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Contents
クレジットカード決済代行って何?クレジットカード会社とは異なるの?
ECサイトにおいて、クレジットカード決済はもはや当たり前の決済手段です。
日本人は欧米人に比べると、クレジットカードを使用することに対しては少し抵抗があるようですが、クレジットカードが利用できないサイトはないのではないのでしょうか。
口座振込やコンビニ決済に比べると、クレジット決済は利用率は下がると言われていますが、ECサイトにはなくてはならない決済手段には違いありません。
ほとんどのECサイトが契約しているのは、クレジットカード会社ではなく、クレジット決済代行会社です。
クレジットカード会社(一例)
- VISA
- MASTER
- JCB
- AMEX
- Diners
などがクレジットカード会社です。
では、クレジット決済代行会社は?と言いますと、以下のような会社です。
クレジットカード決済代行会社(一例)
- ベリトランス
- ソフトバンク・ペイメント・サービス
- エフレジ
- イーコンテクスト
- ゼウス
- テレコムクレジット
違いはなんとなく分かりますでしょうか?
分からないですよね。。。
では、クレジットカード決済代行について、簡単にご説明したいと思います。
今回含めて3記事での説明となります。
そもそも、クレジットカード決済代行って何?
まず、決済「代行」というくらいですから、何かを代行している訳です。
それは何かと言うと、「クレジットカード会社の業務」です。
クレジットカード決済代行会社はクレジットカード会社の業務を一部代行しています。
クレジットカード会社の業務とは?
では、カード会社の業務にはどのようなものがあるのでしょうか?
カード会社の業務には、イシュアー(issuer)とアクワイアラー(Aquirer)があります。
- イシュアー(issuer):文字通り、クレジットカードを発行する業務
- アクワイアラー(Aquirer):加盟店と契約する(加盟店を開拓する)業務
となります。
クレジットカード決済代行会社は上記の内、アクワイアラー(Aquirer)業務を代行しています。
決済代行会社は加盟店を開拓することにより、カード会社から手数料収入を得ています。
決済代行会社の収入源は?
決済代行会社はカード会社の手数料に、独自の手数料を上乗せしてします。
その上乗せ分の手数料が決済代行会社の売上になります。
その他、初期費用や月額費用も決済代行会社自身の売上となります。
手数料とは決済手数料を指します。
決済額(購入額)に対して掛かるカード手数料のことです。
例を出してご説明します。
決済代行会社Aは、カード会社Zの代わりに加盟店(ECサイトや店舗)に営業し、加盟店を開拓します。
その際に、決済代行会社Aは加盟店とカード手数料3.5%で契約。
カード会社Zとカード手数料2.5%と、決済代行会社Aが加盟店に設定したカード手数料3.5%の1.0%の差額が決済代行会社の売り上げとなります。
加盟店でクレジットカードでの売り上げが月に1,000万円の場合、決済代行会社は10万円の売上となります。
上記でイメージ頂けますでしょうか?
実際には、その他にトランザクション料(処理料)や取消手数料、チャージバック手数料などもありますが、ここでは無視します。
決済代行会社によってカード手数料が異なるのはなぜ?
クレジットカード会社の手数料は、どの決済代行会社にとっても(ある程度の幅はあるものの)ほぼ同率なので、ベースの手数料にどれだけ上乗せするかは決済代行会社の経営判断によります。
- 経営のスリム化を図ってるから、低めの設定
- 薄利多売だから、低めの設定
- 営業力がないから、低めの設定
- 手厚いサービスを提供するから、高めの設定
- システムやセキュリティにお金をかけているから、高めの設定
- ニッチ戦略を取っているから、高めの設定
- リスクの高い業界をターゲットとしているから、高めの設定
など・・・
上記のように、代行会社が決定する手数料は、その会社の経営判断を反映するものでもあります。
また、カード手数料だけで決済代行会社を選択するのは、危険だと分かります。
クレジット決済代行会社の業務
ここで、クレジット決済代行会社の業務を細かく見ましょう。
- 加盟店開拓(店舗、ECサイト)
- 加盟店管理
- カード会社からの入金管理
- 加盟店への支払い、明細書発行
- 加盟店からの問い合わせ対応
- 加盟店を利用したお客様(カードホルダー)からの問い合わせ対応
- カード会社からの問い合わせ対応
- システム構築、提供
- セキュリティ管理
- 決済監視(不正な決済がないか)
など・・・
上記が決済代行会社の業務となります。
代行と言っても、業務はそれなりに多いです。
なぜ、クレジットカード決済代行会社を利用するのか?
