EC-CUBEとShopifyをBtoB視点で比較|価格・掛売・基幹連携・5年コスト構造の違いを解説

EC-CUBEとShopifyをBtoB視点で比較|価格・掛売・基幹連携・5年コスト構造の違いを解説EC-CUBE
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この記事でわかること
「BtoB-ECなら、EC-CUBEとShopifyのどちらがいいのか」——BtoCならShopifyが選ばれることも多いですが、BtoBになると判断は一気に難しくなります。この記事では、BtoB-EC構築という前提で、顧客別価格・掛売・基幹連携・コスト構造の観点から、両者を比較します。ShopifyのBtoB対応の現状もふまえて整理します。

堀川 治(株式会社サンクユー 代表取締役)
どちらが優れているという話ではなく、業務構造に合うかどうかです。ShopifyのBtoB機能も年々進化しています。そのうえで、価格や取引の条件が複雑になるほど、自由に設計できるEC-CUBEの強みが出てきます。

EC構築の比較検討で必ず挙がるのが、EC-CUBEとShopifyです。この2つは、機能の多い少ないというより、成り立ちがまったく異なります。まず、BtoB視点での結論を先に表にまとめます。

EC-CUBEが向くShopifyが向く
独自業務・BtoB要件が多い標準的な運用が中心
基幹連携が前提スピード重視で立ち上げたい
独自ルール・例外処理が多い運用負荷を抑えたい

以下で、なぜこうなるのかを、BtoBの具体的な観点から見ていきます。

前提:思想がまったく違う

観点EC-CUBEShopify
提供形態オープンソースSaaS(クラウド)
カスタマイズ自由に設計できるプラットフォームの範囲+アプリ
インフラ自社で選択・管理Shopifyが管理
費用の中心構築費・保守費・サーバー費月額費用・決済手数料
BtoB対応設計次第で柔軟B2B機能あり(要件次第で範囲を確認)

重要なのは、機能の数ではなく、この構造の違いです。自分たちで自由に組み立てるEC-CUBEと、整った枠組みの中で効率よく運用するShopify——出発点が違うため、向いている場面も変わります。

BtoB視点①:顧客別価格・契約単価

BtoBで最も重要になるのが、価格体系です。顧客別単価、数量別価格、契約価格、期間限定価格——取引先ごとに条件が変わるのが一般的です。

EC-CUBEは、こうした価格ロジックを設計次第で自由に組めます。一方、Shopifyも、Shopify Plusの「B2B on Shopify」機能や、近年は一部の標準プランでも、顧客別の価格や卸売カタログに対応できるようになっています。基本的な顧客別価格であれば、Shopifyでも十分に対応可能です。

違いが出るのは、価格の決まり方が複雑なケースです。多数の価格表を持つ、複雑な計算ロジックがある、独自の例外処理が多い——こうした要件になると、枠組みの中で対応するShopifyより、自由に設計できるEC-CUBEに分があります。たとえば、得意先別価格が数百〜数千パターンある、メーカーごとに受注ルールが異なる、といったケースです。価格構造が複雑な企業ほど、自由設計の優位性が出ると言えます。

BtoB視点②:掛売・与信管理

BtoBでは、掛売(後払い)取引が一般的です。EC-CUBEでは、与信上限の設定、支払条件の管理、基幹システムとの連携などを、自由に設計できます。

Shopifyでも、B2B機能により掛け払い(ネット決済条件)に対応できます。ただし、前受金や分割払い、納品単位での請求、独自の与信ロジックといった細かい制御が必要になると、アプリの活用や個別の対応が必要になり、対応できる範囲を事前に確認しておく必要があります。制御の自由度という点では、EC-CUBEに分があります。

