し、かつ趣味にもお金を使って人生を謳歌しているのが分かります。
高齢者世帯のネットショッピングの利用率は13.6%で増加している
高齢者世帯でネットショッピングを利用した世帯割合をみると、平成27年は13.6％。
平成17年は3.8％でした。
10年間で3.58倍になっています。
この10年で日本にネットショッピングは普及しましたが、高齢者にとっても例外ではなかったようです。
高齢者はネットショッピングを通じて健康を維持し、趣味を楽しんでいる
先に、高齢者はインターネットを趣味としている訳ではなさそうです。と述べましたが、ネットショッピングを通じて健康を維持し、趣味を楽しんでいるようです。
高齢者世帯のネットショッピングの支出金額は、「旅行関係費」が22.5％と最も高くなっています。
次いで「食料」が16.4％です。
次に、ネットショッピングで購入した品目・サービスの構成比を見てみます。（金額ではなく構成比です。お間違いないよう）
高齢者世帯の構成比と高齢者以外の構成比だと、「医薬品・健康食品」が1.82倍と最も高く、高齢者世帯における「医薬品・健康食品」は、高齢者以外の約2倍の構成比となっています。
続いて、「保険」及び「贈答品」が1.50倍、「食料品」が1.21倍です。
これからのシニア向けECはどうなるか？
高齢者の年間支出金額で多かったものが旅行や趣味、健康保持用摂取品でした。
そして、ネットショッピングの支出金額・構成比の大きいものも旅行や趣味、健康保持用摂取品でした。
つまり、高齢者はネットショッピングを通常の買い物と同等に活用していることが分かります。
しかし、他の世帯に比べると、まだまだネットショッピングの利用率は低いです。
このことは、ECサイト事業者がまだまだ高齢者（シニア）を開拓できていないことと、高齢者向け（シニア向け）にECサイトを改善する余地があることを示していると思います。
冒頭で述べた通り、サイト制作時にはペルソナ設定（ターゲットユーザを具体的な形まで落とし込むこと）が必要です。
ペルソナに最適なサイトデザイン、ユーザビリティ、機能、コンテンツを実装すれば、そのサイトは成功します。
高齢者向けのECサイト事業者様で売上に悩んでいる場合は、今一度ペルソナの見直しを行い、サイトの改善をしてみてください。
今後ますます増加する高齢者ユーザを取り込めるはずです。
投稿者プロフィール
- CEO
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関西大学卒業後、東証プライム上場企業ゼネコンにて人事総務業務に従事。
幼少よりモノ作りが好きだったこともあり、「モノを作る仕事がしたい」という思いからシステムベンダーへ転職。
システムベンダーでは、IBMオフコンAS400で金融、物流、販売管理、経理、人事総務などのシステムを開発。
台北に駐在し遠東國際商業銀行のシステム構築プロジェクトへの参画など貴重な経験を積む。
10年間で、プログラマ、SE、プロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャーを務め、「システムの質は要件定義の質に比例する」と学ぶ。
その後、クレジット決済代行会社にヘッドハンティングされる。
決済システムの再構築、国内外の銀行システムとの接続、クライアントの会社サイト制作・ECサイト構築を行う。
一方、組織改革を任され、20名から60名へ会社規模を拡大させる。（退任時役職：常務取締役）
2008年クリエイティブチーム・サンクユーを立ち上げ、2010年に法人化し株式会社サンクユーを設立。
クライアントの業界、取扱商材、ターゲット顧客を理解・分析することで、結果が出るWEBサイトを制作することを得意とする。
また、ECサイト構築・運営への造詣も深く、NTTレゾナント株式会社が運営するgoo Search Solutionでコラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution
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