では、なぜ、ECサイトはクレジット決済代行会社を利用するのでしょうか?
直接、カード会社と契約してもいいのでは?
そもそも、カード会社と直接契約ができるのか?
クレジットカード会社にとってのメリット
- 決済代行会社が加盟店開拓をしてくれる為、自社リソース以上の新規加盟店の獲得ができる。
- 決済代行会社が開拓した加盟店の管理は基本的に代行会社が行う為、管理コストを掛けず手数料収入を得られる。
- リスクがある業界・企業に対しては代行会社経由とすることでリスクヘッジができる。
- クレジットカード会社は大手取引先との直接取引に専念できる。
など・・・
加盟店(ECサイト、店舗)にとってのメリット
- 規模が大きくない加盟店は、そもそもクレジットカード会社と直接契約することは不可能です。
その為、決済代行会社と契約することにより、クレジットカード決済を導入することができます。 - 直接カード会社と契約するにしても、カード会社ごとの契約が必要になります。
決済代行会社と契約することにより、契約を1本化できます。 - 各カード会社と契約すると、カード会社ごとの入気になり、入金サイクルも異なります。
決済代行会社と契約することにより、業務を1本化できます。
など・・・
最後に、決済情報、お金の流れを書いておきます。
決済情報の流れ
決済情報(カード情報、決済額など)の流れは以下のとおりとなります。
- カードホルダー → 加盟店 → 決済代行会社 → クレジットカード会社
カードホルダー(加盟店を利用したお客様)と加盟店(店舗、ECサイト)の間に、クレジットカード会社と決済代行会社が入っています。
上記はまだシンプルなフローですが、代行会社の中には「代行会社の代行会社」があります・・・・
- カードホルダー → 加盟店 → 決済代行会社A → 決済代行会社B → クレジットカード会社
- カードホルダー → 加盟店 → 決済代行会社A → 決済代行会社B → 決済代行会社C → クレジットカード会社
なんてのもあります。
決済代行会社は決済情報を自社システムに保持していることがありますので、クレジットカード会社と決済代行会社にカード情報が保持されることになります。
(加盟店は決済代行会社の管理画面で決済情報を管理するので、加盟店でカード情報を保持することはまずないです。)
代行会社が間に入れば入るほど、カードホルダーにとってはリスクは大きくなります。
カードホルダーは加盟店にとってお客様です。
カードホルダーにとってのリスクは、加盟店にとってのリスクにもなり得ます。(=加盟店の信頼に直結する訳ですから)
お金の流れ
今度は、お金の流れです。
- カードホルダー → クレジットカード会社 → 決済代行会社 → 加盟店
カードホルダー(加盟店を利用したお客様)と加盟店(店舗、ECサイト)の間に、クレジットカード会社と決済代行会社が入っています。
こちらも「決済情報の流れ」同様、複数決済代行会社が入ることもあります。
- カードホルダー → クレジットカード会社 → 決済代行会社A → 決済代行会社B → 加盟店
- カードホルダー → クレジットカード会社 → 決済代行会社A → 決済代行会社B → 決済代行会社C → 加盟店
上記を見て頂ければ、加盟店が一番リスクがあり、一番弱い立場ということが分かります。
理解した上でご契約する必要があります。
しかし、加盟店にとって、クレジットカード決済が導入できるメリットは大きいです。
その為にも、決済代行会社は慎重に選択し、健全な店舗運営、ECサイト運営を行うべきだと思います。
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