BtoB視点③:基幹システム連携

在庫・受注・売上・請求などを基幹システムと連携する場合、API設計の自由度が重要になります。

EC-CUBEはソースが公開されているため、柔軟な連携設計が可能です。たとえば、ERPとの独自API連携や、独自の承認フローを挟んだ受注処理なども設計できます。ShopifyもAPIは充実しており、多くの連携が実現できますが、SaaSであるためプラットフォームの仕様の範囲内での連携になります。既存の基幹システムが特殊であったり、連携の要件が複雑であったりするほど、自由に作り込めるEC-CUBEが有利になりやすい領域です。

BtoBで、EC-CUBEとShopifyのどちらが合うか迷っていませんか。

価格体系や掛売、基幹連携などの要件を伺い、EC-CUBEとShopifyのどちらが自社に合うか、一緒に整理します。EC-CUBEありきではなく、要件に合った形を一緒に考えます。

どちらが自社に合うか相談する

コスト構造の違い(5年視点)

費用は、初期費用だけでなく、5年程度の総額で見ることが大切です。両者はコストのかかり方が異なります。

ShopifyEC-CUBE
主な費用月額費用、決済手数料、アプリ費用初期構築費、サーバー費、保守費
売上との関係売上が増えるほど決済手数料も増える売上連動の課金は基本的にない
コストの見通し始めやすいが、成長で増えやすい初期は大きいが、拡大時に安定しやすい

Shopifyは、決済手数料が費用の中心です(Shopifyの決済サービスを使う場合、追加の取引手数料はかかりません)。始めやすい一方で、売上が伸びるほど手数料も増えていきます。EC-CUBEは初期費用が大きいものの、売上連動の課金が基本的にないため、成長する企業ほど、中長期でコストが逆転するケースもあります

どちらが向いているか

Shopifyが向いている企業EC-CUBEが向いている企業
短期で立ち上げたいBtoB比率が高い
BtoC中心価格体系が複雑
標準的なBtoB機能で足りる基幹連携が必須
インフラ管理を避けたい将来の拡張を前提にしている

Shopifyは標準機能の完成度が高く、インフラ管理も不要で、セキュリティも標準で管理されます。運用負荷を抑えながら短期間で公開したい企業には、非常に有力な選択肢です。標準的なBtoB機能で足りる企業にも合理的です。一方、EC-CUBEはサーバー管理が必要になりますが、その分、構成の自由度が高く、複雑な要件に応えられます。運用を支える体制があれば、十分に選択肢になります。

よくある失敗は、「流行っているからShopify」「安そうだからEC-CUBE」という選び方です。大切なのは知名度や印象ではなく、自社の業務構造との整合性です。

よくある質問

ShopifyでもBtoB(卸売)はできますか?

できます。Shopify Plusの「B2B on Shopify」機能や、近年は一部の標準プランでも、顧客別価格、卸売カタログ、掛け払い、法人アカウントなどに対応しています。基本的なBtoBであれば十分に対応可能です。ただし、価格ロジックが複雑な場合や特殊な要件がある場合は、対応範囲を事前に確認する必要があります。

複雑な顧客別価格には、どちらが向いていますか?

多数の価格表や複雑な計算ロジック、独自の例外処理が多い場合は、自由に設計できるEC-CUBEが向いています。基本的な顧客別価格であればShopifyでも対応できますが、複雑になるほどEC-CUBEの自由設計の優位性が出ます。

コストは、どちらが安いですか?

始めやすさではShopifyが有利です。ただし、Shopifyは売上が増えると決済手数料も増える一方、EC-CUBEは売上連動の課金が基本的にありません。そのため、売上規模が大きくなるほど、中長期ではEC-CUBEのコストが有利になるケースもあります。5年程度の総額で比較することをおすすめします。

基幹システムとの連携は、どちらが柔軟ですか?

EC-CUBEはソースが公開されているため、連携設計の自由度が高いです。ShopifyもAPIは充実していますが、SaaSのためプラットフォームの仕様の範囲内での連携になります。基幹システムが特殊であったり、要件が複雑であったりするほど、EC-CUBEが有利になりやすいです。

結局、どちらを選べばよいですか?

短期で立ち上げたい、BtoC中心、標準的なBtoB機能で足りるならShopify、BtoB比率が高い、価格体系が複雑、基幹連携が必須、将来の拡張を前提とするならEC-CUBEが向いています。知名度や印象ではなく、自社の業務構造に合うかで判断することが大切です。

迷ったら、この3つだけ確認してください

  • 独自の業務ルールや例外処理が多い
  • 基幹システムとの連携を予定している
  • 将来的にBtoB機能を拡張したい

→ この3つに当てはまるなら、EC-CUBEが有力な選択肢になります。

逆に、次のような場合は、Shopifyを含むSaaS型ECが向いている可能性があります。

  • できるだけ早く公開したい
  • 標準機能で十分
  • 少人数で運営したい

まとめ

EC-CUBEとShopifyの違いは、機能の差というより、構造の違いです。ShopifyのBtoB機能も進化しており、基本的なBtoBであれば十分に対応できます。そのうえで、価格の柔軟性、与信管理、基幹連携、拡張性といった観点では、要件が複雑になるほどEC-CUBEが有利になるケースが多くなります。一方、短期での立ち上げや標準的な運用を重視するなら、Shopifyが合理的です。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、どちらが自社の将来の業務構造に合うかです。私たちは、BtoBの業務要件を伺ったうえで、EC-CUBEとShopifyのどちらが合うかも含めてご提案しています。BtoB-ECの構築でお悩みのことがあれば、お気軽にご相談ください。

BtoB-ECを、業務に合った形で構築しませんか。

顧客別価格、掛売、基幹連携などの要件を伺い、EC-CUBEとShopifyのどちらが合うかも含めてご提案します。BtoBの商習慣に合ったECを、一緒に設計しましょう。

BtoB-ECについて相談する

投稿者プロフィール

OSAMU HORIKAWA
OSAMU HORIKAWACEO
株式会社サンクユー 代表取締役CEO。
基幹システムとECをつなぎ、受発注業務の最適化を支援する専門家。

関西大学卒業後、東証プライム上場のゼネコンにて人事総務を経験。
その後システムベンダーへ転職し、IBM AS/400環境における金融・物流・販売管理・経理・人事など、企業の基幹業務を支えるシステム開発に従事する。
プログラマからプロジェクトマネージャーまでを経験し、台湾・台北駐在として銀行システム構築プロジェクトにも参画。

この経験を通じて、「システムの質は要件定義の質に比例する」という思想を確立。
業務理解を起点としたシステム設計を強みとする。

その後、クレジット決済代行会社にて、決済システムの再構築や銀行連携、ECサイト構築を担当。
あわせて組織改革にも携わり、20名から60名規模への組織拡大を実現(退任時:常務取締役)。

2008年に株式会社サンクユーを創業、2010年に法人化。
現在は、基幹システムとECの両領域に精通した知見を活かし、BtoB企業における受発注業務のデジタル化・効率化を支援。
特に、FAX・電話・メールなどアナログ業務のEC化や、基幹システムとの連携を前提とした業務設計を得意とする。

単なるECサイト構築にとどまらず、業務フローの整理・要件定義・システム設計まで一貫して関与し、「現場で使われる仕組み」を実現することを重視している。

NTTレゾナント「goo Search Solution」にてEC関連コラムを執筆。
ECマーケティングレポート | goo Search Solution

■趣味・関心領域
BMW / WRC / ロードバイク / RIZIN / UFC / 大相撲
David Bowie / blur / MUSE / The Rolling Stones / XTC
機動戦士ガンダム(富野由悠季)
ベルセルク / 頭文字D / 進撃の巨人 / ジョジョの奇妙な冒険 / あしたのジョー
Mission: Impossible / Memento / ワイルド・スピード / ソナチネ
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